2015年9月20日日曜日

「なずな」

「なずな」 堀江敏幸著 集英社文庫


なずなは時折“ほぅ”という声を出すらしいです。
赤ちゃんが声を出すときは、“お”とか“む”とか、
声らしき音をのどのあたりから、発声するという気がします。
が、赤ちゃんによって個性はあるかもしれませんね。


単行本で読んだときには、
なずなのことより、ストーリーの流れや、
堀江さんならではのユニークなエピソードの絡みを楽しみました。
文庫化されて、再読となった今回は、
なずなの成長ぶりに驚くとともに、
初読ではなずなに注目していなかったことに気づきました。
主役なんですけどね。


登場人物も楽しい人ばかりで、
安心して読める小説。
堀江さんのエッセイとはまた違った緩みを感じられるところです。
どちらも楽しい。


無事に、なずながお母さんの元に帰り、
お父さんも元気になって日本に戻ってきて・・・
そう、続きが読みたいですね。
秀一さんもどんな生活をしているのか、
様子を覗いてみたいです。


え?内容の紹介が無い?
ちょっとだけ読んでみてください。
フィット感があったら、迷うことなく堀江さんの本を
どんどん読んでみてください。
小説には幸福感が、
エッセイにはこの世の真実が
香り高く描かれています。

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