2015年9月13日日曜日

「死を笑う」

「死を笑う うさぎとまさると生と死と」
中村うさぎ・佐藤優著 毎日新聞社


2013年に原因不明の病気で心肺停止に陥り、
臨死体験を経験された中村うさぎさん。
かつて鈴木宗男事件に連座して、
社会的に葬り去られた経験を持つ佐藤優さん。
このお二人は、かねてからキリスト教について
真剣に語り合った経緯もあり、
死について真面目に向かい合った対談をまとめられています。


自身の体験から会話は始まり、
何によって死とするか、
死と考えられるのか、
具体的な社会的事件を例にとって、
話は広がっていきます。


私は一気に読んでしまったので、
不謹慎ではありますが、
内容に頷きながら読んだものの、
話の意図をよくわかっていない部分があると思います。
死そのものについて、
つきつめて考えたことが無い、という点もマイナスでしょう。


もちろん死を前提に、
お二人がどのように生きているか、生き延びているか、
についても話されています。
それが、面白かったりするので、これも不謹慎かもしれません。


ですが、一般の人が読む場合、
重苦しい思いで読まれることが多いであろう死について、
これほどあけっぴろげに語られることは少ないのでは、
ないでしょうか。


自分自身の死イコール生について考えさせられる、
有意義な一冊でありました。 


今月、新潮社から中村さんの著書「他者という病」が
出版されています。
その本について「波」で佐藤優さんが、
“己の死についてもっと掘り下げて考えなくてはならない。
 中村うさぎさんとこのテーマについて一緒に仕事をしたい。”
と書かれています。
この本では佐藤さんの言う“愛のリアリティー”を説かれているそうです。
生きていくあたって、一人では生きられない、とするなら、
これは、一読の必要あり、というところです。

0 件のコメント:

コメントを投稿