2010年12月31日金曜日

2010年の大晦日

日本列島上空は強い冬型の気圧配置となっており、
大変厳しい冷え込みとなっております。
今日は奈良も午前中から吹雪でありました。
会社の薔薇が気にかかります。
寒さに凍えていないかしら?

今年は一年を通して体調不良に悩まされました。
やむを得ずお薬も増量しています。
来年の目標はただ一つ。
体調を安定させることです。
あまりテンションを上げすぎず、オーバーワークにならないように
気をつけたいと思います。
疲れを感じたら決して無理をせず、
早めに休むようにします。

やはり体調、健康が基本ですもの。
調子が悪いと本を読むことすらできません。

そして来年の読書は、
ユルスナールの「とどめの一撃」の読み込み第一段階、
シモーヌ・ヴェイユを続いて読むこと、
プルースト「失われた時を求めて」を読み始めることを基本に、
新しい読書によって視界を広げたいと思います。
体調を整えて、積極的に読んでいければ言うことはありません。

後2時間で来年です。
気持ちを入れ替えさせてくれる瞬間が、
皆に公平に訪れます。

2010年12月30日木曜日

12月30日

今日は有休をとって、冬休みに入りました。
外は雪が積もっています。
寒い年の暮れです。

夕ご飯に金沢のお土産の寒ブリ、中トロ、
かぶら寿司、ボタン海老などをいただいて、
もうすっかり暮れモード。
我が家は暮れからご馳走をいただくのが慣例です。
贅沢であります。

今日は今年読んだ本のリストを作ってみました。
冊数は45冊と例年の半分ほど。
内容はというと、
失敗もあり、まずまずというところでしょうか。
今後は失敗読書を減らしたいですね。

明日はお使い、お掃除、担当の料理作りと忙しくなります。
とうとう大晦日です。

2010年12月29日水曜日

「絵本を抱えて部屋のすみへ」

「絵本を抱えて部屋のすみへ」 江國香織著 新潮文庫

なんて素敵なタイトルの本でしょう。
江國さんの本のタイトルにはいつも魅了されます。
実際には読むことはあまりなくて、すみません。

知人のお子さんはまだ2歳。
去年のクリスマスにはピーター・ラビットのぬいぐるみをプレゼントしました。
今年はピーター繋がりで、ピーターの絵本にしたのです。
「ピーター・ラビットのおはなし」 ビアトリクス・ポター著 福音館書店
本当は自分が欲しいのです。

それから絵本のことを考えていて、
自分の記憶があまりにぼんやりとしていて役に立たないことがわかりました。
そこで以前から気になっていた江國さんの本の登場です。

大好きな絵本もあるし、
まったく知らない絵本もあります。
知っている絵本のところは、ふむふむと頷きながら読んでしまいました。
ぜひ読んでみたい絵本もいくつかあります。
どれも色がとても綺麗です。

ついこれにならって、自分の好きな絵本と児童書を並べてみたくなりました。

来年はどんな絵本にしようかな、
選ぶことが楽しい自分勝手なクリスマス・プレゼントです。

2010年12月26日日曜日

初雪と薔薇の苗

昨日、奈良でも初雪が降りました。
一日中、ぱらぱらと風に舞う雪に凍えてしまいました。

そんな中、会社に届いた薔薇の苗2本。
あまりにも冷え込んでいるので外に出すのを躊躇いましたが、
暗がりの寒いところに置いておくのも問題かと、
思い切って出してみました。

まずはこの冬を乗り越えて、
春の陽を浴びさせてやりたい。

害虫の問題もあるし、
整枝のノウハウも知らないし、
どうなることか、
無事に花をつけることができるか不安ですが、
様子を見ながら手入れをしてあげたいと思っています。

春になったら、
ローズマリーやラベンダーなどの常緑のハーブ類も
植えてみたいと考えています。

日当たりはよいけれど、
風が強い殺風景な駐車場に緑を添えることで、
自分たちの憩いのスペースにできればと、
夢を描いています。

2010年12月23日木曜日

冬の課題図書

いつも覘かせていただいている某氏のブログ
http://return-of-dr-hara.blogspot.com/で
冬の課題図書が発表されていました。
追随して、冬休み読む本を考えてみました。

まず年内に
「目を見開いて」 ユルスナール著を読了すること。
まだ読んでいるのか!と呆れられそうです。
一週間に一章ずつ読んでいるのです。
年末には追い込みで読み上げたいところ。

来年の第一弾は、
「不完全なレンズで」 ロベール・ドアノー著
同時並行で、
「ムーミン谷の冬」 トーベ・ヤンソン著
続いて、
「マイ・アントニーア」 ウィラ・キャザー著
で参りたいと思います。
お家では、
「ギリシアの泉」 シモーヌ・ヴェイユ著
を再開し、これは一日1ページくらいのペースで進みたい。

その前に年賀状を書き上げないといけません。
急げ!

2010年12月22日水曜日

ザルツブルグと「一杯の珈琲から」

いきなりザルツブルグって、
それは先日BSTVでザルツブルグの紹介をしていて、
昔に訪れたことを思い出したからなのです。

ここにも一冊の本が関係してきます。
その本はエーリヒ・ケストナーの「一杯の珈琲から」創元推理文庫。

エミール・シリーズや「点子ちゃんとアントン」等の児童小説を数多く書いた
モラリストのケストナーはいくつかの大人向けの小説も書いています。
そのうちの一冊の「一杯の珈琲から」はユーモアたっぷりの恋愛小説です。

若かりし頃、その本の楽しさと舞台となったザルツブルグにすっかりほれ込んで、
初めて海外で訪れたのがその地でした。

実際に訪れてみると、モーツァルトの生誕の地を強くアピールした
音楽中心の観光の街でした。
どこもかしこも見られることを意識した装いで、
計算されてきれいに整っています。
ザルツブルグの歴史は古く、ローマ教皇の直轄地でもありました。
なので色々な歴史的文化と音楽文化が入り混じった文化都市というイメージを
作っていたのです。
そのイメージと小説にあるようなファンタジックな香りを感じられるかと思いきや、
現実はクリーンで人口的にコントロールされた、
まるでディズニーランドのような街だったのです。

これはあくまでも個人的な感想なので、
入り口が違えば、好ましく思われた方もいらっしゃるでしょう。

確かに綺麗な街だったなぁ。
そうつぶやきながら、流れる映像を眺めていたのでした。

2010年12月19日日曜日

メイ・サートンを

メイ・サートンの本を譲っていただきました。

「私は不死鳥を見た」
「独り居の日記」
「82歳の日記」
の3冊、いずれもみすず書房の本です。

以前からメイ・サートンの本のタイトルが気になっていましたが、
読むには少々早いように思っていました。
そのうち時期が来たら買おうと。
なのでとっても嬉しい贈り物です。

メイ・サートンのことはほとんど知らないので、
困らない程度に下調べをして、
読んでみることにします。
ぱらぱらとめくって文章をみたところでは、
読めそうな感じです。

※※※

みすず書房からは、
ウィラ・キャザーの「マイ・アントニーア」が出たところです。
キャザーは名前は知っていても、読む機会のなかった作家。
確か須賀敦子さんの卒論がキャザーだったように思います。

ほかにも「カロカイン」という不思議な名前の少々恐ろしそうな小説も
みすずから出ていて、気になります。

バーバラ・ピムの「よくできた女」も書店に並んでいて、
「秋の四重奏」がよかったので、これも読みたいところ。

みすずの本はいい本が多いのに、
少々手が出にくい価格設定です。
良書は高くても仕方がないかもしれません。
よくよく考えて購入しなければ。

2010年12月15日水曜日

指先

指先、爪のあたりがいつも気になります。
小さな爪を短くしていて、
しょっちゅうやすりで研いで、
オイルを塗ったりしていますが、
すぐにささくれが出てしまいます。

だから女性の指先のきれいな手を見ると、
どきどきします。
つり革を持った手、ハンドバックを押さえる手、
コーヒーカップを支えている手。
ジュエリーよりも気になるのです。

先日大掛かりな作業をしていて、
そのときはゴム手袋をしていたのですが、
手袋をはずしてよく見ると、
ざっくりと爪が横割れしていました。
時折そういう割れ方をするのです。

こういう時はリペアしてもらうしかありません。
予定外でしたが、ネイル屋さんに飛び込みました。
サンプルを眺めていると、
様々な色合いの素敵なデザインのジェルがたくさん。
せっかく来たのだから、
キレイにしてもらうことにしました。
ベースはクリア、
細かいパヴェのような白い色を先っちょに、
間に明るいシルバーのラメを乗せてもらうことに。

出来上がりはそれはそれはキレイで、
自分の指先とは思えないくらいです。
ハードやソフトよりも軽いジェルにしてみました。

これで割れた部分も補強されて安心、
丁寧にメンテナンスをしていれば、
年始まで持ちそうです。

思いがけないクリスマスプレゼントになりました。

2010年12月12日日曜日

ふらふら

先日、前の部署の忘年会がありました。
今回も幹事をさせていただいたのですが、
早めに手を打ってあったので、
順調に事が進みました。

参加率は60%と低めだったし、
女子は一人だし、
どんな感じになるだろうかと少々不安もありました。
が、心配ご無用とばかりに
頼もしい男性陣が盛り上げてくれました。

久々に顔を合わせる人ばかりで、
あちらの席、こちらの席と
移動しながら話をさせていただきます。

お腹もいっぱい、
お酒も十分いただいて、
落ち着いてきたところでお開きとなりました。

そこへ普段は控えているのに、
つい2軒目に誘われ、ふらふらと入ってしまいました。
大好きなコップ酒を一杯!
これが美味しかった。
ぐっとあおって目がまわり、
帰りがけには、まっすぐ歩けません!状態でした。
あれあれ、だらしのないこと。

優しいY部長にサポートされて、
どうにか帰り着いたものの、
ふらふら。
でも楽しいお酒でした。
こんな会ならいつでも幹事いたします。

2010年12月8日水曜日

ROVO

ROVOというバンドをご存知でしょうか。

美しいメロディでリードするエレクトリックバイオリンを中心に、
舵取り役のギター、ベース、複雑な背景を彩るキーボード、
迫力のツインドラムが絡み合う、
テクノ系ダンスミュージックと言えばよいでしょうか。

もともと「宇宙っぽいことをやってみよう」と始められたからか、
ハイテンションになると、ぐーっと世界が膨らんで広がってゆく、
壮大な音楽を奏でています。

このROVOが新譜“RAVO”を発表しました。
5曲どれもが伸びやかで、かっこいい音がつまっています。

最初に聴いたのが“Live at 日比谷野音”だったので、
Liveがすごくいいことは承知しておりますが、
まだ行ったことがありません。
初めて聴かれる方はLive盤から入るとかっこよさがおわかりいただけると
思います。

生の“CANVAS”の音のシャワーにつつまれてみたいです。
この“CANVAS”のLive versionは
いつ聴いても幸福感が訪れる素晴らしい音楽です。

2010年12月5日日曜日

教養のない女

それは悲しいことなのです。
知人と歩いていて良い眺めの場所へ出たときのこと、
ふと「ふにゃふにゃふにゃ・・・ですね~」
と言われて、その「ふにゃふにゃふにゃ」がわからない。
古典の引用であるようなのですが、
誰の、何と言う書物の、どういう内容なのか、さっぱり。
目を白黒させて「むにゃむにゃむにゃ」と返事をしたものの。
恥ずかしくて頭をかいてしまいました。

教養とはたぶん高校卒業程度の知識だと思うのですが、
中学卒業程度も怪しいものです。

英語検定を持ってなくても、微分・積分できなくてもPCは扱えるし、
仕事に支障はありません。

といっても十代の頃に身に着けた知識は身体にしっかり染み込んでいるのかして、
生活に、仕事に反映させている人はたくさんおられます。

教養のないことは恥ずかしく、悲しいことなのでした。

2010年12月1日水曜日

古賀春江 11月のカレンダー

今日から12月。
カレンダーも変えなくちゃ・・・

11月のカレンダー(ブリヂストン美術館のもの)は、
古賀春江の「単純な哀話」1930年 でした。

古賀春江のシュールでやさしい色調の絵には
なぜだか慰められます。
明るい未来を描いた作品からは
もはやノスタルジーしか感じられないのに。
なんだか懐かしい気持ちが膨らんできて、
微笑ましいくらいです。

代表作「海」を観たことがあります。
最近になって、詩も書く人であったことを知りました。
「海」も絵と詩が調和しています。


  【海】 (1929)

 透明なる鋭い水色。藍。紫。
 見透される現実。陸地は海の中にある。
 辷る物体。海水。潜水艦。帆前船。
 北緯五十度。

 海水衣の女。物の凡てを海の魚族に縛(つな)ぐもの
 萌える新しい匂ひの海藻。

 独逸最新式潜水艦の鋼鉄製室の中で
 艦長は鳩のやうな鳥を愛したかも知れない
 聴音器に突きあたる直線的な音。

 モーターは廻る。廻る。
 起重機の風の中の顔。
 魚等は彼らの進路を図る――彼等は空虚の距離を充填するだらう――

 双眼鏡を取り給へ。地球はぐるつと廻つて全景を見透される。


この詩のとおりの絵でした。
今“双眼鏡を取り給へ”とつぶやいて世界を見渡せば、
あまりの混沌さに目を回すことでしょう。
それでも目をつむって生きることはできません。
見渡す勇気を忘れないようにしなければ。

2010年11月28日日曜日

このごろの読書

このごろの読書と言ってもホントはあまり読めていないのが実情です。
読書の楽しみを知っていながら読まないなんて、
自分でも不思議ですが、
疲れて頭が回らないって言い訳をして、
時間よりも体力が欲しいところでしょうか。

ユルスナールの「目を見開いて」は少しずつ進んでいます。
内容がユルスナールの関わる広範囲に渡っていることと、
ユルスナールの言うところをしっかり読もうとすると、
一度にたくさんのページを進めることができません。
ぱっぱっとインプットできればいいのでしょうが、
自分の飲み込みの悪さにはもう諦めがついているので、
ゆっくり行くことにしています。

他には絲山秋子「ばかもの」と「妻の超然」を読了。
この作家については色々と考えることがあるのですが、
あまり無責任な発言は慎みたいと思います。

本を買うことも最近は控えめです。
先日手放すための整理をしていて、
自分が読むには限界があることを痛感したものですから。

「アガタ/声」 デュラス/コクトー著 渡辺守章訳
これは渡辺氏が演出をされた作品で、且つ訳をされているので、
戯曲はほとんど読みませんが、目を通してみたいと思ったのです。

「ヨーロッパのキリスト教美術」上・下 エミール・マール著
ヨーロッパにおけるキリスト教美術はどうしても気になってしまいます。
小説類より後回しにしてしまっていますが、
それはあまりにも深い関心と学業と時間が必要だろうから。
いつかこの分野についてしっかり勉強してみたい、一つの夢です。

「流跡」 朝吹真理子著
今話題の作家・作品です。
読むつもりでは無かったのですが、
店頭で見たら読みやすそうな装丁・活字だったので、
思いがけない出会いがあるかもと手に入れました。

次に大型の本屋さんへ行ったら、
岩波文庫の吉川一義訳のプルーストを買う予定です。
来年の後半から鈴木道彦訳のプルーストを読む予定なのです。

※※※

昨晩、急にしんみりと心に染み入る文章が読みたくなって、
須賀敦子さんの「遠い朝の本たち」をぱらぱらと読んでいました。
須賀さんの言う“まいったなぁ”という言葉が出てくるような、
柔らかな語り口の中にしっかりと核のある思想と人格に
またしても圧倒されました。
どうすればこのような読書ができるのだろう。
文章力はさらに素晴らしいものがある。
人間形成ができてないとだめなんだろうなぁ。
ためいきとともに、本を閉じて休んだのでありました。

2010年11月24日水曜日

整理をいろいろ

お家のリフォームに合わせて、
色々と片付けをしています。

自分のお部屋も同じくです。
ピアノを処分した場所にチェストを持ってきました。
使いやすいように考えて、
中身をあれこれ入れ替えてみました。

きれいなリボンや箱、布切れ、雑貨類を入れていたのですが、
ほとんど使うあての無いものなので、サヨナラしました。
変わりに日々使う雑貨や化粧品、お薬などを格納。
よく着る服類なども整理して、
取り出しやすい引き出しにイン。

ここまでは想定どおり。
整理する予定の中で一番重要なのが紙類なのです。

本棚の下の段にぎっしりと詰まった切り抜き、長期保存の大型本。
これを今回ばしばしっと整理しました。

ジャンル別のファイルを見直して、取り出したり、閉じ直したり、
破棄した類をしばったり、本もばらしたり、切り抜いたり。
大切なところだけを、とっておきだけを置いておくのです。

これらの整理もかなり進みましたが、
まだ映画と絵画関係のファイリングが残っています。
それと仏語のお勉強用資料をどうしたものかと悩んでいます。

ファイリングの基本は野口先生の超整理法にのっとって時系列です。
ファイリングそのものをあまり考えずにすむのが利点です。

ダンボール一箱分は処分したけれど、
もっとスリム化したいところです。
整理も思考と同じくある程度の時間、満ちる時間が必要です。
ある時期が来ると、思いがけないくらい簡単に物事が解決したりするのが、
不思議です。

2010年11月21日日曜日

風邪引き

先日の風邪が治ってくれて、
身体が普通に元気であることのありがたさを痛感していたら、
またまた風邪にかかってしまいました。
今度はお腹の風邪。お腹、激痛。頭痛がんがん。熱っぽい。

成人してから風邪をひくのは
年に一度か、二度。
冷え性、寒がりなので、
すごく気をつけているつもり。
でも今の職場に来てから体調を崩してばかりです。
去年は四回も引いてしまった。
こういう時はインテリジェントオフィスがうらやましいです。
うちの職場はほとんど小屋といっていいような所です。

優しいかかりつけの内科の先生のところへ駆けつけて、
早く治すぞ~。
普段からよく寝ているけれど、
さらに睡眠時間を増やします。

来月は誕生月。
クリスマスは全然関係のないことだけど、
12月は忘年会やら飲み会やら集まりも多い時。
その次にはお正月が待っています。
しっかり食べて、しっかり寝て、
乗り切らねばなりません。

