桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した絵師、
長谷川等伯の生き様を描いた作品「等伯」。
安倍龍太郎氏はこの作品で直木賞を受賞されたのも、
記憶に新しいことかと思われます。
この作品、日経新聞の朝刊の連載だったのでした。
毎日、楽しみに読んでおりました。
等伯という人の誠実な人柄が中心に描かれ、
そして時代物として戦乱の京都を舞台としています。
故郷の石川県七尾との関係も深く、
大切な妻と子供を守りながら、
絵画の世界を追求していく姿に、
引き込まれていました。
絵師が主人公だからでしょうか、
あまり武士の主従関係が突出することもなくて、
この戦乱の時代を生き抜いた絵師の姿は、
とても清らかに見えるのです。
そして、どんなに素晴らしい作品かと、
写真でしか観たことの無い名画を、
いつしか武将たちと一緒に眺めていたのでした。
その本がついに文庫なりました。
もう一度読みたい、でも切りが無い、
悩んでおります。
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