2009年8月6日木曜日

「ムーミン谷のひみつ」

「ムーミン谷のひみつ」 冨原眞弓著 ちくま文庫

フランス哲学を専門とされている冨原さんにはもう一つの顔があります。
(ほんとはもっとあるのかもしれませんが、知る限りにおいては)
トーベ・ヤンソンと面識のある翻訳者であり、研究者でいらっしゃいます。

この「ムーミン谷のひみつ」はムーミン谷の住人たちについて書かれており、
とくに彼らの精神的な部分を掘り下げ、成長していく過程を重点にしています。
これだけで、ムーミン谷の仲間をよく知ったような気になるほどです。

読書の大切なことの一つに登場人物について
彼らをよく理解することが挙げられるでしょう。
この本を読んでみて、これまでいかに上滑りで、
ストーリーだけを追う読書をしていたか、
痛感してしまいました。
一人ひとり、また一つひとつのエピソードに詰まった宝物を
見逃しているようなものですね。

実際にムーミン・シリーズを丁寧に読むことで、
彼らと本当に出会いたいと強く思ったのでした。

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