2010年11月17日水曜日

晩秋

今年は秋が早足で過ぎ去ってしまいましたね。
とはいえ、紅葉はまだ見ごろです。
金色に光る銀杏がすっくりと立っています。
桜なども赤くなった葉が陽に透けて見え、
近くでも様々な色模様で美しい。

遠めに眺める山々も深い緑に、
茶褐色や赤に黄金色が混じって、
しみじみと秋を感じます。

今年はどんぐりが少なく、
昨年踏みつけて回ったところも、
一粒、二粒と数えられるくらいです。
見上げても確かに生っていない。
これでは熊たちも困るわけです。

もう11月も半ばを過ぎました。
年末の用意も少しずつ始まっています。
月日の流れることのなんと早いことよ。

今年中に「目を見開いて」と、
「プラテーロ」と「ゼラニウム」、
「夜よりも大きい」を読んでしまおう。
来年の読書計画を立てることもまた楽しみです。

2010年11月14日日曜日

音楽遍歴 その2

ポピュラー音楽に少々飽きが来て、
何を聴こうか迷っていたころに、
Bill Evansと出会いました。
ジャズという匂いをあまり感じずに、
すんなりと入り込んで、
気持ちよく次々と聴いていました。

そうなると、そのほかのジャズ・ピアニストが気になってきました。
手元に手ほどきになる紹介本を置き、
Thelonious Monk、Sonny Clark、
Keith Jarrett、Chick Corea、
手当たり次第に聴いていきましたが、
心をつかむほどしっくりときません。
とにかく人によってスタイルも違っていて、
別の音楽が奏でられていることに、
ジャズの奥深さを知った次第です。

そのころになると当然のごとくMiles Davisの名前が
目に留まるようになりました。
まず「Kind of Blue」です。
これでノックアウトされました。
完璧な音楽がそこにありました。
パッション、ソウル、じっくりと心に染み入る音色。

それ以来、基本的にはMilesから浮気することがありません。
ジャズの基本はMiles。

思い出せば、それ以前にMilesを聴いたことがありました。
映画「死刑台のエレベーター」 ルイ・マル監督 のサントラです。
この映画、ほとんどアメリカの映画しか観た事がなかったので、
まさに衝撃でした。
これが本当に観たかった映画だと感激しました。
ここにもフランスを意識するきっかけがあったのです。
このサントラがとてもかっこいいのです。
画面との呼吸がぴったりあっていて、素晴らしかった。

Milesおたくのようなことを言っていますが、
実態は入り口で留まったままです。
聴き応えがあるので一枚買ったら、すごく長持ちします。
これからもじわじわとMiles道を進んでみたいと思っています。

2010年11月10日水曜日

「パリのすみっこ」

「パリのすみっこ」 鈴木るみ子編 マガジンハウス

雑誌「クウネル」のパリに取材したものが、
一冊の本にまとまりました。

パリに古くからあるお店を訪ね、
じっくりとその歴史と歴代の店主のポリシーを聞いたり、
個性的なお店のその由縁を辿ったり。
パリに住む庶民の声が聞こえるような、
生活に密着した食べ物の話題があったり。
もちろんパリに相応しいワインやパンなどの
紹介もあったりします。

もう日本にはパリのあらゆることが、
あらゆる角度から紹介されていて、
情報は溢れるばかりです。
今はその中から自分にぴったりの情報と話題を
選び出すことが納得への一つの鍵だったりします。

この本が伝えるのは、お店の情報に終わりません。
パリに携わる人々や、
お店の成り立ちにまで目を配ることによって、
個々の魅力が集結して魅惑のパリが作られていることが見えてくる
成りたちになっています。

一つの街に生きる人々の日々の生活から、
街は輝きを放ち始めるのでした。

2010年11月7日日曜日

あともう1イニング

プロ野球日本シリーズが最終局面に入っております。
目が離せません。

クライマックスシリーズあたりから、
ぽちぽちとゲームを見ているのですが、
こういう大座をかけたゲームとなると、
シーズンとはまた違った緊張感と迫力に
圧倒されます。
こんなにいいチーム、いい選手なんだ!と目をみはり、
見ごたえのあるゲームに大満足。

いいゲームを楽しめる、これがファンの一番の喜びではないでしょうか。

ああ、来年こそ広島CARP、いい結果を出して欲しい・・・
野村監督、よろしくお願いしますよ!

2010年11月3日水曜日

「ペルセポリス」

「ペルセポリス」 マルジャン・サトラピ著 園田恵子訳 バジリコ

しばらく前に話題になったアニメーション「ペルセポリス」。
イランの女の子が主人公の話ということを耳にして、
とても観てみたいと思っていましたが、今のところチャンスがありません。

と、おもいがけなくジュンク堂三宮店で親本を発見しました。
もう5年も前に出ていたのですね。
ぱらぱらと捲ってみると漫画というかバンドデシネというか、
すごく力強い筆致でシンプルに描かれた絵がぎっしり詰まっています。
これは映画を観るよりも良いかも!と手に入れました。

話は実話で、1969年にイランのリベラルな上流家庭に生まれた少女マルジが、
テヘランで育ち、イラン革命、イラン・イラク戦争を経験し、
オーストリアでの留学生活を経て帰国、戦後のイラン社会の中で
揉まれながら病に伏せたり、大学へ進学したり、結婚したり、
離婚したり、の大きな起伏のある人生を送っている状況をリアルに記述したものです。

イランについてよく知らない、イスラム教社会であることくらいしか知らないのですが、
このような体験談を読むと、日本とは大変違う社会であることと、
社会の違いによって人生が大きく変わってくることを痛感させられます。

リベラルな家庭に育った著者は、自分なりの社会観や人生観を
体験することで学び、構築させていきます。
このことがとても重要なことです。
民主主義の日本の社会に育ったものは当たり前のように
自分に今ある社会観や人生観を自由に扱えると考えているようですが、
反って方向を見失いがちなように思われます。
自分の考えをしっかり持つ。
おばあさんの言う「公明正大」に生きるということ。
これらは教えられる機会がないときには、
自ら見出さなければなりません。

がんばれ、マルジ!

著者は現在フランス在住。
フランスでは4巻まで出版されているそうです。
マルジのその後が知りたいです。

2010年10月31日日曜日

健康だより

あんたの健康なんて関心ねぇーよ、
とどこかの小説の登場人物がつぶやきそうですが、
今日は体調報告をしようと思います。

しばらく前から左目に傷が入り、
充血して赤くなっています。
疲れ目くらいでたいしたことないだろうと思っていたのが、
なかなか治らないので眼科へ行ったところ、
すごく怖い先生に冷ややかに診断を下されました。
初めて目の塗り薬というのを使っています。
ぬるぬるべたべたするけれど、
目の表面を覆う感じがして安心です。
あと2,3日で治まりそうな感じです。
これはよし。

一週間前から風邪の初期症状が治りません。
喉が痛く、熱っぽく、頭が痛いです。
市販の風邪薬で見た目は治まっているのですが、
飲まないと、また風邪菌が勢力を増してきます。
そろそろ内科の行き着けの先生のところへ行こうかな、
迷っているところです。

持病のほうはここ一ヶ月幸いにも落ち着いています。
このまま過ごすことができるといいな。
テンションを上げすぎないように気をつけて、
ぼちぼちやっていこうと思います。

以上、健康だよりでした。
んんん、読書はちっとも進んでいません。
時間があると、ぼんやりしています。
年内の読書の見通しをつけて、
クリアできるようにしたいところです。

2010年10月27日水曜日

音楽遍歴 その1

これまで様々な音楽をかじって聴いてきました。
現在のヘビーローテーションは、
ROVO、COLDPLAY、サカナクション、キリンジ、
Miles Davis、Glenn GouldのBach・・・
どれもとてもお気に入りです。
音楽無しではいられない体質です。
いつの頃から音楽と親しむようになったのかなと不思議になったりします。

幼少のころからピアノを弾いていたことは
多少は影響があるとは思います。
実家ではクラシックがよくかかっていました。
しかしちょっぴし背伸びをしだした頃からポピュラー音楽まっしぐら。

たしか本格的にじっくりと聴いたのは大滝詠一の“A Long Vacation”。
そこからナイアガラ繋がりで佐野元春へ。
佐野元春の“Someday”までの3作は大好きでした。
現在も佐野さんは第一人者として活躍されていますね。
音楽はもちろんポエム朗読のライブもされているそうです。

環境が変わって、洋楽を教えてもらいました。
入り口はBilly Joelだったと思います。
そこからDURAN DURAN“RIO”でテンションが上がり、
JAPANにはまって大騒ぎ。
Steve Jansenがご贔屓でした。
音自体も結構好みでした。自然とYMOにも範囲が広がり、
中でも高橋幸広は声が好きでよく聴きました。

そのほかにはU2“WAR”がすごくかっこよかったです。
あの頃からU2のスタイルは一貫していますね。尊敬に値します。

雑誌などの影響もあり、そこからハード・ロックやヘビー・メタル系に
入り込みます。
始めはDef Leppard。ベテラン勢もまだ元気、LAメタルが注目され、
Metallicaが頭角を現してきた頃です。
日々楽しく、あれやこれやと聴きながらたどり着いたのは、
ジャーマン・メタルの雄、ACCEPTでした。
ACCEPTの絶頂の時を通り過ぎ、
とうとうロック系を聴くことを終えてしまいました。
そして早数十年が経ち・・・

最近でもロック系で聴くのは、Rage Against The Machineや
Extremeぐらいでしょうか。
Nuno Bettencourtのギターがすごく好きです。
HMやHRなどがラジオから流れてくると、
懐かしく元気が出てくるから不思議です。

2010年10月24日日曜日

キリンジ

最近キリンジを聴くようになりました。
なんとなくやさしい声できれいなメロディーのものが聴きたいな、
そんな気分になって、思い出したのがキリンジでした。

まず一枚目に選んだのは“For Beautiful Human Life”。
一捻りある歌詞も好みで、
すっかりはまり込んでしまいました。
楽曲もしっかりと芯があり、
凝ったアレンジも楽しい。
そして不思議なくらい柔らかくやさしい兄弟二人の声、ささやき。

他のアルバムも聴いてみようと、
最新作“BUOYANCY”を入手してみました。
期待を裏切らない練られた作品です。

基本的にパンチの効いた楽曲が好きなので、
こういうことはめずらしいのですが、
しばらくはこの伸びやかなキリンジを楽しみたいと思います。

2010年10月20日水曜日

リフォーム中です

ただいまお家のリフォーム真っ只中。
トントン、パタパタ、ガンガン、いろんな音が響いています。

お休みの日も落ち着かなくて、
何も手につきません。
と、言い訳をしてうとうと寝てばかりいます。

ユルスナールを読みながら、
本当に自分の納得のいく本だけを読もうと
強く思うのです。
でもそういう本だと思って読んでみたら、
あらあら違ったわ、ということが多いような気がします。
気に入った作家の本でも、
ぴったりくるとは限らないのでした。
そういうことがあると、
ああ、古典にしておけばよかったとすごく後悔します。
内外の古典をほとんど読んでいないのが、
普段の読書にも影響することがしばしばあるのです。
ちょっとシフトを変えて、
現代物の冊数を減らしてみようと考慮中であります。

2010年10月17日日曜日

「目を見開いて」再読

「目を見開いて」ユルスナール著白水社を再読中です。
一年前はユルスナールの言葉の連なりについていくのが困難で、
さらりと読んでしまっていたのです。
それでも素晴らしいと思っていました。

今回ゆっくりとなぞりながら読んでいます。
言葉と文章を反芻しながらなのでスピードも遅い。
しばらく前にユルスナールの年譜をさらっておいたことも、
ほぼ全ての作品に目を通してあることもあって、
出来る範囲内ですが、内容が少しずつわかるようになってきました。

読了してから、ユルスナールに魅せられる理由等お話できると思いますが、
今のところわかっているのは、
“私はこれまで本を読めていない!”ことと、
“私は世界を知らない!”ということです。

この本でインタビューを受けているユルスナールはかなりの年齢ですから、
自分のことも世界のことも自分を取り巻く環境のことも、
身体に染み込むように理解し、達観できているのです。
そういう人が述べる言葉には到底かなうわけがありません。

それにしても自分の浅はかさにあきれています。

2010年10月11日月曜日

読書が進みません

読書の秋の到来なのに、
ぜーんぜん頁が進みません。
堀江敏幸さんの「ゼラニウム」で悩んでいます。

目先を変えてちょっと読みやすいものをさらってみようかな。

今週後半にはユルスナールの「目を見開いて」を
一年ぶりに読み返してみようと考えています。
それは、須賀敦子さんが「澀江抽斎」の登場人物、澀江五百から影響を受けたり、
ナタリア・ギンズブルグから多くを学んだりされていたことから考えてみて、
今一番関心のある人の一人からその人の考えをなぞり返してみるのが、
ためになるのではないかと思いついたからなのでした。

即効影響を受けるわけではないとは思いますが、
自分の道筋に光を当ててくれるような期待を抱いています。
そこが自分の甘いところではあるのですが。

読書が進まないのは、少し前にしていた考え事も関係があります。
どうやって生きていくべきか、具体的に方向転換を模索していたのですが、
諸々の問題があり、簡単に決めることもできません。
やりたいことと、やったほうがいいと思われることは別のところにあり、
また今おかれている状況も基本にありますから、
最も自分にとって適切な選択を考えなければなりません。
残された時間でよりベストに生きたい、
ジレンマに悩まされる日々であります。

2010年10月7日木曜日

「考える人・・・ドリトル先生のイギリス」

「考える人」2010年秋号“福岡伸一と歩くドリトル先生のイギリス”

子供の時分にドリトル先生に魅せられた人は、
夢を現実の世界に読み込んで、
大人になってからもドリトル先生の世界観を忘れずに
生きている人が多いような気がします。
漠然とそういうイメージを抱いていましたが、
この特集号を読んでみてその感を強くしました。
生き物たちに強い関心を持ち、
その生き物たちが生きる世界を広く広く望んでいるのです。
どの人の根底にもナチュラリストの資質が流れている。
だから、福岡先生の宣言にもうなづけるのでした。

ドリトル先生の本は「航海記」を読んだだけで終わっているのですが、
その理由はきっと生き物への関心が薄いからなのだろうと思います。
生き物たちの様子を見るのはとても楽しい、その程度なのです。
それもよしとしてください。

この「考える人」を購入したわけは
松山巌さんの“須賀敦子の方へ”の連載が始まったからです。
須賀さんと親しくされていた松山さんがどのように語られるのか、
とても楽しみにしていました。
期待は裏切られることなく、一回目からとても充実した、
これまで読み落としていた部分を指摘された内容でした。
須賀さんの指針となり、生き様の教えとなったと思われる人たちの名前が
挙げられて、より具体的な推測が推し量られています。

勝手に作り上げている須賀さんの像に
いろんな角度から少しずつ色をつけたり、
肉付けをしたりしています。
今回の連載からはさらに、
魂を吹き込むことができるかもしれません。
もっと力強いオリジナリティのある須賀さん像を
しっかり立ち上げることができますように。

2010年10月3日日曜日

10月に入りました

トーベ・ヤンソン「小さなトロールと大きな洪水」を読み終えました。
子供向けなのでとってもあっさり読んでしまいましたが、
これがムーミンの登場した第一冊目だそうです。
戦時の暗雲漂うイメージが色濃く、
単純に楽しい物語ではありません。
あの素敵なムーミン谷のお話がここから育っていくことを思うと、
その背景などが気になってきました。

堀江敏幸「ゼラニウム」。
単行本の読後感もよく覚えていないのですが、
今回もちょっと戸惑いながら読んでいます。
何か意図か仕掛けか何かあるような気がします。

「図書」10月号を読みながら、
来月には吉川一義訳の「失われた時を求めて」が出る・・・
いつもブログを覘いている原啓介氏の翻訳の本が出るんだ・・・
今月も大江健三郎のエッセイは独特の味わいだなぁ・・・などと
ふむふむと頷いています。

「波」10月号の方は、
「考える人」がドリトル先生特集のようで、
それも福岡伸一さんが携わっておられるらしく、これも楽しみです。
松山巌さんの須賀敦子さんに関するエッセイにも注目。

ニュースは気分を盛り上げてくれる大事な役目ですが、
肝心な読書の方は勢いに欠けています。
さて、次はどうしようかな。

2010年9月26日日曜日

秋の入り口で

とても涼しくなり、過ごしやすくなりましたね。
あちらこちらで運動会の話題が多い季節です。

暑い時期はぐったり昼寝ばかりしていましたが、
須賀さんのDVDを見て以来、
今度は考え事で頭がいっぱいです。

合間には
「ギリシアの泉」 シモーヌ・ヴェイユ を少しずつ読み、
「天才 柳沢教授の生活 ベスト盤」 で大いに笑い、
「プラテーロとわたし」 ヒメーネス の頁をしんみりと繰り、
「ムーミン谷の彗星」 ヤンソン でどきどきはらはらしたり、
といった日々を送っています。

堀江敏幸さんの「ゼラニウム」の文庫が出ているようなので、
明日は久々に本屋さんへ出向こうかと考えています。
考え事の助けになってくれるかしらん。

2010年9月23日木曜日

「須賀敦子 静かなる魂の旅」

「須賀敦子 静かなる魂の旅」 河出書房新社

以前BS朝日で放送された番組を編集したDVDと、
愛蔵本のセットになったものが出ていました。

DVDは180分。須賀さんがイタリアで過ごした日々、
出会った人々、愛した場所などを著書の朗読を織り交ぜ、
美しい風景の数々が映し出されています。
写真でしか知らなかった場所も数多くあり、
須賀さんが見たであろうアッシジやトリエステの風景に、
そのとき須賀さんの想いが言葉となって流れると、
本を読んだだけではわかっていなかった深い想いが、
じっとりと染み入ってくるようでした。

