先日の「ちくま」2014年1月号の野崎歓先生の
ウェルベック新刊評がとても興味深かったので、
あのような批評に近い文章を読んでみたいと思い、
「われわれはみな外国人である」と取り出してきました。
この本は1990年代から2000年代にかけて野崎先生がかかれた
本にかかわる文章を集めたものです。
が、冒頭のプルーストに関する章を読んでみると、
ほぼエッセイで、その滑らかな鋭さはきっちりとあるものの、
求めているものが見当たらない。
そもそも自分自身が何を求めているのか、
漠然としていることに気がつきました。
「赤ちゃん教育」でも感じていたのですが、
野崎先生は鋭い視線と思考をとても優しい言葉に置き換えておられるので、
すごく読みやすく、とても東大の先生が書かれたものとは思えないです。
この本はテーマがテーマだけに、当然かもしれませんが。
でも、その思考を話し言葉に置き換える寸前の表現で書かれたものが
読みたいのです。
自分は教養も学も無いので、
もちろん論文のようなものは読めません。
ところが、ふつうの文章では物足らなく、
欲しているのは、
もう少し明確に論考されているもの。
他の本では、谷崎に関する本や映画に関する本があるようですが、
ちと読みたいテーマが違います。
ほかにはカミュの異邦人を噛み砕いた本「よそもの」や、
フランス文学入門編「フランス小説の扉」を
読みましたが、親切この上なく、
自分にものんびり読める本でした。
もちろんその中にはエッセンスがあるわけで、
それで十分としたらいいのかもしれません。
歯が立たない本を読んでみたいが、
通読するまでに至らない。
現状はそんなところです。
まだまだ自分に会う本を求めて行脚が続きます。
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