2011年2月27日日曜日

何もしないお休みの日

昨日から左膝が激痛でまともに歩くこともできない状態です。
湿布と痛み止めのお薬で耐えるしかありません。
痛み止めのお薬を飲むとこれがすごく眠くなる。
というわけで、今日もほとんど一日寝ていました。

ささやかでも生産性のあがらない日はとても残念です。
読書もせず、ただ最低の用事をこなしました。
洗濯したり、片付けをしたり、
明日の用意をしたり、
いろいろノートをつけたり。

今はお食事兼コンディションノートをつけています。
1,2ヶ月だけ様子を見てみようと思っています。
無印のスケジュールノートに判子をぺたぺた押して、
項目を分けて、毎日結果を書き込んでいます。
こんなことをしているのはやっぱりヒマだからかな。

他には日々の出来事、読んだ本のことなどを書き込む手帳、
予定を書き込むコンパクトな手帳、
PCでは日記を書いています。
結構こういう作業が楽しいのですね。
週末にこの作業をし終えるとほっとします。

今読書中の本はどれも今ひとつのめり込めない内容です。
読書義務があるわけではないので、
放棄することにします。
心のどこかでは無念さが渦巻いているのですが、
もっと自分にとって好ましい本があるはずですから。

庭の梅が満開で夜空で見るととっても綺麗です。
お花見でもしようかな。

2011年2月23日水曜日

「リッキー」

フランソワ・オゾン監督の「Ricky」を観て来ました。

想像していたのとは違って、
結構重い映画でした。

7歳の女の子リザと暮らすフランス人女性カティは、
仕事場でスペイン人のパコと知り合います。
すっかり懇意になった二人は三人で暮らし始め、
そのうち、こうのとりが男の赤ちゃんを連れてきました。
その赤ちゃんには、なんと羽根があったのです。

という予備知識から、
勝手にファンタジーだと思い込んでいました。
頭の中に浮かぶのは VanHalen「1984」のジャケットの天使の図。
ミケランジェロの天使でないところが全く・・・です。

ところが、映画を観始めてすぐにわかったのは、
ファンタジーではなく、とてもリアリティを持たせた内容だったのです。

結構はらはら、どきどきさせられて、
笑うなんてとんでもない、
不安と動揺ばかりです。

現実の中に飛び込んできた天恵。
人間たちはどのように受け止め、
どのように対応していくのか。
そしてその天使の行く末は。
わざとリアルに仕立ててあるのだと思いますが、
気持ちがなかなか付いていかなかったことを告白します。

子役のリザの表情が豊かで、
観客の気持ちも代弁してくれているような気がしました。

2011年2月20日日曜日

本読み

「ひとり日和」がとてもよかった青山七恵さんの
「窓の灯」 河出文庫 を読みました。
こちらは伝えたいことがばらばらのモチーフとなって表現されていて、
いまひとつテーマが掴みにくかったのでした。
全体を見渡してようやく主人公の言動がわかったような感じです。

ちょっと一息して、
「ムーミン谷の冬」 講談社文庫 トーベ・ヤンソン著 を読了。
ムーミン谷の冬の出来事がいつものように描かれて、
不思議な出来事やムーミンたちの心の揺れが味わえる内容はいつものとおりです。
最後の章で冬に終わりが来て、晴れやかな春がやってきます。
ムーミンが心待ちにしていた春はそれはそれはとても気持ちの良いものでした。
こちらまで嬉しくなってくる春の訪れです。

同時進行で、読んでいたコミックスは、
「天才柳沢教授の生活 Best オレンジ」 講談社文庫 山下和美著、
同じく「Best グリーン」 です。
なんだかほっと安心できるストーリーで、
つい読んでしまいます。
他に柳沢教授と猫のタマとの生活を書いたものがあるらしいので、
次はそちらを読んでみるつもりです。

「知っておきたいフランス文学」 小野潮著 明治書院 も読みかけで、
「夜よりも大きい」 小野正嗣著 も読みかけです。
「パリからの紅茶の話」は好きなエッセイストの戸塚真弓さんの一冊。
これも読みかけて中断しています。

