2010年3月27日土曜日

上と下の二段

小学校5年生でした。
国語の時間の時のこと、
担任の先生が言いました。

“縦書きのノートの真ん中に横線を引いて、
 上と下に分けてください。”

そして黒板にその図を描いてくれました。

“上の段には、
教科書の
 文章に書かれていることを
 書いてください。”

“下の段には、
 その文章から分かることを
 書いてください。”

例えば、
上段には、文章を細かく刻んで、
記します。
下段には、上段に記した文章から、
分かること、表現されていることなど、
自分で読み取れることを、
記します。

とってもシンプルで、
どれだけ理解できているか、
一目瞭然の方法です。
小学生にもすぐにできるわけです。
お話を読んだりするときには、
とても有効な読解をすすめてくれるでしょう。

ところが、
上段は簡単に書けたのですが、
下段が問題でした。
自分が思うことや、考えることがもし間違っていたら?
不安で書くことができません。
でたらめを書くような気がしたのです。
懐疑的すぎますね。
結局、活字になっているところだけしか信用できなかったので、
上段と下段は同じことを書いてしまいました。

小学5年生、ノートに向かって、
手を滲ませていたことをよく思い出します。

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