まだ須賀さんの言葉や想いを読み取れてはいないのだと、
痛感したしだいです。

振り返ってこんな自分はどう生きてきているのか、
これからどうやって生きていくのか、
深いため息とともに考えています。

2010年9月20日月曜日

猫の会話

ミケ 「近頃ツキスミさんご無沙汰ね」
トラ 「そーだね。また寝てるんじゃない?」
クロ 「ちょっと前に庭で見かけたんだけど、シモーヌがどうとか言ってたわよ」
クロ 「シモーヌって、ヴェイユのことかい?」
ミケ 「そうそう、あんな難しい本を読もうっていうのが問題よ」
クロ 「確かにね。それでもギリシアの泉を読もうとしていたから、
    まだ読みやすいと思うんだけど」
トラ 「みんなよく知ってるんだね、名前しかしらないよ」
ミケ 「読むのもいいけど、頭脳を鍛えたほうがいいような気がするわ」
クロ 「よく寝て、よく見て、よく考えることが大切だわ」
トラ 「そうさ、身づくろいもちゃんとしてさ」
クロ 「寝る事だけはしっかりしてそうよ、早くに暗くなっているから」
ミケ 「クロさん、ツキスミさんが気になるのね」
クロ 「よく出会うからよ」
トラ 「それよりさ、昼寝にいい場所見つけたんだよ、日当たりがいいとこ」
ミケ・クロ 「いいわね!早速行ってみましょうよ」

2010年9月13日月曜日

「尼僧とキューピッドの弓」

「尼僧とキューピッドの弓」 多和田葉子著 講談社

あちらこちらで語られているとおり、
この小説は二部に分かれています。
第一部は「遠方からの客」といい、
一人の女性作家がプロテスタントの修道院に滞在し、
そこに住む修道女たちと知り合い、語り合います。
プロテスタントの修道院はどういう場所なのか、
そこに住むようになった女性たちはいったいどのような人なのか。
閉じられていると思い勝ちな修道院というところに、
どのような暮らしがあり、生があるのだろう。
語り手は読者の目となり耳となって覗き込みます。

そこで思いがけない事件を知ることになります。

ここまでは事実に沿ったものだと多和田さんは語っています。

第二部は「翼のない矢」。
事件の中心人物が語ったものなのか、
さてはて遠方からの客であった作家が想像したものなのか、
もう頭から読者は張り巡らされた蜘蛛の糸に絡められていくように、
語りに翻弄されていくのです。

多和田さんが体験したという修道院の出来事でさえ、
本当のこととは思えなくなり、
逆に第二部の内容が最も信頼できることのように感じられてきます。
第一部で女性を外側から描き、
第二部で女性を内面から描いて、
この小説は表裏一体になります。

この小説を読んでみて感じたのは、
多和田さんの作品ではノンフィクション的なものが個人的には
親しみやすいということです。
過去に読んだものも好ましく感じたのは「アメリカ 非情の大陸」でしたし、
「海に落とした名前」だったりしました。
フィクションの部分こそ多和田さんの真骨頂だとは思いますが、
たぶん内包的になっている部分が苦手なのだと感じています。

2010年9月12日日曜日

「グラントリノ」

「グラントリノ」 クリント・イーストウッド監督

久しぶりにDVDを借りてきました。
イーストウッド監督の作品を見るのは2作目。
実に丁寧に作られた映画で、
且つストーリーも巧みに人をひきつける内容でした。
期待を裏切らない素晴らしい作品。

内容を話すのはルールに反するので止めておきますが、
人にとって大切なことをしっかりと骨太く伝えてくれる映画です。
より多くの人々の目に留まりますように。

2010年9月5日日曜日

「浦からマグノリアの庭へ」

「浦からマグノリアの庭へ」 小野正嗣著 白水社

1970年大分県生まれの小野さんは、
作家として「にぎやかな湾に背負われた船」で三島賞を受賞されており、
また、クレオール文学の研究者でもあり、
大学でも教鞭をとっておられる教育者でもある方です。

フランスに長く留学されていた経験を振り返ったエッセイを
新聞に発表されていたものが、この本の軸となっています。
このエッセイでは著者がお世話になった人々を通して見知った
現代のフランスの問題(特に移民排斥問題)と、
作家マリー・ンディアイとのインタビューを取り上げることにより、
現代の社会の持つ隠されがちな人間の尊厳の喪失を、
重要な課題として考えるよう促しておられるように読むことができます。

これらは文学を通して行われる一つの問題提起でもあり、
書かれること、読むことによって理解され、
社会への布石ともなるものだと思われます。

この本では、エッセイのほかに、
数多くの本についてもページが割かれています。

ラブレーの翻訳についてW先生とM先生のことが書かれているのを読めば、
当然ラブレーを読みたくなってきますし、
ボルヘスについての部分を読めば、「図書館 愛書家の楽園」を
読みたくなってきます。

クレオール文学は今のところ縁がないのですが、
どうでしょう、クレオール文学に関するところを読むと、
「にぎやかな湾」を思い出して、大分“浦”⇒東京⇒フランスのミックスで、
小野さん自身クレオール感覚を十分にお持ちではないかと
想像したりします。

“ふるさとについて”という章は、
“ふるさと”らしい“ふるさと”を持たない者からは、
想像をめぐらすのが精一杯です。
デラシネには大江健三郎の本を読むのは困難なのかもと、
思い当たったり、
いやいや、知識と思考と想像力不足だわ、と反省したり、
読んだことのない本についての書評を手を引かれるようにしながら、
初めての読み方、ひも解き方を知ることとなりました。

著者の出身地の大分“浦”からフランスにおける“マグノリアの庭”へ
立ち位置と置かれた場が時間とともにずれてゆき、
さらに開かれた場へと変化しています。

感情面にも揺らぎを与えられ、
読書にも刺激を与えられる、
とても楽しく充実した時間を得ることができました。

2010年9月3日金曜日

これでいいのかな?

この場を借りて、気に入った本たちの感想を
ぼちぼちと書いておりますが、
時々これでいいのかな?と不安になります。

良き書き手による書評を読んでいると、
その本のポイントを押えて引用したり、
著者と書かれた本との関係を考えてみたり、
そこからさらに思考を発展させて、
新たな読みを導き出しています。

もちろんそのような書評をまねることはできませんが、
もうちょっと本の内容がわかるようにして、
そこから感想を述べるというほうがいいかもしれません。

ブログなので、自分の気に入ったように書けばいいのですから、
気にしなくてもいいのかな?

一応は本によって扱い方を考えているのですが、
内容や筋について、もうちょっとわかるようにした方がいいのでしょうか・・・

2010年9月2日木曜日

「思考の整理学」

「思考の整理学」 外山滋比古著 ちくま文庫

この本に書かれていることを本当に実行できたら、
とっても有意義な人生を送れると思います。

学ぶことや思考すること、発想すること等を
手をとって促してくれます。

とてもわかりやすく表現されていて、
読みやすいこともいいところです。

学生に人気があるということですが、
社会人もゆとりを持ってこういう本を読むと
自分のやりたいことの足がかりになるかもしれません。

時々ページを繰って復習して、
活かすことができたら、と思います。

メモ、ノートの作り方などは、
明日からでも参考にすることが可能です。

といいながら読んだ先から忘れていくのが、
忘却の恐ろしさ。
アイデアを自分のものにするには、
身体に覚えさせることでしょうか。

2010年9月1日水曜日

「戦禍のアフガニスタンを犬と歩く」

「戦禍のアフガニスタンを犬と歩く」 ローリー・スチュワート著 高月園子訳 
 白水社

この本のタイトルは判断に誤りを起こしてしまいそうな印象があります。
このタイトルには確かに間違いはありませんが、肝心な内容が伝わってこない。
原題は“The Places in Between”、シンプルにこのままの方がいいように思われます。

著者のローリー・スチュワートはスコットランド出身。
大学卒業後、陸軍、外務省に勤めた経験を持つ若きイギリス人です。
2000年のある日、散歩していて「このまま歩き続けたらどうだろう」と考え、
その年イランを出発し、インド、パキスタンを経由しネパールまでアジア大陸を
横断する全長9600キロの旅にでたのです。
途中タリバン政権にアフガニスタンへの入国を拒否され、
アフガニスタンは後回しとなりました。
2001年にアメリカ同時多発テロが発生し、タリバン政権が崩壊、
その当時ネパールに到達していた著者は急ぎアフガニスタンへ行き、
真冬に西のヘラートから東のカブールまでの直線距離を辿り始めることにしたのです。

まだタリバン政権の崩壊から間もないアフガニスタンは、
多数の宗派のイスラム教徒からなり、人々は貧しくつつましく暮らしています。
もちろんTVなどの情報源もなく、大変な危険を伴っていたはず。
そういったアフガニスタンの現状を知ることもこの読書の与えてくれるものです。

そういったアフガニスタンの様子を知るつもりで読み出したのですが、
読み進めるにつれ、次第にこの旅人=著者の振る舞いや思考と知識、
行動力に圧倒されるようになっていきました。
知識人でとても冷静、判断力にも優れた人であることが伝わってきます。
このような人物が世界で活躍していくのだろうと、
想像するだけで、未来が明るく見えてくるほどです。
同じような旅をしたとしても、人によって得るものは異なるでしょう。
この旅人=著者は自らの持つ人間性によって多くのことをさらに知り、
体験して、それを元に今後アクションを起こしていくのだと思います。

そのような人物の魅力に加え、大切なお供の一頭の犬が、
旅人=著者の感情面を豊かに伝えてくれます。

とても読み応えのある一冊でした。

2010年8月29日日曜日

8月も終わりに近づき

夏休みも終わりですね。
まだまだ熱波は居座り続けていますが、
夜に聞こえてくるのは、
秋の虫の音。

サンダルを履くのも、
薄い服をまとうのにも、
そろそろマンネリ気分です。

季節の変わり目を早く迎えて、
身の回りも、衣服も一新して、
すっきりとリフレッシュしたくなってきました。

でも夏の課題図書がまだ残っています。
夏に読んだ本のご報告も終わっていないし。
こちらも秋の準備に向かったほうがいいですね。

2010年8月27日金曜日

「原稿零枚日記」

「原稿零枚日記」 小川洋子著 集英社

しばらく前に小川洋子さんと堀江敏幸さんの公開対談が芦屋で催された時、
堀江さんが小川さんの作品の特徴として
“肌、皮膚、皮膚感覚”を挙げられたのです。

そういえば、小川さんの作品には皮膚感覚に優れた描写が多くあると
ようやく気が付いたのです。

この作品ではその皮膚感覚がさらに研ぎ澄まされて、
五感が微細に敏感に反応しています。
肌で感じ取ったものを具体的に目で確かめ、
足の裏で感じ、情報に耳をすませ、
ゆっくりと丁寧にルーペで覗き込み、
舌で食感を、そして最後に脳内で総合的に味わうのです。
冒頭の9月の日記にはそういう小川さんの特徴が染みとおっています。

読み進めて、この作品の中に潜む“小石”を見つけます。
その部分は読んでいただくとして、
この作品は日記ということですから、
主人公の作家がいろいろな体験やそこから感じたことが、
ひっそりと正直に書かれていることになっています。
体験そのものはささやかな表現で納められているのですが、
主人公の内向的な性格と繊細な心理描写が、
この書き手の独特な嗜好を示しています。
日記に写し取られたその作家の心が、だんだんと姿かたちを取り、
立ち上がってくるのです。

そしていつの間にか読み手は日記の中に取り込まれていくのでした。
読んでいるとなんだか自分の性格や嗜好も変わってしまったような気分になるのです。

2010年8月25日水曜日

汗をかきながら読書

この3日間、時間のある限り読書。
なぜか読まないと落ち着かなくて、
駅や停留所はもちろん、
帰宅してからも鞄を放り投げて読んでいます。

読んでいたのは、
「尼僧とキューピッドの弓」 多和田葉子
「散歩のあいまにこんなことを考えていた」 松浦寿輝
「クーデンホーフ光子の手記」 シュミット村木眞寿美編訳

共通点は国境線を越える人のようですね。
外国語を解しないというのに、
こういった人々の話はとても楽しく頼もしく感じます。
さて次の本は・・・と。

2010年8月22日日曜日

アーサー・ランサムについて少し

アーサー・ランサムが「ツバメ号とアマゾン号」を発表したのは1930年。
イングランド北部のウィンダミア湖が舞台だそうです。

1884年生まれのランサムは早くから文筆活動をはじめ、
従軍記者となったり、ロシア革命や中国革命を取材したりと、
ジャーナリストとしても活躍したようです。
「ツバメ号とアマゾン号」に続いて11冊の児童文学を成しています。

これら12冊の魅力はなんといっても、
実在するかのような子供たちの姿でしょう。
子供たちの生き生きとした様子、
個々の個性の豊かさ、
何と言っても、さりげなく描かれた細やかな心理。
この子供たちを輝かせているのは、作者の指向性にあるでしょう。

訳者の神宮輝夫さんは“訳者のことば”の中でこう述べています。
 “12冊の物語には、どこにも解放された休暇のよろこびがあふれています。
  このよろこびはレクリエーションというようなものではなく、
  人間がもっとも人間らしくなったときに感じる深いよろこびだとわたしは
  思います。つまり、ランサムは、どんなに時代が変わっても、人間が
  人間であるかぎり、持ち続けるよろこびをとらえたのだと思います。
  そのよろこびをさらにこまかく分ければ、新鮮な興味、行動への意欲、
  自然の恵みの享受など、いろいろになるでしょう。”

人間らしいよろこびに溢れるお話を12冊も堪能できるのです。
このような作品を書いたランサムですから、
同じ神宮さんの訳の自伝も面白いに違いありません。
リストに加えておくことにします。

2010年8月21日土曜日

「ツバメ号とアマゾン号」

「ツバメ号とアマゾン号」 アーサー・ランサム著 神宮輝夫訳 岩波少年文庫

ランサム・サーガの第一作目「ツバメ号とアマゾン号」。
ツバメ号の乗船員たちの初めての冒険。
そしてアマゾン号との出会い。
素晴らしい環境と、乗組員たちを見守る良き原住民たち。
この上なく幸せな体験。

イギリスには多くの優れた児童文学が存在しますが、
このランサム・サーガにたどり着いたら、
少年少女時代の読書体験のラストを見事に飾ってくれることでしょう。

やたら下手な説明などしないほうがいいのです。
ご存知でない方には、一読をお勧めいたします。
健やかな心地になることは間違いありません。

2010年8月20日金曜日

カニグズバーグとの出会いは

「800番への旅」の作者カニグズバーグは、
Elaine Lobl Konigsburg 1930年生まれの
アメリカの児童文学の作家です。

1967年に「クローディアの秘密」でデビューし、
数々の作品を発表しており、
邦訳も主に岩波少年文庫からいくつか出ています。

その岩波少年文庫から出た「クローディアの秘密」を
読んだのは小学生のことでした。
ちょっと背伸びした高学年の女の子のお話で、
そのくらいの年齢の子なら確かに考えそうなアイデアから
お話は始まります。
考えてみても想像で終わってしまうのが常ですが、
クローディアは実行してしまうところが、たくましい。
そこから思いがけない事実と遭遇し、
クローディアは一気に大人の世界へ入り込むのでした。

現代を舞台にしていることもあって、
写実的な描写と相まって児童文学にはあまりないリアル感があり、
読んだ当時は戸惑いました。
それまではファンタジックな物語を好んでいたものですから。

数十年経って「800番への旅」を読んでみると、
このカニグズバーグの手法が魔法のように活かされていることに
気が付きました。
ありえなさそうな話だけど、
実際にあってもおかしくはない。
すっかり信じきって読むことができるのです。
物語(小説)の醍醐味だなぁと思います。

すっかり遠くなってしまっていた子供の頃の心理を引っ張り出して、
懐かしいというより、複雑な気分です。
枝葉を削って少しはすっきりとしていたらいいのに、
そんな大人には到底なりっこ無いとよくわかったからです。

2010年8月19日木曜日

「800番への旅」

「800番への旅」 E.L.カニグズバーグ著 岩波少年文庫

児童小説の姿ではありますが、
大人が読むにふさわしい作品です。

主人公のマックスは中学生、
お金持ちのF.H.マラテスタ一世と再婚した母親が
ハネムーンに出かけている間、
父親のウッドローと一緒に過ごすことになりました。

この父親とラクダ(!)のアーメッドとの3者で
現代アメリカを旅をするのです。

あらすじをばらしてしまいたいくらい
ユニークな事件が次々と起こります。

ユニークな親子との不思議な遭遇、
父親と仲の良いたくましい家族たちとのかかわり、
包容力豊かな女性と過ごすひと時。
日常とすっかりかけ離れた日々を過ごす中で、
マックスは多くのことを悟り、学びます。

会話のテンポの良さと、
シチュエーションの見栄えの良さを、
無駄なく語り継ぐ手際も、
見落としてはいけません。

最後の最後まで読ませてくれます。

問題はアメリカの地理に明るくない読者は
地図を参照にしなければならないってことでしょうか。

2010年8月18日水曜日

猛暑

ごぶさたしております。
ようやく体調も回復し、落ち着いてまいりました。

本もぽちりぽちりと読めるようになってきましたので、
そろそろ独り言を復活させたいと思います。

それにしても、この暑さは尋常ではありませんね。
日本で通常に生活するのに、どこまで耐えられるのでしょうか。
体力が持ちません、夏休みを一般人も導入しましょう。
木陰でゆっくり頭を冷やしてから再び活動すれば、
経済面でも効果があるかもしれないと想像しています。

蝉の鳴き声もピークを過ぎて、
日照時間も少しずつ短くなってきているのに、
気温だけが高くて、
秋はいったいどこにいるのでしょう?

