ミラン・クンデラの作品のほとんどは邦訳があり、
多くの読者を獲得しています。
「微笑を誘う愛の物語」1958-70(チェコ語版)、70(フランス語版)集英社(1992)
「可笑しい愛」 集英社文庫(2003)
「冗談」1967(チェコ語版)1968(フランス語版) みすず書房(1970)
「生は彼方に」1973(フランス語版) 早川文庫(2001)
「別れのワルツ」1976(フランス語版) 集英社(1993)
「別れと忘却の書」1979(フランス語版) 集英社(1992)
「ジャックとその主人」1981(フランス語版) みすず書房(1996)<戯曲>
「存在の耐えられない軽さ」1984(フランス語版)集英社(1989)、集英社文庫、
河出書房新社
「小説の精神」1986(フランス語版) 法政大学出版局(1990)<評論>
「不滅」1990(フランス語版) 集英社(1992)、集英社文庫
「裏切られた遺言」1993(フランス語版) 集英社(1994)
「緩やかさ」1995(フランス語版) 集英社(1995)
「ほんとうの私」1998(フランス語版) 集英社(1997)
「無知」2000(フランス語版) 集英社(2001)
「カーテン」2005(フランス語版) 集英社(2005)<評論>
多くの小説、評論をクンデラと親交のある西永良成氏が翻訳されています。
研究書としては、
「ミラン・クンデラの思想」西永良成著 平凡社選書(1998)
「ミラン・クンデラと小説」赤塚若樹著 水声社(2000)
「小説というオブリガード」工藤庸子著 東京大学出版会(1996)
などがあります。
※ ※ ※
「存在の耐えられない軽さ」と「不滅」を読んで
すっかりクンデラの虜になったところから、
少しずつですが、上記の本を読み進めてきました。
読みごたえのある作品ばかりで、
小説の奥深さだけでなく、
世界にはこのような作品の書き手がいるという事実に、
圧倒されました。
評論を読んでみるとクンデラの意図するところが、
理解できるようになっています。
ここで、立ち止まってしまいました。
そこには未知の原語で語られた、
理解を超えた見知らぬ世界観が広がっていました。
クンデラがマジシャンのようにも、
宇宙人のようにも見えます。
ただ小説を楽しむには、なんの支障もありません。
なぜその作品が書かれたのか、
書き手の思想と意思が知りたい、
その作品の意図はどこにあるのか、
と追求を始めると、
より理解できなくては始まりません。
以前「不滅」について、このブログでも取り上げましたが、
それ以上の進歩が見られないのが現状です。
いつか再び読む日がくるかもしれません。
でも今は、とても手には負えません。
情けなさと無念さとが入り混じっているのですが、
お手上げということで、
しばし、お蔵入りさせることにしました。
仕事で言う“優先順位を入れ替える”というところでしょうか。
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