マルグリット・ユルスナール著「とどめの一撃」の映画を観ました。
“ブリキの太鼓”で知られるフォルカー・シュレンドルフが監督です。
1976年の作品です。
大筋は原作に沿っていますが、
微妙なニュアンスが違います。
配役も厳しいところがあります。
原作を意識していると、
どうしても反発してしまいます。
小さな違いが重なり、大きく反映して、
話の根本がずれてしまっています。
ですが、戦火の真っ只中、
兵士たちが駐屯する屋敷、
バルト海沿岸地方の冬の景色などは、
画面でみると、
リアルに感じられます。
一つの映画として鑑賞すればよいかもしれませんが、
原作を知らないと、
筋も、人間関係もさっぱりわからないかもしれません。
なにより、
ユルスナールが大切にしている部分が
描かれていないのが残念です。
その欠落が、原作との不一致を明らかにしています。
妙な位置づけの映画です。
0 件のコメント:
コメントを投稿