2010年7月28日水曜日

休眠中です

ただいま体調不良により休眠中です。

お休みをいただいて、ゆっくり静養。

何にも考えないことにしています。

頭がフツウに動くようになりましたら、
復活したいと思っております。

よろしくお願いいたします。

2010年7月20日火曜日

ようやくPC復旧しました

ようやくmyパソコンが復旧しました。
ドライバーを入替えたら、すんなりと蘇ってくれて
ほっとしました。
これで再び独り言が語れます。

外はすっかり夏ですね。
奈良ではまだ蝉の声を聞きません。
大阪ではうるさいくらいだといいますが。

毎年夏の初めに“夏休みは何をしよう?”と悩んでみます。
読書とDVDを観ることと美術展に行くくらいなのですが、
プランを練ることが楽しかったりします。

今年の読書はアーサー・ランサムが待っています。
DVDは何にしよう?
美術展は京都でやっている“ボストン美術館展”と、
サントリーミュージアムの“印象派展”に行きたいな。

それから美味しいみつまめ(特に寒天!)を食べたい。

夏バテに効きそうな薬膳風の中華料理も食べたいな。

海辺には人が押し寄せているので、
季節が変わったらゆっくりと波を眺めに行こうと思っています。

2010年7月19日月曜日

「ねにもつタイプ」

「ねにもつタイプ」 岸本佐知子著 ちくま文庫

以前にもご紹介した翻訳家岸本佐知子嬢のエッセイ集。
面白く、楽しく、少々痛みを思い出させる笑いだけではない一捻りも
二捻りもされた内容です。

前にも読んでおかしかったのが「マイ富士」。
小さい小さい富士山があったとしたら・・・。
欲しい、欲しい、手のひらサイズのマイ富士山。
毎日眺めて、日の光に当てて、ご来光を拝むのだ。

おかしいだけではありません。
一緒に懐かしく振り返ったりすることも、
そういえば、と思い当たって手のひらを打つことも、
気味が悪く、落ち着かない気分にさせられることも、
いろいろ詰まっている本であります。

中でも唸ってしまったのは「星人」。
特に気が付かない星人を指しています。
気が付かなくて、気がきかない、気働きのできない人。
そーです、自分のことです。
いつもしばらく経ってから、“あれはそういうことだったのか”、
“あそこではこうするべきであった”とか、
気が付かずに失礼してしまっていること頻繁であります。
気が付いたときには既にとき遅し。
失礼をしてしまった方、傷つけてしまったかもしれない方に、
申し訳なく思う日々です。

“申し訳ありません。この場を借りてお詫びいたします。”

2010年7月17日土曜日

梅雨の間に読んだのは

ブログを更新できずに過ごしていたら、
大荒れの梅雨が明けました。
心を痛めさせる被害が数多くありました。

今日は夏空が広く見えています。
さっそく暑くて、へろへろです。

梅雨の間に読んだ本は、
「いかに生きるか」 森有正著 講談社現代新書 1976年
 キリスト教徒としてどのように生きていくべきか、
 人生をどのようにとらえるべきかを説いたもの。
 経験することによって得る英知を重視した森有正の思想が
 わかりやすく解きほぐされている。

「夜明けの縁をさ迷う人々」 小川洋子著 角川文庫
 ミステリアスな短編がまとめられている。
 著者の持つそのミステリアスな側面は、
 明と暗に分かれているようにも思える。

「ねにもつタイプ」 岸本佐知子著 ちくま文庫
 抱腹絶倒のこの本についてはまたあらためて。

「西の魔女が死んだ」 梨木香歩著 新潮文庫
 前から気になっていた本。
 自然と調和した生を描いているけれど、
 たよりなさを感じて、少々物足らなかった。

読書中の本は、
「プラテーロとわたし」
 とっても素敵な散文詩。
 ロバのプラテーロの歩調に合せてゆっくり読んでいます。

「戦禍のアフガニスタンを犬と歩く」
 もう少しで読み終えるところです。
 
などなど。

帰ってきたmyパソコン、
今度はドライバーの不調が発覚。
やむなく復旧用CDを取り寄せて、
できるところまで直すつもり予定です。
もうあきらめ半分。

時間が空いた分、
本が読めます。

2010年7月12日月曜日

おめでとうスペイン

スペインが延長の末、オランダを破って優勝しました!
イニエスタがシュッと足を伸ばし、トラップしてゴールへ流し込んだ時は、
ちょっとうるうるとしたくらい白熱したゲームでした。
決勝戦は格別の緊張と高揚感の溢れる特別なものなのでした。

やっぱりワールドカップはレベルが高い。
今大会も堪能いたしました。
かっこいい選手もたくさん見る事ができました。
個人的にはウルグアイのフォルランが・・・と思っていたら、
MVPに選ばれたそうです。
そうか、みんなそう思っていたのだ。

8年越しに応援してきたイタリアのカンナヴァロも
今回で代表引退かと思われます。寂しい・・・

一瞬の煌きも、熟成した時の経過もみな美しい。
ミーハーファンも満足しきって眠りにつくのでした。

2010年7月9日金曜日

読書ブログに帰るのはいつ?

いつの間にかサッカーブログと化していますが、
もうしばらくすれば元のとおりののんびりブログに
戻る予定です。

11日の日曜日にはパソコンも戻ってくるので、
最近購入した本のことなど、
お話できると思います。

読書は普段掛け持ちをしないのですが、
体調が低空飛行を続けている状態なので、
あれこれと読みやすい本に手を伸ばしています。
本来はじっくり読書が好きなので、
中途半端な気分です。

梅雨明けには、落ち着いてきて欲しいのですが、
今回の体調不良は対処の方法が難しく、
ゆっくりと様子を見ながら治していくしかないようです。
幸い仕事は出来るので最悪の事態ではなく、
あまり気構えずに、のんびりとやっていきたいです。

2010年7月8日木曜日

決勝はオランダ対スペイン

ウルグアイ対オランダも好ゲーム、
スペイン対ドイツも好ゲームと、
世界最高レベルの試合を見せてもらいました。

パス廻しの速さ、
正確な位置取り、
走るスピード、
ボールタッチの正確さ、
技術も体力もメンタルも鋼のよう。

酔わせてくれるワールドカップも残すは2試合となりました。
敗退したチームはもう建て直しを図っています。
4年後に向けてaller!

2010年7月3日土曜日

オランダが勝利

ブラジル対オランダ戦。
ブラジルの試合を今回初めて見ました。

前半はブラジルが早々と得点し、
自分達のペースで試合を動かしていました。
スピード、正確性、テンション、速いパス廻し、保有率等々、
最高レベルのプレーです。

ところが、後半オランダにオウンゴールを献上すると、
見る間にオランダが優位に。

ブラジルは焦りもあったのか、ファウルを連発。
プレーが粗くなってしまいます。
ついにはレッドカードで一人退場。
オランダが追加点を入れると、
ますます噛み合わなくなり、
試合開始の時と同じチームとは思えないほどの
状態に陥ってしまいました。

サッカーの恐ろしさを目の当たりにした思いです。
常に冷静に自分達のスタイルのプレーをしていたオランダが
見事に勝利しました。

ウルグアイとガーナの試合は、
PK戦の末ウルグアイが勝ったようです。
オランダ対ウルグアイ、これも見物です。

2010年6月30日水曜日

死闘

パラグアイ対日本。
よくがんばりました。
素晴らしいチームプレーを見せてくれました。
もう言うことはありません。
日本のプレースタイルが世界で充分に通用することが証明され、
これから更にレベルアップしていくことでしょう。
うるうる。
皆々お疲れ様でした。

2010年6月29日火曜日

パソコン修理

myパソコンを再び修理に出すことになりました。
しばらくはこのブログの更新も休み休みになります。

ざっと見積もりをしてもらったら、
安いパソコンが充分買える値段でした。
買い替えることになるかもしれません。
キーボードの取替だけで終わったらいいのですが。

TVが無い生活は我慢できても、
パソコンの無い生活は考えられませんね。
つらいところです。

2010年6月28日月曜日

梅雨を通り越して

しとしとと雨の降る梅雨の合間に晴れる日があると、
凄い湿度で体が重くなるほどです。
じっとり汗をかいてぐったり。

今日はそんな梅雨の中日というよりも、
いきなり夏日。
ぎらぎらと陽射しが照りつけます。

朝顔たちも蔓を伸ばし始めて、
アゲハ蝶がはたはたと舞っています。

本当の梅雨明けにはまだ半月近くありそうですが、
夏場を乗り越えるための体力をつけておいたほうがよさそうです。
じっと暑さを耐えるだけでも疲れます。

食いしん坊ですから、
夏も美味しいものがたくさんあるので、
食欲は落ちません。
消耗する以上に食べてしまうのが難です。

2010年6月27日日曜日

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またしても、パソコンクラッシュです。
キーボードがまともに動かなくなってしまいました。
ごらんのとおりのタイトルです。

今年はパソコン受難の年であります。

2010年6月26日土曜日

「苦いオードブル」

「苦いオードブル」 レックス・スタウト著 矢沢聖子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ

この本が出版されたのは1940年。
アメリカはニューヨークの古き良き時代の推理小説です。
レックス・スタウトといえば、ネロ・ウルフのシリーズが有名ですが、
この本ではテカムス・フォックスという男性が探偵として、
活躍します。
ネロ・ウルフ・シリーズが大好きなので、レックス・スタウトの作品は目を通すように
しています。が、結構無難なお話でありました。
キャラクターも普通の人々だし、ストーリーも特に特徴もなく。

可笑しく感じるのは、1940年ということで十分古めかしく感じるのに、
“旧式の”とか、“古びた”という表現が度々使われていることです。
この時代で古びたというのは、戦前のものということでしょうか。
もう想像が及びません。電話や車は日常的になっているものの、
この人々がケータイやパソコンを知ったら、腰を抜かすことでしょう。

2010年6月25日金曜日

やったぜ、日本!

ワールドカップ戦前の世間の予想を大いに裏切り、
16強進出を決めた日本、
デンマークを相手に3-1、よくやりました!

前半にフリーキックを2本しっかり決めて、
後半に突入。
デンマークはほとんど上がって攻めに攻めてきましたが、
決め手に欠け、日本が攻守。
日本の守備は天下一品ですね。
でもサッカーではいくら守備が旨くても、
試合としてはあまり評価されないのです。
点を入れてなんぼの世界。

PKのこぼれ球を押し込まれて1点は失ったものの、
敵陣の守りが手薄のところで、
しぶとい攻めで追加点。
見事に試合を決めました。

ボール際のせめぎあいは今ひとつ旨いとはいい難く、
すぐにデンマークにボールを奪われていました。
それなのにデンマーク選手の動きは硬く、
日本の選手の方がはるかにのびのびとしていました。

一試合ごとにまとまりが出来て、勢いが出てくるのが
ワールドカップの面白さ。
さて、決勝トーナメントの初戦はパラグアイとの対決。
今回南米のチームと当たるのは初めてですね。
これは見ものです。
強いぞ、パラグアイ。
ああ、また寝不足になります。

2010年6月24日木曜日

体制の立て直しを検討中

ここのところ読めそうな本から
手当たり次第の読書をしています。
関心のある分野に
あちらこちらと首を突っ込んでみては、
いずれも深く考えたりすることもせずに、
広く浅くのケーハクさです。
サッカーを見るのにも忙しく、
自由になるわずかな時間を細切れに、
気の向くまま。
こうしている間はあっという間に時間が経ち、
積み重ねるべきものがおろそかになってしまいがち。

体調もだいぶ落ち着いてきたので、
そろそろじっくり取り掛かりたい本たちに
目を向けたいと思い始めました。

ユルスナールに関しては、
「とどめの一撃」の岩崎力さんの解説を
解きほぐすことに手をつけています。
知りうることを頭に放り込んでから、
丁寧に読み返そうと考えています。

この「とどめの一撃」を丁寧に読むことで、
何か、充実感だけでもいいから、
つかむことができればと願っています。

休憩中のヴェイユのじっくり読書も
再開させたいです。

仕事や会社関係の用事も詰まっていて、
少々多忙ではありますが、
粛々と進めていきたいです。

2010年6月23日水曜日

「平和構築」

「平和構築」 東大作著 岩波新書

著者の東大作氏は1969年生まれ、東京都出身。
9年間NHKディレクターを務め、
ベトナム戦争や中東問題、核問題、イラク復興問題などを
取り上げた番組を数多く制作されたそうです。
退職後、カナダへ留学し、国際政治学を専攻、
現在は国連で仕事に従事されているそうです。

この本は2008年にアフガニスタンと東ティモールにおいて、
国連の協力を得て自ら行った関係者へのインタビューと
アンケート調査を元に書かれたものです。
練られた準備の上に綿密な調査がされた報告書は、
国連機関や政府機関で広範に利用されているということです。
そこから考える「平和構築」はどうあるべきか。
武装解除、新政府の樹立、総選挙の実施、経済計画など、
成すべき課題が次々と挙げられる中、
タイムリーに事を対処していかねばなりません。

アフガニスタンと東ティモールにおけるアンケート結果は、
地元の人間がどのように考え、どう希望しているかを明確に伝えています。
当事者の考えを知ることも一つ大切なことだと思われます。

国連がどのようにコミットしていくべきかという点も、
このアンケートからヒントを得られるように思われました。

日本人として日頃感じていることは、
一般のニュースだけでは、伝わらないことが多いということです。
この本を読んでさらにその気持ちが強くなりました。
本の末尾にJICAの理事長である緒方貞子さんの言葉があります。
“世界はすでに相互依存の時代になっている。相互依存がグローバリゼーションの
 実態です。その相互依存の世界で暮らしていくためには、
 日本だけがいいというのでは、足りません。”
私たちが食べているもの一つにしても、世界の国々と関係の無いものはありません。
世界のことをお互いに考え、協力し合う時代が到来しているのでした。

もちろん日本の内政が安定しないと始まらない部分も大きいでしょう。
教育面で考慮していくことも大切かと思います。
広告のコピーだけで終わらずに、私たちの視野と意識も広げていかなくてはいけません。

2010年6月22日火曜日

レ・ブルー大ピンチ

ウルグアイと0-0で引き分け、
メキシコに0-2で負け、
FWのアネルカが監督に暴言を吐いたことから追放、
練習ボイコット、
チーム・ディレクターが辞任と
ワールドカップ真っ最中に
とんでもないことになっているフランス・チーム。
以前からドメネク監督について色々取り沙汰されていますが、
実際個々のスキルは高いのにチームとして機動していない。
今夜も南アフリカに0-2とリードされている状況です。

日韓共同開催のときもプレーがかみ合わず、
予選で敗退したことが思い出されます。

ジダンの存在が大きかったのでした。

次期監督には元代表のブラン氏が決まっています。
チームとして成熟したプレーを見せて欲しい、
ファンはそう願っています。

2010年6月21日月曜日

チョン・ウソンの言葉

「人を信じないで、どう生きられるのか!」

この言葉を読んで、うっと唸ってしまいました。
韓国の人気俳優チョン・ウソンのインタビューでの一言です。
挫折したり、憤慨したり、不安で迷うことが人の常。
しかしこの人はネガティブなことは引きずらず、
ただ、いい方向に持っていくだけ、なのだそうです。
“若い頃から自分を見つめ、人間性が伴うように成長したいと、
 よく考えながら生きてきたと自負しています”と語っています。

どうしてそういうふうに思えるのでしょう?

“無常という仏教の教えがあるでしょう、この世にあるものすべては消滅して、
 留まることなく常に変移している、という”

韓国の俳優さんは自分とは全く関係が無いと思って過ごしていますが、
偶然「クロワッサン」の記事を読み、衝撃を受けてしまいました。
生きる基本が出来ていないから、動揺するのだと思います。

2010年6月20日日曜日

T・S-Y40

クラシカルで書きやすく美しいノートが欲しくなって、
文具店に出かけたときのこと。
黒い背表紙にグレイの表紙のノスタルジックなB5のノートが
並んでいました。
まぶしい白いページがまず第一候補と、
いくつか手にとって見ていると、
少し横長の正方形に近い形のノートが目に付きました。
それは中のページが品の良いクリーム色で、
横長な分たっぷりと書き込めるようなゆったりとした作り。
指を滑らせてみると柔らかくつややか。
こんな綺麗なノートは初めて見るぞと、
嬉しくなって数冊買い込みました。

実際、使ってみると、ペンの滑りが絶妙で、
余白もたっぷりととれ、
みっともない字が並んでいてもすっきりと見えるような気がします。
とっておきのノートとして、
少しずつ使い、大切に保存しています。
あれからそのノートを店頭でみることが無いので、
もう廃盤になってしまったのだと、残念に思っていました。

本題はここからです。
「クロワッサン」6月25日号の“美しき日本の手技”に
堀江敏幸さんがこのノートを取り上げていたのです。

思わず手元のノートをひっぱりだして、
眺めてしまいました。
そう同じノートです。
堀江さんはまた違った方向からこのノートと出会ったようですが、
いつものようにノートの具体的な特徴を正確に記し、
使い心地を豊かな表現で表されています。

同じノートだけど、活かされ方が違うのでした。

堀江さんは左のページも使うように努力されているようですが、
左のページはほとんど使わないことにしています。
後で見やすいことと、余白のようにしておいて、
後々利用できるようにと、希望の分だけ空けてあります。

2010年6月19日土曜日

敗戦

オランダ対日本の試合は0-1で敗戦。
日本はあらゆる点でオランダに劣勢でしたが、
健闘しましたね。
特に守備については組織力を生かして、
非常に良かったように思います。
しかし、負けは負け。
勝ち点を取ることはできませんでした。
相手陣内に攻め込んでからの詰めがどうしても甘い。
個々に力を発揮していた選手がいるだけに、
もったいないような気がします。

それにしてもスナイデルのシュートは凄かった。感嘆。

2010年6月18日金曜日

借り物読書

上司のK氏は休み時間にいつも本を読んでおられます。
生駒市の図書館はとても充実していて、
読みたい小説がたくさんあるとのこと。
日本の現代小説を中心に次々と制覇されているようです。

昨日、「面白かったから、読んでみる?」と
森見登美彦「宵山万華鏡」集英社 を手渡されました。

森見さんの本は「夜は短し、乙女よ歩け」を読んだことあり。
関西人にはなじみのある地名が出てきますし、
なんとなく間合いが関西風にゆったりしています。

「ぜひ、ぜひ」と急いで読み始めました。
今日には読み終えることができるでしょう。
今回も京都が舞台です。
夢うつつの儚い物語が繰り広げられています。

2010年6月17日木曜日

アルゼンチン対韓国

ひゃ~、世界トップレベルの技を堪能いたしました。
前半、韓国はほとんど下がって守っていたのに、
不運のオウンゴールから始まってしまいました。
アルゼンチンのボールの支配率が高く、
韓国のエース、パク・チソンもチャンスがあまり無かった。
中盤の右に左に中央にメッシが現れ、
ボールをコントロール。
マークがきついため長く保持することは難しかったようですが、
そのマークをかいくぐっての
素晴らしいボールキープから緩やかなシュート。
これは決まらなかったのですが、
巧みな足さばきが目を見張らせます。
アルゼンチンの厳しい攻めに韓国のGKがスーパーセーブを連発。
前半のロスタイムに隙をついて韓国が1点を返して、
2対1で折り返し。
後半も必死で韓国も守りますが、
アルゼンチンに3点目が入ると、
攻めあがるしかありません。
そこでディフェンスが手薄になったところを
4点目を決められ、万事休す。
結果的にアルゼンチンのイグアインがハットトリックとなりました。
1戦目好調だった韓国がこんなに奮闘したのに、
アルゼンチンは堅調な戦いぶり。
司令塔のベロンが抜けていたのに。

と長々と書いてしまいました。
正しくはニュースをご覧ください。
このゲームを見るだけで知りうることがいっぱいです。
もっと見たい、見たい、でも寝ないと。
悩ましい6月の夜です。

2010年6月16日水曜日

満足できない読書のときは

読んでいる途中はすいこまれるようにのめりこんでいたのに、
ラストまできてみて、全貌が明らかになり、
結末に納得ができないことってありませんか?