最近は中断してしまうと、ほとんど読み終えることがありません。
かつては読み始めると最後まで読み終えずにはいられない性分でしたが、
其々に理由をつけて、次の本に取り掛かってしまうこの頃です。

と言い訳をしながら新しく手にしたのは、
「生の深みを覘く」 中村邦生編 岩波文庫 ポケットアンソロジー。
色々な時代の様々な地域の短編を、
ぽつりぽつりと楽しむことにしています。
2月はこれで終了しそうです。

2011年2月16日水曜日

またまた大雪

先日に続いて奈良は大雪になりました。
天気予報では奈良県は5cmということですが、
とんでもない10cm以上は軽く積もっています。

電車も遅れ気味、
チェーンを巻いたバスはまともに動かず、
バス停は人だかりでした。

ようやく1時間遅れてバスを降りたら、
そこからまた雪道をザクザク、グシャグシャと、
雪まみれとなって歩きます。

雪国の人ってすごいなぁ。
こんな状態が数ヶ月も続くなんて考えられません。
もともと雪に慣れていないことと、
雪への対応があまりされていないことが原因でしょう。

ああ、いくら綺麗な雪景色でも、
しばらくは遠慮したいです。

2011年2月13日日曜日

時々読書

「浦からマグノリアの庭へ」がとってもよかった小野正嗣さんの新作、
「夜よりも大きい」リトルモア を読み始めました。
小野さんらしいしっかりとした端正な文章と
シュールでねっとりとした描写のバランスが絶妙です。
“夜”の物語は不気味だったり、シュールだったり、
あまり美しい感じのしない作品が多いのはどうしてでしょう。
夜の美しさを描いた作品が読んでみたいです。
夜を書いた作品で思いつくのはセリーヌと松浦寿輝さんぐらいなのですが。

平行して青山七恵さん「ひとり日和」河出文庫 を読みました。
若手の女性作家の作品ということで、軽い気持ちで頁を繰ると、
なかなか手ごわい内容です。
題材はそれほど凝ったものではないのに、
舞台と人物がしっかりと書き込まれている。
主人公が息をし、新しい日々を送る様子が、
とてもリアルに響いてくる。
小説の一番大切なことがここに記録されている、そう感じました。

つづいて「ムーミン谷の冬」講談社文庫。
ムーミンたちってとっても思考がシンプルで愉快です。
その言動のストレートさがとても小気味良い。
現代社会への皮肉でもなんでもかまいません、
こういう風に生きてゆければ最高だ!と思うことができるのが、
このムーミン・シリーズの魅力です。

2011年2月11日金曜日

雪だよりと近況

目が覚めると外は大雪でした。
20cmは積もっていたでしょう。
乳白色の空からははらはらと雪が降っています。

いつものかさかさの茶色と勢いのない緑ばかりの庭が、
真っ白に輝いていてとても綺麗。

休日だったので、外に出かけることもなく、
お家で暖かく過ごしました。
寝て、寝て、寝て zzz
眠ることで脳の中が整理され、
活性化するそうです。
体と心の疲れを取るだけでなく、
ダイエットにも重要だそうです。
というわけで、思う存分寝ています zzz

昨日は散髪に行って、
綺麗にしてもらって満足、満足。
その足で大丸へ行き、
チョコレートを山ほど買い込みました。
いつもお世話になっている方々に
お配りします。

一月は好調だった読書もぴたりと足が止まり、
何を読めばいいのか、
少々悩んでいます。
おまけに仕事上の悩みも発生。
ここ数年仕事については順調だっただけに、
ちょっと困った。
まぁ焦っても仕方がないので、
ベクトルを変えるくらいの考えを持って、
職場に向かいたいと思います。

2011年2月9日水曜日

早春のチューリップ

綺麗に咲いた赤いチューリップの鉢を
優しいM課長が買ってきてくれました。
しっかりとした蕾が後3本。
色鮮やかなお花を目にすると、
気分が華やぎます。
嬉しいな。

昨夜は久しぶりにしとしとと雨が降り、
柔らかな雨音を聴きながら、
暖かなこんな早春の日もいいものだ、と
和みました。

庭のピンクの梅の花も咲き出しました。
そろそろ春がやってくる!

