「ムーミン谷のひみつの言葉」 冨原眞弓著 筑摩書房
ムーミン谷を舞台とするコミックスは、
イギリスの新聞「イヴニング・ニューズ」で1954年から、
長く掲載されました。
この本では、コミックスのトーベ・ヤンソン時代の作品から、
示唆に富んだユーモアたっぷりの言葉の数々を選び出し、
その言葉の含む意味を読み込んでいます。
ちくま文庫の「ムーミン谷のひみつ」の兄弟本のような趣です。
私たちの日常にも、同じような言葉が発せられたり、
よく似た不可思議な状況に見舞われたりすることに、
他人事とは思えず、
ちょっぴり痛さも感じられます。
生きている限り、ムーミン谷の住人たちとそう変わりはないのです。
それにしても著者の冨原さんの読み込みは、
深く、大変明快で、わかりやすい。
大人の教科書のような内容だと思ってしまいました。
ムーミントロール “ねえ・・・義務ってなんのこと?”
スナフキンの返事 “したくないことをすることさ”
スナフキンはクールに答えたものの、
義務にがんじがらめになりかけのムーミンたちを
心優しく導いてあげるのでした。
ムーミンたちの暮らしを見ていると、
ほんとに大切なことって基本に忠実なことかな、と思いあたります。
根底にあるのは、心の自由と、他者へ優しさ、思いやりなのでした。
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