本に限らず映画でもそういうことがあります。
たいていある程度評価を得た作品のことが多いです。

昨日読んでいた本もそうでした。
途中、これはこの作家のこれまでの中で一番いいぞ、と
思いながら読んでいたのですが、
結末が気にいらない。
そして冷静に振り返ってみると、
その結末に行き着くまでのプロセスもあからさまな気がしてきて、
急に面白くなくなってしまったのでした。

色々な読者がいるので、
作家は全てに答えることはできません。
そして読者のために書いているわけでもないでしょう。

満足できない読書のときは、
そんなことはありえない、そんなはずはないと、
自分勝手に話を作ってみるのでした。

そんな気持ちを作家にぶつけることもできなくて、
落ち着きの悪い気分なのです。

読書はいろんな気持ちを呼びさますのでした。

2010年6月15日火曜日

一つの勝利

きゃ~、おめでとう、ジャパン!
勝利を挙げることができて、実に嬉しいです。

よく攻めていたようだし、
よく守りきったのですね。

カメルーンには申し訳ないけど、
よくやりました!

勝ち点3。
これは実に大きいですね。

昨夜試合前の中継を見ていて、
彼らにとってワールドカップが本番の、最大の舞台の日であることが、
高揚した雰囲気から伝わってきました。
緊張しつつも、わくわくしている喜びも十分に感じられました。
その場で力を発揮することができ、
結果を残すことができたことを、
一緒に喜びたいと思います。

次回はオランダ戦。
どんな試合になるでしょうか。

2010年6月14日月曜日

寝るのか寝ないのか、それが問題

今日も右手と右膝の痛みに耐えつつ、
蒸し蒸しとした気候にまみれながら、
非常に忙しい一日を送りました。
あまりに次々と案件が降り注いでくるので、
これらを裁く自分が有能なような錯覚を起こしてしまいました。
違うで。

明日はその残りを片付けて、ルーティン業務をやっつける予定。
それを考えると、明日寝不足になるのはまずいです。
サムライ・ジャパンのことを考えると、
今晩が勝負なので、大変悩んでいます。
それに、カメルーン特にエトーを観たいし。
ワールドカップ中は仕事にならない国があるらしい。
その気持ちよくわかる。

湯船に浸かって悩むことにします。

2010年6月13日日曜日

痛々の週末

体調不良が少し落ち着いてきたと思っていたら、
右膝痛と右手痛に襲われています。
どちらも心当たりあり。

最近ヨガのまねごとをしていたところ、
右膝がちょっと痛い。
無理をしなければそのうち治るだろうと油断していたら、
激痛に。お馬鹿さん。

右手の方は、
お掃除のときに箒を片手で力を込めて使っていたので、
しばらくしたら、痛み出しました。
もうどうしようもない。

で、痛み止めを飲み、ぼうっとしながら、
今日はほとんど寝て過ごしておりました。

そんなふうにぼんやりしていたら、
マラドーナ監督が一勝を挙げました。
メッシ、もう一息のチャンスがたくさんあったようで、
残念です。
それにしても韓国のパワーがすごい。
B組は強豪が多いですが、上位に食い込みそうです。
これから登場するチームからも目が離せません。

2010年6月12日土曜日

始まりました、南アフリカ大会

始まりましたね、サッカー・ワールド・カップ。
もう必死の形相で力いっぱい走っている選手たちを見るだけで、
この場はいつものピッチとは違うのだとわかります。

南アフリカも健闘したけれど、メキシコとドロー。
フランスとウルグアイもドロー。
韓国はギリシャに快勝したようです。

一つ一つの試合に重みがあり、
後が無いという過酷な状況に耐えうる精神と肉体。
個人技だけでは勝つことはできないけれど、
チームを一つにまとめる中心的存在も必要です。
組織力とスピード、パワー、そして技術。
全てを兼ね備えたチームが最後まで勝ち進むのでした。

ほんとはどの試合も見てみたいです。
どの試合も意味があると思うのです。
それぞれに個性的な魅力をたたえたチームのぶつかり合いは、
実に見ごたえがありますね。
これから一ヶ月、日々TVをほとんど見ない生活なので、
距離を置きながら、楽しませていただきます。

2010年6月11日金曜日

「明日は舞踏会」

「明日は舞踏会」 鹿島茂著 中公文庫

なんとなく読みやすそうだと思って鞄に入れてありました。
鹿島先生の話題が続くのは偶然のことであります。

ラスティニャックにあまり肩入れしなかったこともあって、
“19世紀のフランス小説の主人公たちの夢と日常を再現した”
同じく鹿島先生の「馬車を買いたい!」は未読でしたが、
この本は「馬車を買いたい!」のレディース・ヴァージョン
なのでありました。

19世紀のフランスの貴族社会に生きる女性たちの有様が、
引用もたっぷり、面白く、生々しく書かれています。
社会構造や、ファッションスタイルなどは現代とは違うとはいえ、
人間の本性は変わりはないのだと、少々悲しくなってしまいます。

「ボヴァリー夫人」を繰り返し読んだ後に、
この本を手にとって正解だと思いました。
当時の女性の意識がよくわかります。
そして“ボヴァリー夫人”への理解が進んだように思えます。
かつて“ボヴァリー夫人”はとても身近な存在だったのです。
そこから脱出すべくこれまでトコトコ歩いてきたのでした。

この「明日は舞踏会」は憧れの舞踏会の舞台裏としてより、
社会における女性の位置を計ってみせてくれた本でした。
(ちなみに舞踏会に憧れたことはありません)

2010年6月10日木曜日

市川亀治郎さんのエッセイ

日経新聞の夕刊、金曜日の“プロムナード”は、
歌舞伎俳優の市川亀治郎さんが担当されています。

いつも話の立ち上がりは歌舞伎を中心とした芝居のことから始まります。
実際にご自分で経験された体感的、感覚的な表現を核にされているわけですが、
そこから、とても内部に深く切り込んだ思想的な話に展開してゆきます。

今回は“メメント・モリ”。
抜粋いたしますと、

歌舞伎の公演に休演日は存在しない。
舞台の感動は一瞬で消えてしまう。
消える一瞬に命を賭ける。
命が永遠に続くという幻想。
死を忘れるな、死を想え。
死を意識することで、いま生きている一瞬一瞬にフォーカスする。
一休禅師の杖の髑髏も、・・・生きている瞬間をもっと意識せよということを
語っていたのではなかったか。

知識として頭にあることが、
身体を通して結びつき、理解に至る。
毎回、圧倒されるエッセイです。

2010年6月9日水曜日

鹿島先生の“読書のすすめ”

「読書のすすめ 第14集」岩波文庫編集部編という冊子を
読んでいました。
この「読書のすすめ」は毎回著名な読書人が岩波文庫について
エッセイを書き寄せていて、本好きの人には楽しい一冊です。

この第14集で傑作だったのが鹿島茂さんの“理由は聞くな、本を読め”。

“なぜ本を読まなければならないのか?”との問いに、
“本などなんの役にもたたないのに、なぜ、わたしたちは本を読むのだろう?”
という問いに置き換えています。
そして、
“読書は事後的にしか確認できない”、
“本はこの事後性を自覚した人によって書かれている”。
結論として、
“読書の効能が事後的である以上、それを事前的に説明することはやめて、
「理由は聞かずにとにかく読書しろ」と強制的、制度的に読書に導くこと
 これしかないのである”。
と説いておられます。

まったくです。おっしゃるとおり。
読んでみないと事前的にはわからない。
自称本好きでも日々そう思っているのでした。
いやこれは本との相性の問題で、
ここで本来問われている読書のすすめとは別なのであります。

2010年6月8日火曜日

少し上向きです

お騒がせしておりますが、
ここのところ続いている不調に合わせ、
一週間近くお薬を増やして対応してきたところ、
だいぶ調子が上がってきました。
お医者さんにも報告して、
“こんな症状ははじめてですね、
しばらく無理はしないでおくように”と
忠告を受けました。

昨日あたりからやりたいことができるようになってきたし、
色々とアイデアが浮かんでくるし、
本もあれこれ読みたくなってきたし
頭が柔軟に(こんな程度ですが十分です)動くようになってきました。
ばんざい。

ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした。
油断はしないで、ほどほどに進めていきたいと思います。

2010年6月7日月曜日

好きな食べ物

パン(バゲット、パン・ド・カンパーニュ、ブリオッシュ、
セーグル、ボストック、パン・オ・レザン、クロワッサン・・・)

発酵バター(いつもはカルピスバター。滅多に手に入らないけれど
余市の横市ファームのバターが大好き。いつか出来たての
エシレが食べてみたいです。)

チーズ(ちょっとだけカビが入ったものが一番好き。
ブレス・ブルーくらいでしょうか。子供のときに食べていた
雪印のプロセスチーズが原点です。)

みょうが、絹さや、かぼちゃ、クレソン

きゅうりの浅漬け

うどんだし(麺も好きだけど、関西風のおだしが大好きです。)

ローストビーフ

鴨肉

ひゃ~、百貫でぶ。

得意な(好きな)料理は、
アーモンドプードルたっぷりのパウンドケーキ、
卵たっぷりのほとんどカステラ風スポンジケーキ、
ラタトィユ、
鳥ガラベースの野菜と豆たっぷりのスープ。

うひょ、千貫でぶ。

ちなみに苦手なのは魚です。

2010年6月6日日曜日

6月になりました

ぼんやりとしているうちにもう6月。

毎日ニュースを見て新聞には目を通しているものの、
鳩山首相が小沢幹事長と辞任して、
菅首相が誕生したし、
失業率は上昇しているし、
中国大使も丹羽氏に決まったし、
プロ野球も交流戦の終盤だし、
ワールドカップもカウントダウン、
ipadも品薄らしい。

社会の動きを目で追っているだけでうかうかしていると、
物事の判断に影響が出そうです。

今月は、体調不良から復活すること。
ワールドカップを堪能すること。
この二つです。

それと、もう少し新聞を丁寧に読むことにしたいと思います。

2010年6月5日土曜日

スターバックスカード

コンビニで購入したスターバックスディスカバリーズ、
つまりラテです、ただいまキャンペーン中とあって、
応募してみたところ、当選いたしました。

今日はその賞品のスターバックスカード(1,000円分)と
ネックストラップ付カードホルダーが送られてきました。

現物を手に取ると、
ほんとに当たったんだなぁと実感。
当たり物には縁が無いので、
なんだか不思議な気分です。
だってラテを2本買っただけなのですから。

不調とはいえ、
いいこともあるのでした。
これから上向きになっていくと信じたいところです。

2010年6月4日金曜日

健康診断でありました

本日は健康診断でありました。

気になる体重は・・・むむむ。
「どーしよ」と嘆いていると、
「悩むとかえってストレス太りになるよ」と
優しい言葉をかけてくれる人がいました。
ありがたい。
なんて言ってるとさらに油断するので、
明日からエスカレーターを止めて階段を昇るぞ!
と心に誓いを。

血圧は低め安定、
視力は少しずつ下がっていますが、
致命的ではなさそう。
後は血液検査の結果待ちです。

小学校の時のように歯科検診が無いのが、
良いのか悪いのか。
痛くなる前に発見してほしいのです。
定期的に通える優しい歯医者さんを見つけねば。

2010年6月3日木曜日

もう少し時間がゆっくり流れてくれたら

もう2~3週間も低空飛行が続いています。
体は動いているので、仕事には支障が無い程度ではあるのですが、
灰色のもくもく雲からなかなか抜け出せません。
読書もはかどらず、ミルハウザーも棚上げ。
こんなに気候のいい時期に何故でしょうか。。。

体調の具合について、
このようにときどきぼやいておりますが、
お読みいただいている方には、
よくわからないかと思います。
申し訳ありません。
この体調不良とは二人三脚で付き合っていくしかないのです。

決定的な打開策はないかと、手探りをしたりして、
かえって迷ったり、悩んだり、結局腹をくくったり。
こんな自分と付き合うのも自分の人生なのだと思ったり。

もう少し時間がゆっくり流れてくれたらと、
よく思います。
体が老いていくのに、心がついていかないのでした。

2010年6月2日水曜日

ここだけの話

組織の中にいると、
人の異動や入退職に出会うことが度々あります。

2,3ヶ月に一度は長く勤められた人たちの退職や、
定年を迎えられた方、
親しくさせてもらっている方が異動されたりと、
人の動きがあります。

4月には大きな組織変更もあったし、
考えてみれば同じ編成のまま動きが無いなんてことは、
ないのでした。
組織というか、会社というのは、
そうやって新陳代謝をしているのですね。
内心はそれでほんとにリスクが減り、利益が上がっているのか、
疑っているのですが、大きな声では言えません。
ここだけの話です。

それにしても、
親しく挨拶をさせていただいていた方々と
会えなくなってしまうのは、寂しいですね。

2010年6月1日火曜日

“カティアが歩いた道”

須賀敦子さんの「ヴェネツィアの宿」に納められた一章、
“カティアが歩いた道”。

須賀さんが20代でパリに留学していたときのこと、
寮の同じ部屋で少しの間一緒に過ごしたカティアさんとのことが
書かれています。

厳しいフランスでの勉学、現実と理想との狭間におかれた須賀さんを、
理解し、見守ってくれたカティアさん。
カティアさんも同じように自分の歩く道を模索していたのでした。

ここでは数十年後の二人の再会が描かれます。
美しい桜を背景に変わらない互いの姿が絵のように映ります。

※※※

自分のやることを決めて進んでいるつもりでも、
毎日のように悩みます。
読書一つ、進めない日々が続いたりすることもあります。
煮詰まったり、落ち込んでしまったりしたら、
この“カティアの歩いた道”を読むのです。
須賀さんのおだやかな語りの中に、
須賀さんやカティアさんが迷いながらも、
信念をもって歩んでいた姿をみることができます。
これが原点だといつも思わされます。

2010年5月31日月曜日

ランサム・サーガ

今月も「ちくま」「図書」「波」の3誌に目を通しておりました。
いずれも独自の特徴があり、これらが揃わないとバランスが悪いのです。
すべての文章に目を通しているわけではありません。
興味のあるところと新刊案内だけです。

注目はアーサー・ランサムのシリーズが
岩波少年文庫に入るということ!

単行本の良さも大切ですが、
気楽に文庫で読めるのは、
もう贅沢そのものです。

あのシリーズは夏休みの話が中心なので、
夏に読むのがぴったりだと、
今から心待ちにしています。

2010年5月30日日曜日

本屋さんにごぶさた

もう一ヶ月近くも本屋さんに行っていません。
これは最長記録かもしれません。
学生時代から一日一回は覘くのが習慣だったので、
近くに本屋さんが無いという生活に最初のうちは戸惑いました。
そのうち“どかん”と衝動がくるかもしれません。

少しばかり前の本に挟み込んであった出版社の広告をみていると、
またうずうずしてきます。

W.G.ゼーバルト「アウステルリッツ」白水社
アナトール・フランス「舞姫タイス」白水uブックス
ローリー・スチュワート「戦禍のアフガニスタンを犬と歩く」白水社

一社だけでも出てくる、出てくる。

早川書房の「これから正義の話をしよう」マイケル・サンデルも気になっています。
ハーヴァード大学の人気講座で、
TVでも話題になっているようです。

阪急コミュニケーションズの「ジダン」の伝記も
堀江敏幸さんが解説をされているそうで、
ジダンのプレイが好きだったし、ダブルで気になっています。

最近は日本の小説をほとんど読まないのですが、
一応チェックはしています。
今は学者としても翻訳家としても活躍されている小野正嗣さんに注目しています。

とはいうものの、今年に入ってから読書のペースががくんと落ちています。
時間のかかる本を読んでいるということもあるし、
切り替えがなかなかできないという頭の問題もあるし、
読書にぴったりの時間がなかなか取れないという現実問題もあります。
テンポよく進めていかないと、さらに手に取りづらくなってしまいますから、
積極的に読んでいかなくては、と少々焦っています。

2010年5月29日土曜日

くるみの木

奈良で25年も続くカフェ“くるみの木”へ
晩ごはんを食べに行ってきました。

ランチはいつも行列で、
1時間待ちは普通という人気のお店。
緑に包まれた敷地内には、
カフェ以外に雑貨のお店と衣類のお店があります。

晩ごはんはそんなに待つこともなく、
しばらく雑貨を手に取ったりしていました。
気になるお茶碗にちょっとくらっときましたが、セーフ。
ホウロウの大きな洗面器も深めがいい感じでしたが、
すぐには必要ないので、眺めるだけに。
奈良産のはちみつも美味しそうだったし、
スライスした干しりんごにもそそられました。
いずれも、また次回ということに。

肝心の晩ごはんは、
季節の豆ごはんに、蒟蒻と牛蒡のきんぴら、きゅうりの甘酢に、
白髪葱がたっぷりのったカレー風味の鳥のから揚げ、
なすの揚げ物、ベビーリーフとさっぱりと仕上げられたポテトサラダ。
揚げ麩のお味噌汁は定番の麦味噌仕立てでした。
バランスよく、素材の風味を生かした手作り感の漂うごはんに満足。
のはずが、近くで男子トリオが頼んでいたパフェが美味しそう!
と、干果と寒天の黒蜜パフェをいただいてしまいました。
とっても美味しかったです。
パフェなんて、何年ぶりだろう。

外へ出ると西の空にうっすら夕焼けが残っていて、
風も心地よく、奈良のゆったりした宵を楽しんだのでした。

2010年5月28日金曜日

アトスをマシューが演じる!

