2013年12月25日水曜日
「ちくま」 2014年1月号
「ちくま」 来年の表紙は酒井駒子さんの絵。
酒井さんの絵が好きなので、嬉しいです。
「ちくま」が届くとまず、
岸本佐知子さんのエッセイ“ネにもつタイプ”を読みます。
それから、
鹿島茂先生の“神田神保町書肆街考”の連載はもう43回目、
橋本治さんの“古典を読んでみましょう”をさらりと目を通し、
森村泰昌さんの“美術、応答せよ!”に刺激を受け、
斎藤美奈子さんの“世の中ラボ”を斜め目線で読み・・・
読むところがたくさんあります。
今月はその上に筑摩書房の新刊「領土と地図」ミシェル・ウェルベックについて、
訳者の野崎歓先生が書かれていました。
ウェルベックについてはよく知りません。
ただ、代表作の「素粒子」を読んだときに、
小説と美術は社会の一歩先を行くと強く思ったのでした。
批評は未来を予想するものではありません。
そういう意味では弱さもあります。
ポスト・モダンを乗り越えて久しい現在、
一体これから先何が待っているのか、起ころうとしているのか、
私たちは何を培っていくのだろうか、
批評の対象を見渡したとき、
あまり明るい材料は見当たらないように思っています。
少し先の未来をリアルに描いているように感じられるウェルベック。
野崎先生は“バルト的「作者の死」への強烈なアイロニーと、
それを乗り越えようとする大胆な小説家宣言が込められているのではないだろうか。”
と書いていますが、そうだとしたら、ウェルベックを読まなくては。
あまり生々しいので、実はウェルベックのような作風は好きではありません。
が、現実を見据えた上で小説の未来を提示できる作品となると、
興味深々です。
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