2010年5月14日金曜日

「ギリシアの泉」①

「ギリシアの泉」 シモーヌ・ヴェイユ著 冨原眞弓訳 みすずライブラリー

冒頭におかれている“『イリアスあるいは力の詩篇』”を読了。
ホメロスの『イリアス』を題材に、その核となっている“力”が
どのように描かれ、またどのように読むことができるか、
丹念に考察されている。

叙事詩という形式から、ある種のメッセージとも読むことができる。

その“力”はどのように生まれ、働くのか、
そののち、このメッセージはどう読まれていったか。
『福音書』や後世の戯曲などにも目を配り、
人間の魂のあり方を問う。

哲学、思想の書物は、とかく著者の思考レベルで書かれているので、
こんな凡人には、とてもするするとは読めません。
いったりきたりしながら、『イリアス』とはこういうお話か、
“力”とはこのように影響力を持つものなのか、と
動揺させられることばかりでした。

初めて読んだシモーヌ・ヴェイユ。
シモーヌは常に熱い思いを込めて書いていたことが、
察せられます。

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