デュマの名作「三銃士」は何度も映画化されていますが、
またまたハリウッドで製作される模様です。

「三銃士」は子供のころから大好きで、
成人してからも「ダルダニャン物語」20巻をしっかり通読したものです。

映画の方はやはり小説にはかなわないと思っていまして、
今回もなんとなくニュースに目を通していたのですが、
あのアトス役をマシュー・マクファディンが演じるらしく、
大興奮!
他のキャストも豪華版。
監督は「バイオハザード」シリーズのW.S.アンダーソン。
ミレディ役に奥様のミラ・ジョボビッチだそうです。

これとは別にも「三銃士」映画化企画があるらしく、
いったいなんでしょうかね。
日本では人形劇の「新・三銃士」が人気だそうですし。

マシュー・マクファディンはイギリスの俳優で、
「プライドと偏見」でダーシー役を見事に演じていました。
憂いのある目で情感を表現できる人と思いました。
もともとダーシーが好きなタイプなので、
なおさらうっとりとしていたのです。

劇化されたといって、原作の優劣が決まるわけでなし、
そんなに騒ぐことはないのですが、
アトスファンとしてはマシューの参加で、
どきどき、わくわくなのでした。

2010年5月27日木曜日

フレッシュな香りでリラックス

夏が近づいてくると瑞々しい香りのするものが恋しくなります。
レモングラスのような爽やかなものが、夏らしい。

職場で使うハンドクリームは無臭のものにしていましたが、
ちょっと奮発してボトルもお洒落なハンドローションを
選んでみました。
ロクシタンのヴァーベナの香りのものです。

とても清清しい香りです。
さらりとしていて仕事に支障もありません。
よい香りが漂うと気持ちもふんわりリラックス。
これはやみつきになりそうです。

2010年5月26日水曜日

今日からミルハウザー

手持ちの在庫と気分を計った上で決めました。
これからスティーヴン・ミルハウザーの「エドウィン・マルハウス」を
読むことにします。
1972年に発表された作品です。
帯には“十一歳で死んだ天才少年作家の克明な伝記、
    しかも書いたのは同い年の親友!
    意表をつく設定で書かれる濃密な子供の宇宙。”
とあります。
ミルハウザーの作品で不思議でないものは無い。
今回も独特の不思議な世界が覗けそうです。

以前、偶然に「バーナム博物館」を手に取り、読んでから、
ミルハウザーはとっておきの作家の一人になりました。
短編も長編もどれをとっても満足できる作品ばかりです。
ですので、これから少しずつお話していきたいと思います。

2010年5月25日火曜日

チャーミングなマチュー・アマルリック

今年のカンヌ映画祭は色々と社会的問題を孕みながらも
滞ることなく終了したようですね。
パルムドールの「ブンミおじさん」も、
グランプリの「Of Gods And Men」も、
とても興味をひく内容のようです。
監督賞にはマチュー・アマルリックが選ばれたそうです。
「On Tour」という作品だそうですが、
ぜひ観てみたいものです。

「キングス&クイーン」はアルノー・デプレシャンの作品で、
ここで初めて彼を観ました。
とってもチャーミングで素敵な男性を演じていて、
惚れ惚れしました。
「潜水服は蝶の夢を見る」はヒットしたのでご覧になられた方も
多いと思われます。
こちらも素晴らしい演技力で、すっかり魅了されました。
味わいのある、心に届く演技を自然体で演じる俳優です。

おまけに、
あの素敵なジャンヌ・バリバールは前の奥さんなのですね。
素敵な人には素敵な人が集まってくるのでした。

2010年5月24日月曜日

小説が読みたくなってきた

ここのところ小説を読んでいません。
なんだか活字エネルギーが足りない気分。
長編で読み応えのありそなセンスのいい小説を求めています。

こういう時に手当たり次第に勘で選んで、
失敗すること数多し。
バルザックやゾラの全集から
“大丈夫だろう”と勢いだけで取り上げて
読みこなせなかったこともあります。
じっくり選ばなくてはいけません。

まずは手元にある本を調べてみましょう。
ミルハウザーが一冊残っていたと思うのですが。
意外と小説のストックがありません。
それとも、再読予定のジェイムズの「貴婦人」か。
むむむ、悩んでいるうちに5月も過ぎてゆく・・・

2010年5月23日日曜日

雨の日の「FIGARO」

今月の「FIGARO JAPON」は占い特集。
なにか気分の明るくなるようなことが書いてはいないかと、
ページを繰りました。

星占いのほうは、あまりピンとこない内容。
いつもは既に起きたことが占われていることが多く、
そういうことだったのか、なんて思ったりするのですが、
今回はなんかずれている感じがしました。
信じられん。

つまらないので、もう一つの占星術にトライ。
こちらは“月の神秘が導く、いまの自分とこれからの自分”。
将来の自分がうかがえるのですが、
しばらくは低迷期のようです。
ほんまか?

占いはあくまで占いです。
いいきっかけになるようなキーワードは見当たりませんでした。

それより第2特集の「パリと女とおしゃれの話」は、
マリオン・コティヤールやセシル・カッセル、
メラニー・ロラン、イザベル・ユペールたちのインタビューや
その生き方の分析、ライフ・スタイルのレポートなど、
読んでいてとても楽しかったです。

おまけに、大好きな映画監督アルノー・デプレシャンの美女談義があって、
なんだか嬉しかった。
フランスの女性は実に美しい、trés belles!

2010年5月22日土曜日

リラクゼーション

書類を持っていつもの仕事を終え、
警察などという滅多に関わりのないところで用件を済ませ、
お気に入りの某百貨店で必要な買い物をした後、
ちょっとお知り合いのところへ顔を出しました。
そうです、Barです。

まだ外は明るくて、早めの時間というのに、
すでにお客さんはちらほら入っています。
一杯だけね、と掛けさせてもらいます。

ラフロイグのシェリー樽仕込を選びます。
いきなりこんな強いの大丈夫?
甘くチョコレートのような香りを吸込みながら、
少しずつ舐めておりました。

マスターとの会話はプロ野球の話題で盛り上がります。
情報通のマスターから主に阪神の面白いポイントを仕込みます。
これで偽阪神ファンのできあがり。
視点の違う見方や話はとても刺激的ですね。
データ一つでもちょっと掘り下げてみるととっても面白い。

美味しいウィスキーと楽しいお喋りで、
気持ちもすっかりほぐれました。
たまにはいつもと違ったリラクゼーションもいいものですね。

2010年5月21日金曜日

ポプラ文庫のアルセーヌ・ルパン

本屋さんで文庫の辺りを歩いていると、
懐かしい表紙に出会いました。
ポプラ社の「怪盗ルパン全集」です。
「奇岩城」や「8・1・3の謎」や「怪盗対名探偵」が並んでいます。
昔々、小学生の時にせっせと読みました。
あきれたことに、中身はほとんど覚えていないです。

同じくポプラ社の江戸川乱歩も読んだ記憶があります。
これもほとんど覚えていません。
漫画を読むような感覚で、
読み流していたのでしょう。
楽しかったら、それでよかったのでした。

その当時の表紙を再現しているのは、
このような大人になって“懐かしい!”という人を
狙っているのでしょうね。
モーリス・ルブラン、今になって読んでみたら、
どんな風に感じるでしょうか。

2010年5月20日木曜日

トーンダウン

日曜日の夜からトーンダウンしています。
頭が動きません。
折れ線グラフがまっすぐ水平に走っている、
今の頭の中はそんな感じです。
機械的に動くようにしているので、
身体は動いています。
口もぺらぺらしています。
でもよく考えて行動していないので、
どこかで落とし穴があるかもしれません。
ここから抜け出すには、
お薬と休息なのですが、
どちらも過不足の無い状態にしているつもりなので、
これ以上どうすればよいのでしょう・・・
カンペキにダウンしてしまう前に、
手を打ちたいところです。
まずは早寝早起きしましょう。

2010年5月19日水曜日

作業が一段落しました

長々と(だらだらと)進めていた作業の第一段階が終了しました。
作業というのは、ユルスナールの年譜の作成です。
作成といっても、岩崎力さんがまとめられたものを写すだけなのでした。
読むだけでなく、わざわざ写そうと思ったのは、
流れに沿って辿るだけに終わらずに、
ユルスナールがいつごろ、いくつのときに、どういう仕事をしたり、
旅行をしていたりしていたのか、把握してみたかったからなのでした。
作業はexcelにまとめてみました。
後で加工がしやすいかと考えたのですが、
現時点では、これ以上さわりようがありません。

ユルスナールの劇的な人生を辿ってみると、
ますます伝記が読みたくなってきます。
彼女は常人ではありません。
偉人、異人と両方です。

ひととおりユルスナールの人生に目を通してみて、
さて次はどうしようかと。
きっかけになった「とどめの一撃」を読みほぐすことでしょうか。
ユルスナール・セレクション3の堀江敏幸さんの解説
“「避けがたい歪曲」のかたち”を読んでみると、
読みの方向性に誤りは無いようだし、
このまま納得のいくところまで掘り下げてみるのも
面白いのではないかと思っています。

それにしても堀江さんはさすが、研究者で作家であります。
解説に解説が必要なくらい難しい~。
堀江さんのように、自分の言葉で語ることはできなくても、
自分なりの読みができるようになりたいです。

2010年5月18日火曜日

アイスクリームは

「冷やっこいものは口が凍える」
いただいたアイスクリームを口に含みながら考えていました。

ちょっととろけて甘みを感じられると大丈夫なのですが、
冷たいものはちょっと苦手です。

だからデザートでシャーベットやアイスクリームが出されても、
あまり嬉しくない。
飲み物も冷え冷えはちょっと無理。

冷たいクリームたっぷりのケーキは大好きなのですけども。
勝手なものだと思います。

2010年5月17日月曜日

観に行きたい“中山岩太”の展覧会

今、兵庫県立美術館で中山岩太展が催されています。
芦屋市立美術博物館でも芦屋カメラクラブ展が同時に開催中。

中山岩太は大正生まれの写真家で、
東京美術学校卒業後、欧米に渡り、最先端の美術運動を体験。
帰国後は芦屋を拠点として「芦屋カメラクラブ」を創設。
日本の写真史に残る先鋭的な作品を世に送り出した人です。

中山岩太の写真はとても美しい。
美的感覚に優れた人だと感じます。
詳しいことは何も知らないし、
作品も数多くは観たことがありません。

いいチャンスなので、とっても観に行きたい。
と思いつつ、スケジュール的に厳しいところなので、
悩んでいます。

2010年5月16日日曜日

野菜畑のパスタのはずが

今夜はお炊事当番だったので、
野菜たっぷりのパスタにしようと、
以前お店で食べた味を再現することにしました。

かぼちゃ、なす、にんじん、ズッキーニ、アスパラを
サイコロ状にカットして、
オリーブオイルとガーリックを下味に、
ラタトィユの要領で煮込みます。

パスタを湯がいて、
豚バラの薄くカットしたものを、
オリーブオイルと少しのバターでソテーして、
煮込んだ野菜と合わせ、
パスタを絡める・・・

イメージは悪くないのでしょうが、
野菜の処理を間違えたようです。
煮込みすぎました。
もう少しあっさりと煮て、
風味を残すべきでした。

これなら、ラタトィユの横に
アーリオオーリオを添えたほうが良かった。

挽回するチャンスが欲しいです。
ぐやじい。

2010年5月15日土曜日

いい天気ですね

なんと爽やかな天気。
仕事をほっぽりだして、ふらふら遊びに行きたいです。
そう、土曜日は、お・し・ご・と。
こんないい天気で、静かだと、
うたたねしてしまいそうです。
いかん、いかん。

昨日読み終えたつもりの“『イリアス』あるいは力の詩篇”が
気になって仕方がありません。
せめてもう少し突っ込んで理解したいです。
ホメロスを読むこととは別として、
あのページに書かれていることに関しては。
それが『イリアス』に繋がるのは嬉しいことですが。

それにしても、再読必要な本が多いなぁ。

2010年5月14日金曜日

「ギリシアの泉」①

「ギリシアの泉」 シモーヌ・ヴェイユ著 冨原眞弓訳 みすずライブラリー

冒頭におかれている“『イリアスあるいは力の詩篇』”を読了。
ホメロスの『イリアス』を題材に、その核となっている“力”が
どのように描かれ、またどのように読むことができるか、
丹念に考察されている。

叙事詩という形式から、ある種のメッセージとも読むことができる。

その“力”はどのように生まれ、働くのか、
そののち、このメッセージはどう読まれていったか。
『福音書』や後世の戯曲などにも目を配り、
人間の魂のあり方を問う。

哲学、思想の書物は、とかく著者の思考レベルで書かれているので、
こんな凡人には、とてもするするとは読めません。
いったりきたりしながら、『イリアス』とはこういうお話か、
“力”とはこのように影響力を持つものなのか、と
動揺させられることばかりでした。

初めて読んだシモーヌ・ヴェイユ。
シモーヌは常に熱い思いを込めて書いていたことが、
察せられます。

2010年5月13日木曜日

「夢の貨幣」

「夢の貨幣」 マルグリット・ユルスナール著 若林真訳 白水社

しばらく前にこの「夢の貨幣」を読んだことにしているけれど、
実はあまりよく内容をわかっていないところがあるのです。
まず、何が言いたいのかよくわからないのです。
数々のエピソードに翻弄されて読み進めるうちに、
暗殺未遂事件が起こり、すぅっと幕が閉じられてしまったような
感じがしています。
ゆっくりとは読んだものの、物語を頭の中で把握できていない。
失敗読書です。
文章の豊穣さや、視点の鋭さなど、アイロニカルな部分も
全てユルスナールのものなのに、なんだか惜しい気がします。

そのうちに読み直して整理しようと思いながら、
時間だけが経っています。
こういうときは、熟すまで待つしかないのです。

再度読むことがあるでしょう。
そのときにはどのように感じるでしょう。
ちゃんと読めるかしら?

2010年5月12日水曜日

欲しくて読みたい本

「ヴァレリー」清水徹著を読んでから、
自然とヴァレリーの本が読んでみたくなりました。
そのなかでも気になる「レオナルド・ダ・ヴィンチの方法」。
これが店頭で見つからない。
こうなると意地になってきます。
岩波文庫の小さな本だし、絶対手に入れるぞ。

それから書評でもっぱら評判の野崎歓さんの「ネルヴァル」。
たしかネルヴァルは野崎さんの専門だったと思います。
あの野崎さんの明朗で要点をするどく突いた文章が読めることも、
充実した読書になるのではないでしょうか。
ううむ、関心高し。

若手の書き手として次々と作品を発表している青山七恵さんも
しばらく前から気になっています。
最近の小説は読めないタイプの作品が多く、
遠慮させてもらっているのですが、
青山さんは読めそうな気がします。
文庫から着手してみようかな。

月末には中井久夫さんの「私の日本語雑記」が出ます。
中井さんの本はとても全てを読むことは困難ですが、
題材によって可能であれば、読んでおきたいものです。

あとノンフィクションで気になる本もいくつか。
以前にも書いた「ブルー・セーター」、
アフガニスタンの旅の手記、
同じくアフガニスタンで医療活動をされている中村哲さんの本、
サッカー界のスター「ジダン」の伝記。

これらを全て手に入れたとしても、
読むことはできません。
取捨選択しなくてはなりません。つらいです。

2010年5月11日火曜日

「ひとりの午後に」

「ひとりの午後に」 上野千鶴子著 NHK出版

上野さんの仕事については、
ほんの一部の著書と新聞などで読む記事などから、
知ることがありましたが、
表面的にでしかありません。
いつも、これだけの仕事を成す人はいったいどういう人なのだろうと
思っていました。

過去にも2冊エッセイ「ミッドナイトコール」「うわの空」を発表されています。
そのときにも感じたのは、
上野さんという方は、とても繊細な感覚をお持ちだということ。
このたびも、同じように思われました。

一世代上の女性が、
フェミニストとしてどのように生きているかということを、
一人の女性の感覚を通して知ることとなりました。

同じ“おひとりさま”を生きる女性としての立場、考え方に、
社会学の視点から刺激的な意見が述べられていることも、
わが意を得たりと嬉しい部分もあります。

現在は老後の生き方について研究されているので、
ますます活躍の場が広がっておられるでしょう。
今後も目が離すことのできない稀有な方です。

2010年5月10日月曜日

薔薇の季節

あちらこちらで薔薇が咲き出しました。
色も形も華やかですね。
香りも素晴らしいです。

薔薇の種類はとても多いので、
とても覚えることはできませんが、
好きなことがはっきりしているのは、
オールドローズの種類です。
あの重たげな丸みと厚みをもたせている花弁、
優しげな色合い、
花が身を寄せ合うように咲き誇っている様子、
ふくよかな香り、
なんとも言えません。
育てる機会があるとしたら、
オールドローズを選ぶでしょう。

蔓薔薇もとても好き。
“ツルバラ”という言葉の響きもまた好きです。

そういえば、あの一重の薔薇も好ましい。
たくさん種類があるのですから、
まだまだ好きなものがありそうです。

花の香りの中でも、
薔薇が一番好き。
深い眠りの中で、豊かな夢をみているような気がします。

2010年5月9日日曜日

5月第2日曜日

5月の第2日曜日は母の日ですね。
皆さん知恵を絞って、感謝の気持ちを伝えられているのだと思います。

毎年、何が母を喜ばせるものかと悩みます。
母が最も望んでいることを知ったとしても、
それを叶えてあげることはきっと難しい。
ので、手近なところで納めてしまいます。

今年はこじんまりとした絵画の展覧会を観に出かけ、
美味しいと評判のケーキ屋さんでお茶をして、
焼き菓子が人気のお店を訪ね、
ちょっとばかし百貨店を覗き、とささやかなお出かけをしました。
贈り物には、自分が愛用している手鏡を選びました。
ポール&ジョーのもので、明るく映る“気分は美人鏡”です。

弟は腕をふるって、美味しい食事を用意してくれました。

流れる日々の中のひとこまです。

2010年5月8日土曜日

散髪

今日は月に一度の“散髪”の日。
気持ちよくしてもらって、うふふです。

子供のときは散髪屋さんに行っていました。
いつの頃からか、美容室に行くようになりましたが、
いまだに“カット”に行くとなかなか言えません。
つい“散髪”と口にしてしまい、
よく笑われてしまいます。

