6月頃からしばらくシモーヌ・ヴェイユに関する本を読んでいました。
「シモーヌ・ヴェイユ」 フランシーヌ・デュ・プレシックス・グレイ著 上野直子訳 岩波書店
「シモーヌ・ヴェイユ伝」 ジャック・カボー著 山崎庸一郎・中條忍訳 みすず書房
「シモーヌ・ヴェイユ 最後の日々」 ジャック・カボー著 山崎庸一郎訳 みすず書房
「シモーヌ・ヴェイユ」 冨原眞弓著 岩波書店
ヴェイユには以前から関心があったのですが、
いきなり「重力と恩寵」を読もうとして参ってしまい、
一度は諦めた経験があります。
そこへ、入りやすそうな評伝が岩波書店から出たので、
再度挑戦する気持ちで取り組みました。
確かに一冊目の評伝は読みやすく、分かりやすかったのですが、
続いて読んだ伝記が、厚みだけでなく、手ごわい内容でした。
数多くの引用とともに、ヴェイユの思想を推考し、
彼女の生き様を追っていくには、かなりの体力を必要とします。
同じカボーの「最後の日々」は伝記を補足する内容で、
ニューヨークからロンドンまでの最晩年に至る重要な時期について、
深く掘り下げて書かれています。
圧巻は冨原さんのヴェイユ論。
この内容を理解するには、ヴェイユが読んだ本なども
頭に入っていないと、付いていけません。
ヴェイユという人の知性と教養、思考の深さと、
人間への熱いまなざしに圧倒されます。
そして冨原さんの努力と読解力に頭が下がります。
ここへきて、ヴェイユを読む覚悟を決めなくては
いけなくなりました。
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