と思いきや、明日から再び冷え込むそうです。

会社の薔薇さんも屋内に入れてあげなくちゃ。
もうしばらく春気分はおあずけですね。

2011年2月6日日曜日

「しあわせの雨傘」

「しあわせの雨傘」~POTICHE~ フランソワ・オゾン監督

1977年のフランスの町、傘工場を営むブルジョワ家庭の妻のお話。
主人公の妻をカトリーヌ・ドヌーヴが輝くように魅力的に演じています。
ストーリーも面白く、配役もぴったり。
70年代のファッションも見逃せません。
夫を演じるファブリス・ルキーニにこんなワンマンな役が似合うとは思ってもみなかった。
迫力あるジェラール・ドパルデューも適役。
身勝手な娘もお洒落で理屈屋の息子もはまっていて可笑しかったです。

カラフルな画面も晴れやかで楽しく、
フランス映画らしい人間臭さもたっぷり。
何を撮っても上手なフランソワ・オゾンですね。
まったくオゾン監督にはお手上げです。
「まぼろし」のようなじんわりと深みのある作品が好きなので、
今回のコメディーはどんな仕上がりかと思っていましたが、
想像以上に素晴らしかった。
フランスでもロングランになっているわけがわかりました。

ラストのシーンのドヌーヴは秀逸です。
“la vie ~♪” 一緒に歌いたくなる気分です。

現在同じくオゾン監督の「リッキー」が上映中です。
観に行きたいな。でもちょっと遠いなぁ・・・

2011年2月2日水曜日

「光の指で触れよ」

「光の指で触れよ」 池澤夏樹著 中公文庫

同じく中公文庫から出ている「すばらしい新世界」の続編にあたり、
あの仲の良い家族のその後が描かれています。

恋人を作った夫から離れ、妻は幼い娘を連れてヨーロッパへ旅立ちます。
息子は全寮制の高校へ進学しており、親たちの仲介役を務めます。
ばらばらとなった家族は、それぞれの今後の生き方を考えていくことから、
人間社会の在り様にまで思いを馳せます。
この家族を通じて、この世界における物の存在を確認し、
どのようにこれからを生きてゆくべきか、試行錯誤を体験することになります。
これからの生き方、家族の一つのモデルといっていいでしょう。

池澤夏樹さんとの出会いはずっと遡った頃のことです。
「マリ・クレール」で「エデンの東の対話」を掲載されているのを読み、
こんなに同じようなことを考えている人がいるのだ!と驚きました。
そこではアダムとイヴが対話形式で、
その当時の社会について、自然について、人間について、
語りあっていました。
もう20年以上前のことです。
急いで「ギリシアの誘惑」「夏の朝の成層圏」を読みました。
特に「ギリシアの誘惑」はとても好きなエッセイで、
ここにも既に池澤夏樹さんの広く深く豊かな世界観が現れています。

そして「スティル・ライフ」が発表され、
池澤さんが現在に至るまで多岐に渡る活動をされているのは、
周知のとおりです。
その間、気になる作品や、書評などをかいつまんで読んできましたが、
まったくぶれること無い池澤さんの生き方、思想のあり方を、
文学社会では大変評価されていることが嬉しく思われます。
文学の中だけではなく、実社会の人々にもっと読んでいただきたい、
と声を大にして言いたいところです。

小説がこのように世界を超えることができるのか、と
解説者の角田光代さんが述べられています。
文学や芸術は社会を写し、照らし、語り継ぎ、未来をも述べることが、
自由にできる世界ですね。

この小説の意義は角田さんの解説を読んでいただくとして、
どのように小説を読むかという自由もあるという面白さもあります。
個人的には大きなテーマを抱えているこの小説のいくつかの弱みも気になるところです。
ここから派生してくる物語も考えられそうです。
そのような問題提起も含め、充実した読書となりました。