自分の意思で髪型を決めるようになって以来、
ボブを基本にロングにしたり、
ショートにしたり、また伸ばしてパーマを当てたり、と
気分で変えてきましたが、
ここ数年は短めのショートに落ち着いています。
なので、毎月の“散髪”が欠かせないのです。

今通っている美容室のKさんは、
髪質や好みを熟知してくださっているので、
いつも気持ちよく仕上げてくださいます。

とても優しいKさんですが、
“散髪”には苦笑されているのではないでしょうか。

2010年5月7日金曜日

緑したたる季節

新緑が綺麗ですね。

この間まで裸ん坊だった木々が若葉をつけ出して、
色彩が深く感じられます。

遠目に見る山は、
黄緑が深い緑に浮かび上がるように映えて、
生命力が湧いてくるようです。

この季節になると、
ようやく一年が稼動し始めたように思えるのです。
まったく、冬の間は冬眠状態です。

緑が目にしみるといいますが、
瑞々しさが本当にしみているのかもしれません。

2010年5月6日木曜日

夜の作業

年初からポツポツと続けている“作業”。
第一段階が終了できたらお披露目しようと思っているのに、
なかなか進まない。
今のところ第一段階の4分の3というあたりか。

なぜだか、夜になると集中力が増すという夜型人間。
辺りが暗くなり、静まってくると、落ち着いてきて、
読み物をしたり、机上での用事をしたりしています。

かかりつけのお医者さんに、夜型を注意されているので、
朝型に切り替えようと、ここ数年努力しているのですが、
深夜におよぶことはなくても、やはり夜が落ち着きます。

朝に考え事をするのは、
ちょっと無理。
ぼぉっとしています。

夜の短い限られた時間ではありますが、
せっせと作業に励むことにします。

2010年5月5日水曜日

読み始めた本たち

GWでゆっくり休めたせいか、
ようやく読み始めることができました。
頭にすうっと入ってくるので、
楽に読めるような気がします。

先日買ったばかりの、
「ひとりの午後に」 上野千鶴子著
上野先生のエッセイです。
学問の本よりは柔らかく、
エッセイとしては固めの、
上野先生の本としては読みやすくて、
エッセンスが味わえる本です。

「ギリシアの泉」 シモーヌ・ヴェイユ著
深い意味を持った文章が連なっているので、
そう簡単には進みません。
これを読み上げるには半年くらいかかりそうです。
あきらめずに読んでゆきたいです。

「考える人」 新潮社
“はじめて読む聖書”という特集です。
聖書というより、キリスト教と信仰に関心があるのですが、
道に迷ってばかり。
さまよえる羊に光を!
登場されている方々の話を読んでいると、
ますます混迷してきそうです。
むむむ。

以上3冊ですが、
これらに目を通していると、
天からある言葉が降ってきました。
もしかして、自分にとっては、この言葉が重要かもしれない。
考える時間が欲しいですが、
しばらく寝かして、
熟すまで待ちましょう。

2010年5月4日火曜日

「ヴァレリー 知性と感性の相剋」

「ヴァレリー 知性と感性の相剋」 清水徹著 岩波新書

<知性のひと>として知られるヴァレリーの人生を、
<感性のひと>という側面から辿り直した内容です。

ヴァレリーの作品を読んだことが無く、
その人生についてもほとんど知らずに読んでいると、
<感性のひと>という側面から見直すという意味が、
あまり伝わらないような気がします。

かといって、「ムッシュー・テスト」などをめくってみて、
“読んでみてもきっと何が言いたいのか分からない”
そんな感じがしていたので、この本を読んでみたのですが、
もう一歩というところで踏み込めない、
そんな中途半端な状態です。

ここまで来たので、
同じく清水徹さんの「ヴァレリーの肖像」を読んでみて、
もう少しヴァレリーについて、作品について知識を整えてから、
「ムッシュー・テスト」に進みたいと思います。

理解できるかどうかは別として、
ヴァレリーについてもう少し知りたいのと、
どういった意味で書かれた作品群が、
どういう位置づけにあるのか触れておきたいのです。

2010年5月3日月曜日

「ベルサイユの子」

「ベルサイユの子」のDVDを観ました。
監督はピエール・ショレール、
主演はギョーム・ドパルデュー。

23歳の母親ニーナは5歳の息子エンゾと
パリでホームレスをしていたが、保護され、
ベルサイユの施設に収容されたのち、
宮殿近くの森で道に迷う。
そこで、森の小屋で世捨て人のように暮らすダミアンと出会う。
翌朝、ダミアンの手元にエンゾを託し、
ニーナは姿を消していた。
ダミアンは幼いエンゾの世話をし、一緒に暮らしていくうちに、
息子のような愛着を感じるようになる・・・

※上記の説明は「ふらんす」の中条志穂さんの文章から、
 抜書きさせていただきました。

内容を推察してみて、もしかして本当にあっても不思議ではないと
思います。
それだけに、ニーナもエンゾもダミアンも演技ではなく、
自然とそう振舞っていたようにも感じられるのです。
エンゾの瞳を覗き込む大人たちの慈愛に満ちた眼差しが、
その時々に胸を打ちます。

5歳というエンゾを演じる子役に参ってしまう人も
多いのではないでしょうか。

個人的には、
ダミアンを演じるギョームに改めて心が惹かれました。
以前から関心のある俳優だったのですが、しばらく前に、
先年37歳という若さで急逝したことを知ったときには、
絶句しました。
なんと惜しいことと。

この映画では、ダミアンは天使のような役割を果たします。
その生き方がまた心を打つのでした。

2010年5月2日日曜日

鷹勇

鷹勇の純米吟醸と山廃仕込で宴会でした。
コクがあって、力強く、後味にキレのある美味しいお酒でした。
メニューもお酒に合うものばかり揃って、
よく食べ、よく飲みました。
圧巻は滋賀県マキノ町で購入したという鮒寿司。
麹がまるでチーズのような香りで、味も絶品。
うっとりといい気分であります。

今日もいいお天気で冬物の洗濯もはかどって、
用事がいろいろと片付きました。

読書はお休み。
「ちくま」を読んだり、本の整理を少ししたり。
明日は読み終えた本の振り返りをしたいと思います。

2010年5月1日土曜日

五月晴れ

今日から5月。
いいお天気でした。
人ごみも少なく、気持ちよく出勤し、
仕事に精を出しました。
日ごろはあまりできない、単調で、
頭をほとんど使わない作業ばかりですが、
山のような書類を机に積み上げて整理し、
ほっとしました。
でも、まだまだあるよ、やることが。
休み明けには仕切りなおして、がんばろ。

というわけで、
明日から本格的に休みに入ります。
のんびり、ゆったり、ごろごろいたします。

2010年4月30日金曜日

本日は営業

今日はお仕事。
とても忙しかったです。
明日もお仕事。
じっくりと取り組めますように。

長い休みの間に観ようと思い、
DVDを借りてきました。
うふうふ、楽しみ。
CDも借りました。
でもi-tunesが無いのでした。
MDを買わなくちゃ。

2010年4月29日木曜日

今日の収穫

長い間ほったらかしだったファイルBOX。
大半はわかりきった書類が中心でたいしたことはないのですが、
中に一つ、本とアート関係の個人的に最も重要なファイルがあります。

気になる人物や本、作品に関する切り抜きが
ざくざく入っていて、
思いがけないものも出てきたりします。
これらを掘り出すのが嬉しい時間。

今日はすっかり記憶のどこか隠れていたものを発見しました。

岩崎力さんによるユルスナールに関する思い出。
“敬虔な思い出たち、マルグリット・ユルスナール”
「ふらんす」に12回にわたって連載されたものです。

貴重な資料です。
何時の連載だったのか、すっかり忘れていました。
目を通してみると、読んだ記憶がありません。
きっといつか必要になるだろうと、思ってとっておいたのでしょう。
よかった、今日からこれは宝物です。

2010年4月28日水曜日

一足お先にGW

今日から嬉しいゴールデン・ウィーク!
間に3日間出社しますが、
後はゆっくりさせていただきます。

お天気も続くようで、
気分も明るく、気持ちがよいですね。

お仕事の人は人出が多くて大変でしょう。

この休みの間には、
読みかけの「ヴァレリー」を読了すること、
聖書の特集の「考える人」を少しずつ読むこと、
読み終えた「夢の貨幣」の振り返りをすること、
楽しく進めている“作業”を続けること、
何年もほったらかしにしている資料のファイルを整理すること、
本棚の整理をさらに思い切ってすること、
丁寧に掃除すること、
母の日のためのお出かけもあるし、
やりたいこと満載です。

フランスみたいに2週間のヴァカンスが
あるといいのにな。
何にも考えずに、何もしない・・・
頭と体のリフレッシュが大切だと思います。

2010年4月27日火曜日

しびしび

外に出てみて、霧雨が降っていたら、何と言いますか?

「雨がしょぼしょぼ降ってるよ」
「さらさらと雨が降っているよ」

あっさりと、
「霧雨だよ」

なんて思っていたのですが、
今日は思いがけない言葉を聞きました。

「雨が降ってるで」
「しびしびか?」

なんだ?その“しびしび”は?

奈良弁で霧雨のことだそうです。
アクセントは頭の“し”には付きません。
次の“し”にきます。

“しびしび”、なんだか風情があるなぁ。

2010年4月26日月曜日

奈良をくねくね

奈良県北部を西から東へ。
くねくねと車に乗りました。

広い道路を通れば、
郊外によく見られる大型スーパー、大型ドラッグストア、
広い駐車場のあるラーメン屋さんに、本屋さん等々。

新緑の美しい矢田丘陵を抜け、
広々とした河原沿いをぐんぐんと飛ばします。

法隆寺の参道前を確認。

しばらくすると、
大きな工場が立ち並ぶ町へ。

そこを抜けると、
またまた川沿いになり、
今度は大きな畑が広がっています。
際には若葉が伸びてきたイチヂクの木がまばらに。

細い道には、
古びた商店や、昔ながらのお屋敷や蔵があったりして、
1時間弱の時間ずっときょろきょろとして、
楽しんでいました。

これらは奈良県北部の景色で、
遥か遠くの南へ行くと山ばかりだと聞き、
そのコントラストが可笑しかったです。

奈良の風景を一気に見ることができました。
運転してくださった方にお礼申し上げます。

2010年4月25日日曜日

カモミール

庭のカモミールが咲き出しました。
白くて可愛い。
香りもいい。
陽がよくあたるところでは、
茎が太く、葉も茂っています。
ハーブ類を目にすると、
気持ちが豊かになるような気がします。

カモミールのエッセンシャルオイルの香りも大好きです。
ゆったりしたいとき、
疲れをとって、深い眠りにつきたいときに、
愛用してします。
甘い香りにうっとり。

お茶も自然な飲み口で美味しいですね。
毎日昼食後にいただきます。
銘柄にこだわりはないのですが、
きっともっと美味しいものがあるだろうと、
にらんでいます。

庭に咲いているのはわずかなので、
お茶にできるほどはありません。
風にゆられてさわさわとしている様子を眺めています。

2010年4月24日土曜日

気になる「ブルー・セーター」

本屋さんで、店員さんに調べ物をしてもらっていました。
待っていた場所は“国際社会関係”の本棚の前。

目の前にある「ブルー・セーター」という本が気になりだして、
手にとってみました。

とても読みやすそうなドキュメンタリーのようです。
どこかで聞いたことがあると考えてみたら、
確か読売新聞の書評で目に留まったのでした。

読んでおくべきか、否か。
社会貢献と社会レポートのジャンルは、
大変関心はあるのですが、
力不足と行動力欠如により、
長い距離をおいてしまっています。

今回は購入せずに“考慮”してみることにしました。
帰宅して調べてみると、以下のような紹介がありました。

 “世界が注目する社会起業家、貧困と闘うベンチャーキャピタル「アキュメン・ファンド」CEOの
  渾身の力作。
  世界には40億人もの貧困層の人々がいる―人類が抱える最大の課題ともいうべき
  「貧困」を解消するため、革新的な方法で取り組んでいる女性がいます。 ...”

社会における諸問題、
国際社会以外にも日本国内にも課題は山積しています。
そういう問題にいつの日かアプローチができればと、
夢のように考えています。
夢というだけに、あやふやな、形にならないものです。
それだけに社会人として、基礎知識は必要となるでしょう。
どこから手をつければよいのか、これもまた見えない状態です。
自分の内側と相談して、最も自分に実現可能な路線を決めなくてはならないでしょう。

「ブルー・セーター」を読んで、
少しでも発奮材料とすべきかどうか、悩んでいます。

2010年4月23日金曜日

難題

普天間米軍基地の移設について、
誰もが納得できる解決が見出せない状態です。

高速道路の料金も問題になっています。

個人献金の責任問題もうやむやです。

アイスランドの火山噴火も未だ続いて、
飛行以外の問題も起こりそうです。

地震も各地で続いて発生しています。

タイの政治デモも波乱状態です。

自分のことだけでも、
問題だらけなのに、
世の中はもっと大変だ。

2010年4月22日木曜日

「kikUUiki」でダンス

サカナクション「kikUUiki」で踊っています。

窓ガラスに写った姿はどうみても“タコ踊り”。
運動神経が鈍いのは悲しいけれど、
ついつい身体が動き出すのです。
こんなことって滅多にない。

すっかりサカナクションがお気に入り。
「シンシロ」も聴いてみようと
企んでいます。

藍色の音です。

2010年4月21日水曜日

“JustGiving”

偶然ネットで発見した“JustGiving”。
一体何でしょうか?

HPを調べてみると、
 “JustGivingとは、あなたが主催者となるチャリティ・プロジェクトです。
  まず、あなたが日頃抱いている「何とかしたい」という思いを、
  「チャレンジ」というカタチに変えて、社会に発信してください。
   そのチャレンジに共感した人が、「寄付」というカタチで応援してくれます。
   チャレンジの内容はもちろん、支援先団体も、あなたが選択。”

これだけではわかりにくいですね。
“WEB GOETHE”に元プロ野球選手の古田敦也さんが、
この“JustGiving”に参加して、プロジェクトを立ち上げている様子が
掲載されています。
これを読むと、この活動の概要を知ることができます。

チャレンジャーが何かの目標を立て、
一般から寄付を募ります。
その目標を達成すると、
チャレンジャーが定めた寄付先へ、
一般から集められた寄付金を納める。
という仕組みのようです。

大きな目標を立てている人もいるようですし、
子供ができる小さな目標でもいいようです。
チャレンジャーだけでなく、
一般の人も寄付を通じて社会に貢献することが
できるのですね。

ネットならではの
すごいアイデアだと関心しました。

できることはないかとちょっと考えてみましょう。

2010年4月20日火曜日

「少女の肖像」

昔々、「少女の肖像」という本がありました。
小学校の木造の図書室の隅に、
ひっそりと並べてありました。
確か3巻まであったかと思います。

有名な女の人の少女時代を描いた短い読み物が
集められた内容でした。

読んだのは低学年だったので、
記憶はあいまいとなっていますが、
伝記物の面白さを教えてくれた大切な本です。

当時すでに赤茶けていたので、
ずいぶん古い出版だと思われます。

きっと小さい子が読めるような大きな字で、
とっても短い文章だったのでしょう。
いくつか挿絵もあったはずです。

今もかわらず伝記や自伝を読むのがとても好き。
日経新聞の「私の履歴書」も日々の楽しみです。

それはいつも“真意”を知りたいという欲求から生まれているのでした。

2010年4月19日月曜日

「アルゴールの城にて」

「アルゴールの城にて」 ジュリアン・グラック著 安藤元雄訳 白水uブックス

「シルトの岸辺」でジュリアン・グラックを堪能したので、
続いて読んだのが「アルゴール」。

ブルターニュの森の中、アルゴールに佇む城。
主人公アルベールとその友人エルミニアンと、
連れの美女ハイデ。

ストーリーはさほど重要ではないように思われます。
というのも、ここではアルゴールという場所に魔力が潜み、
登場人物の3人もおよそ人間的ではないのです。

嵐のようにドラマティックで、神秘的ともいえる情景には、
恐れさえ感じます。

意味ありげな表現が連なり、意図的に劇的な描写は、
緊張感を孕み、
小説というより、散文詩かのようです。

以上のような印象を受けて、
この小説が象徴しているものをしばらく考えていました。
3人の人物は逃れることのできない宿命を背負い、
この小説の中に封じ込められている、
そしてこの舞台には森の中のアルゴールこそ相応しい・・・

なんて素人が感想をぶつぶつと述べるより、
訳者によるあとがきを読んでいただくほうがずっといいですね。

この作品でさらに、
ジュリアン・グラックを読んでみたくなりました。
ただ、ヨーロッパについての歴史や文化に関する素養があれば、
もっと味わえるように思います。
課題山積だなぁ。

2010年4月18日日曜日

「シルトの岸辺」

「シルトの岸辺」 ジュリアン・グラック著 安藤元雄訳 ちくま文庫

中世イタリアの都市国家を思わせる共和国オルセンナ。
敵国のファルゲスタンとは海を隔てて、
もう300年も対峙している。

主人公アルドーは僻地シルトの海岸へ、
監察将校として赴任する。

物語はアルドーの視点から、
夢うつつと緊張感の織り交じった
オルセンナと前線であるシルトが
描かれます。

まるで眠っているかのように思える状態なのですが、
少しずつ時間は動いています。
見えないものをその手で確かめようとするうち、
アルドーはその眠っているような見えないものの感触を知り、
オルセンナの行く末を悟ることになります。

この物語の特徴は独特の文体にあるでしょう。
訳者はあとがきでこう述べています。
 “比喩に比喩を重ねて多層的なイマージュを生み出しながら、
  中世的な古めかしさやバロック的な華やかさを併せもち、
  しかも決して読者に馴れ馴れしい態度を許さないだけの
  格調をもつ文体である。”

じわりじわりとこの物語に引き込まれて、
オルセンナとシルトに生きているような気分に
なっていきます。
グラッグが構築する、
なんとも例えようの無い世界。
言葉だけで、未知の世界を作り上げることの凄さ。
小説家としての見事な仕事だと、
ため息をつきました。

2010年4月17日土曜日

がんばれCarp

野球シーズンが始まって、
今までにないほどのCarpの低迷ぶりに、
悲しい思いをしています。

今日は昨日に続いて、
サヨナラ勝ちであります。
それも強敵中日にです。
勝つことはこんなに嬉しいものなのですね。

先発ピッチャー陣が苦しいので、
打撃や走塁、守備で取りこぼしの無いように、
堅実にがんばってほしいのであります。

戦力的に厳しいことは明白です。
首位を走るチームの試合を見ていると、
その意欲、集中力、瞬発力、破壊力が底力としてあるので、
試合運びも見事な展開で、
見ごたえがあります。

秋まで長丁場のシーズンです。
ファンはいつだって応援しています。
モチベーションを維持して、
プロらしい内容の試合を見せてください。

2010年4月16日金曜日

羽山料理店

美味しいものをよばれるのは、
本当に幸せ気分。
先日、大阪市内の大きな公園を
ガラス越しに眺めることのできる
小さなビストロへ出かけました。

まずパテ・ド・カンパーニュ、
これまで食べた中で一番好きなお味。
添えられたピクルスもいいお酢加減。

続いて旬の筍とグリンピースのソテー。
パセリと思われるグリーンソースと、
フレッシュチーズがまろやかに溶け合います。
野菜も歯ざわりとコクが美味しい。

それから太い太いホワイトアスパラガスに
オランデーズソースの組み合わせ。
ふわふわと口当たりがよく
味はしっかりめのソースと、
新鮮なアスパラガス、マリアージュです。

続いてメインの鴨のコンフィ。
パリパリに焼き上げられた表面も味わい深く、
身もしっかりしたお味。
名前を忘れてしまいましたが、
ジャガイモのグラタンが味を引き立てます。

そしてフィニッシュに羊と野菜のシチューを
クスクスにかけていただきます。
スパイシーなシチューは羊の柔らかみと馴染みあい、
クスクスとよく合います。

赤のワインを飲んでいましたが、
食事の美味しさに勢いづいて、
追加してしまいそうになりました。
ぐっと我慢。

どの料理も塩味がきっちりと締めていて、
そして素材の風味が生かされた、
納得の美味しさでした。

お店の気取らない雰囲気も心地よく、
とっても満足したのでした。

お店の名前は“羽山料理店”。
人気のお店のようです。

2010年4月15日木曜日

久しぶりの読書

ここ2週間持ち歩いて、
ようやく「夢の貨幣」を読み始めました。
これがユルスナールの作品で未読だった最後の邦訳作品。
どうして2週間も読んでいなかったのか、
わかりません。

その間には「ムーミン・コミックス№3ムーミン、海へ行く」を
ふむふむと楽しんだり、
「考える人」をチェックしたり、
須賀敦子さんの本をぱらぱら読んだりはしていたのですが、
集中して活字に触れないでいました。
あらあら。

「夢の貨幣」を読み始めると、
ユルスナールの紡ぎだす世界に“とぷん”とはまりました。
しばらく堪能したいと思います。

2010年4月14日水曜日

“Billet”

神戸にあるカフェ&ショップの“トリトンカフェ”が
季刊で出している小さな本が“Billet”です。

とっても薄くて小さいけれど、
内容充実、写真も素敵な冊子です。

よく手に取るのはvol.4、
“メゾン ゴッドナルスキー”をプロデュースしている
ダニエル・ジャジアックさんの特集号。

ジャジアックさんのことを始めて知りましたが、
古いものと手作りのものをミックスさせて、
馴染ませながら新しい感覚のものを
作り上げている人のようです。
一つ一つのことを大切にしながら、
自分でクリエイトする生活を
楽しまれているようにお見受けしました。
クリエイトするものは個人によって異なりますが、
その丁寧な仕事ぶりは、
理想のもの。

“Billet”というのは“切符”の意。
新しいことを知るための切符となりました。

この“Billet”、最近見かけることがないので、
心配です。
今も継続されているのでしょうか。
“Billet”のオンラインショップはありますが、
冊子の方に関心があるのです。

2010年4月13日火曜日

ファイリングが楽しい

4月になって、
仕事も新しいシーズンが始まりました。

この時期の楽しい仕事の一つはファイリング。

今の部署に異動してきて、
一年間は様子をみることにして、
ファイル関係はそのままにしていました。
担当の仕事の棚を覗いてみると、
いろんなファイルが出てきます。

これは、長期保存の紙ファイルに綴じて、
これは、新しいパイプファイルを作って、
こっちは、ファイルを作りなおして、
ええと、どれもタイトルをテプラして、
あっちの棚へ動かして、
こっちの棚を整理して、
いやはや、結構やることがあります。
でも楽しい。

自分の使いやすいようにしているからか、
見た目はあまり変わらない。
詰めが甘いかもしれないです。

2010年4月12日月曜日

「老絵師の行方」のアニメーション

マルグリット・ユルスナールの「老絵師の行方」の
アニメーションを見てみました。

監督はルネ・ラルー
原画はフィリップ・カザ
1987年のショート・フィルムです。

タイトルは「ワン・フォはいかにして助けられたか」
“Comment Wang-Fô fut sauvé”

訳者の多田智満子さんは
この原題を「老絵師の行方」とされたわけで、
本当に素晴らしいセンスですね。

内容は原作に忠実です。
短い作品なので、
とてもシンプルな構成です。

造型は少々SFのように仕上がっています。
中国をそのままに念頭においていると、
少々違和感があります。

もう一つ感じたこと。
文章を追っていく場合は多少の時間を要します。
それに対し視覚と聴覚に置き換えると、
とてもスピーディーになってしまいます。
読むという行為は、
言葉を噛みしめていくうちに、
じわじわと感じ取られるものがありますね。
情景を思い浮かべながら、
彩りを差し加えて、
人物の心情と身体の動きを想像しながら読む醍醐味。
アニメーションだと、
あっという間にコマが回ってしまうのです。
なんだかもったいない、
と思ってしまいました。

お気に入りのお話だけに、
チェックがたくさん入ってしまいます。

「老絵師の行方」は
「東方綺譚」 白水uブックス の冒頭に置かれています。

2010年4月11日日曜日

レトロ・ビル

レトロなビルの一つで、
今も健在な“大阪農林会館”へ行ってきました。

表の重い木の扉を開いて、
一歩中へ入ると、
なんだか懐かしい匂いがします。
ゆったりとした階段を登って、
また扉を開けると、
とても静かで、
侵入者みたいな気分です。

何度も塗り替えてあると思しき白い壁と扉の前を
通り抜け、2階の一番奥の奥へ。
そこに古書店“ベルリンブックス”があります。

3箇所目の扉を開いて中へ。
いろんな紙の入り混じった匂いが立ち込めています。
昭和の頃の本から、最新の文庫、
アート系の本や、最近よくみられるガイド的内容のエッセイなど、
狭い空間に、ぎゅっと詰まっています。
どの本も丁寧に扱われているのがよくわかります。

あいにく、欲しい本は見つからなかったのですが、
素敵な空間を発見できた気分です。
20年くらい前からこの“農林会館”を訪れる機会が
たびたびあるのですが、
うわさの“ベルリンブックス”は初めてでした。

こんな静かな落ち着いた空間で
お仕事できるなんて理想だなぁ・・・
レトロ・ビルはとても好きなところです。

2010年4月10日土曜日

須賀敦子さんを読む日

須賀さんの本はどれをとってもとても好き。
どの本の場合もどのページを開いても
読み始めると引き込まれてしまいます。

きちんと姿勢を正して読むこともあるし、
調べ物のためにパラパラと読むこともあります。

何回も繰り返し読んでいるので、
よくわかったつもりでいますが、
読むたびに発見があります。

そして読むたびに頭をガツンとされます。
読むたびに反省させられ、
読むたびに感動します。

そんな須賀さんの本を読むのは、
迷っている時、
途方にくれている時、
体調がすぐれない時。
ぼやぼやしている状態に、
須賀さんはお薬のように効き目があります。

おだやかに、
しっかりと、
須賀さんの声が響き渡るのです。

2010年4月9日金曜日

下流の場合

先日の新聞で、
思いもかけない記事を読みました。
ある作家がお金の使い方について述べていたのですが、
“浪費”を奨励する向きの内容でした。
“浪費”することによって、
上昇志向のライフスタイルや価値観を育む、
というように読めました。
そして現在の厳しい不況による生活水準の悪化は、
個人の努力が足りないからという発言もありました。

低い生活水準に甘んじている者からしてみると、
上記のような考え方は昭和の遺物です。
多くの会社がぎりぎりの利益を追いかけ、
人件費をぎりぎりまで詰めている現在では、
一人の人間が成す仕事の質も量も違いますし、
手にする給与も福利厚生なども、
バブル以前とは大きく異なります。

単純に“浪費”や“消費”を楽しめるような余裕は無いのです。

社会がそのように変化して行く中で、
政治の面でも経済面でも対応が遅れ、
個人はそのあおりを受けていると思われます。

そういった状況に個人も変化を求められ、
様々な努力が必要となります。
ただ、名門大学卒、資格などのこれまで有力とされたものが
そのまま通用するわけではありません。
常に新しい発想と実力、行動力を求められます。
また、経済的に厳しい状況におかれると、
身動き一つ難しいところがあります。

十分な収入のある人と無い人との格差が大きいだけでなく、
安定した収入を得られない人が想像以上に多いことを
理解する必要があると思われます。

こういった社会や経済の状況については
大きな問題として各所で研究され、
報道されているので、周知のことではあります。
が、あまりの見識の無さと配慮の無い発言に、
あきれ、憤慨してしまったのです。

今はこれまでの常識が覆されている、
新たな局面にあると思っています。

2010年4月8日木曜日

ムーミンのマグカップ

そういえば、というのも可笑しいのですが、
毎日ムーミンのマグカップで珈琲を飲んでいます。

マグカップが急いで必要になり、
あまり考えずに買ったのですが、
使ってみると、とてもいい感じです。
もう当たり前になってしまっていましたが、
じっくり見てみると、
書き物をしながら思案しているムーミンや、
紙を突き破ってくるミイや、
赤面しているムーミンパパ、
タイプをしているスノークの女の子、
黄色の地にみんなが思い思いに集っています。
こちらはARABIAのもの。

もうひとつ、最近になって、
国産のもので四季のシリーズが現れて、
夏の絵柄のものを使っています。
これにはムーミンママもしっかり登場。
ちょっと陶器の質がいまひとつですが、
普段使いにはこちらを愛用しています。

最近になってムーミンに親しむようになったので、
さらに愛着がわきそうです。

昔、スノークの女の子のことを“ノンノン”と
呼んでいたように思います。
TVのときはそうだったのかもしれません。
TVを見た記憶はほとんど無いのですが。

2010年4月7日水曜日

夕暮れの庭

春の宵は空気も澄んでいて気持ちがいいですね。
薄暗くなった庭を眺めていると、
咲き乱れる花たちが色鮮やかに浮かんで、
儚く美しく感じます。

紫色のビオラたち、
水色の勿忘草、
白くたおやかな雪柳、
ピンクの花桃、
いつもの桜と、
花がもう少し大きめの白い桜、
次々咲く花たちは、
季節の移ろいを前向きに届けてくれます。

たっぷりと寝て、
とても満ち足りた気持ちになりました。
多めにしているお薬も、
いつもの量に減らせそうです。
この落ち着いた気分になれば大丈夫。
春は何かと仕事も忙しいですが、
またこつこつとこなしていきたいと思います。

2010年4月6日火曜日

ふわふわさくらの巻

桜(ソメイヨシノ)が満開ですね。

近くに寄って花がみっしりとついている様子を見るのも良し、
ちょっと離れてシルエットの美しさを愛でるも良し、
遠くから雲のように白く浮かび上がる様を見るも良し、
目に入るだけで幸せ気分です。

桜の花がこんなに綺麗だと思えるのは、
じつは大切なことなのです。

ことん、ことんとのんびり走る電車の中から
山裾や丘の上にふんわり、もわもわと白く軽やかな桜の姿。
この季節ならではの景色を見ていると、
不思議とほんわか気分に包まれます。

ふわふわしている感じは綿菓子みたいだなぁ。
そばで見ると花びらが砂糖菓子みたい。
ついお菓子を想像してしまうのは、
やっぱり食いしん坊です。

2010年4月5日月曜日

「とどめ一撃」に出会ってから

「とどめの一撃」 マルグリット・ユルスナール著 岩崎力訳 岩波文庫

当時の手帳を繰ってみると、
1995年に岩波文庫から出版されたこの本を入手してから、
しばらくは寝かしていたようです。
2年も経って1997年11月に読み終えたと記しています。
とても感激して、興奮していたことを覚えています。
確かに滅多にしない書き込みを随所にしてあります。
そして手帳には原書が調べられるように、
フランス語の書名がいくつか並記されています。
翻訳されているもの、未だのものなど、
今ほどネットが普及していない頃ですから、
あとがきから分かることを
せっせと調べていたことを思い出します。

その頃に入手できたユルスナールの本のうち、
「東方綺譚」と「青の物語」を続いて読み、
こちらもすっかりお気に入りとなりました。
中でも「老絵師の行方」と「呪い」がとても好きです。

「ハドリアヌス帝の回想」は難しそうで、
読めないと思い、手を出しませんでした。
また何時かじっくり読める日がくると思ったのです。

※ ※ ※

それから長い間深い眠りのような状態に入りました。
その間もずっと地下水脈のようにこの「とどめの一撃」は、
理想の小説の一つとして沈んでいたのです。

※ ※ ※

ユルスナール・セレクションが出始めて、
再びユルスナールを読むチャンスが訪れました。
まだ未読であった本を少しずつ読んでいる時にも、
常にどこかで「とどめの一撃」を意識していました。

ユルスナールの作品には共通するキーワードがいくつか見られますが、
そのうちの一つに“高貴さ”があります。
「とどめの一撃」はこの“高貴さ”がテーマといってもよいかと
常々考えています。
“高貴さ”が更に昇華して“美”となってゆくのです。

「とどめの一撃」の原型となっている話は
ユルスナールが人から聞いたものだということです。
ここにテーマとなるものを読み取り、
小説に仕立て上げる力を持っていたユルスナールへの関心も高まります。

昨年この「とどめの一撃」の親本である雪華社の単行本に
偶然出会いました。
何度目かとなる再読でも初読の時のように、
心がときめきました。

並行するように「黒の過程」、「目を見開いて」を読み、
人としてのユルスナールの姿も見えてきました。

このブログでも、ふらふらと読書している状態を
ご覧いただいていますが、
迷い、誤り、焦り、戸惑いを繰り返してきています。

納得できるようになるまで、時間がかかりましたが、
そろそろ心を決めるときのようだと感じ始めたました。

これからしばらくの間、
ユルスナールを中心とした読書に勤めたいと思います。
読書に沿った作業も計画中です。
ユルスナールの作品をより深く読み解くために。

ブログをお読みくださっている方々に、
ご協力いただいていることをお礼申し上げます。
この先もどうかご支援ください。
よろしくお願いいたします。

2010年4月4日日曜日

遠いミシェル・フーコー

簡単な哲学入門書を読んでいて
もっとも関心を引いたのがミシェル・フーコーの仕事でした。
その頃は体調もすぐれず、
集中力を全く維持できない状態でしたので、
そのうちに読み始めることができればと
楽観的に考えていました。

それから十年以上が経ち、
手元を確かめてみれば、
フーコーを読むなんてまだまだ出来ません。
人から哲学系の本は若いうちに読んでおいた方がよいと
言われたことがあります。
20代の頃に出会っていれば、
人生も変わっていただろうとも思います。
人間の思考など簡単には変わらないものでしょうが、
入門書を読んだり、伝記を読んだりしてして思うには、
きっと天地がひっくり返るくらい、
物事の見方、思考、発想に刺激を受けそうな予感がしています。

少しずつフーコーの本を手に入れて、
いつ訪れるかわからないその日に備えています。
つい最近は新潮社から「カントの人間学」が出版されました。
「狂気の歴史」の副論文ですから、
これもぜひ揃えておきたい。

そう願いつつも、
不器用で一つのことしかできないものですから、
ユルスナールに本気で取り組むのであれば、
フーコーまで届かないかもしれません。
覚悟して選び取ることが必要なのでしょう。
その日が来るまで、
フーコーは大切においておきましょう。

2010年4月3日土曜日

奈良公園へ遠足に

昨夜は早めに就寝し、本日に備えました。
同行の知人にもご配慮いただいて、
無事、一日を楽しく過ごすことができました。

待ち合わせは近鉄西大寺駅、
最近オープンした駅ナカに、
“豊祝”という日本酒のお店があります。
出会うなり早々、きき酒で乾杯!
三種類の豊祝のお酒はなんとも美味。
お腹にじんわり染み渡ります。
お昼のランチも美味しそうなので、
追加していただきます。

そこから近鉄奈良駅へと向かいます。
奈良公園の桜を見て回ろうと計画したのです。
今日は気温が低く、少々冷たかったですね。
桜は満開、白く、のびのびと咲き誇っていました。
緑の中をとことこと歩き、
まず浮見堂で一休み。
この辺りは人も多く、間を縫ってさらに公園の奥へ。

春日大社の本道を左に折れ、
さらに奥へ坂を登ってゆくと、
“ヒルトップテラス”という結婚式場+レストラン+カフェにたどり着きます。
ここではちょっと背伸びした雰囲気を味わいます。
テラスでまたまた一休みして、次は若草山へ向かいます。

若草山の裾野は工事中で、桜もかなり手を入れてありました。
ですが、山の稜線に沿った桜は見事な咲きぶりです。
またとことこと歩き、春日大社の方へ抜けます。
春日大社では珍しそうにカメラを構える人が多く、
その様子を眺めながら、中央を抜けていきました。
春日大社の正面入り口の右手にある大きな古木の枝垂れ桜が、
たおやかに咲いていました。美しいものです。

そこから公園をまっすぐに歩き、
猿沢池から奈良町へとさらに歩きます。
今日の晩ごはんは“粟”でいただくのです。

古民家を手直ししたそのお店はこじんまりとしていて、
ほんわか和みます。
お食事はというと、
大和野菜がメインの食材としてふんだんに使われ、
ソースなども大変凝ったものでした。
デザートまで美味しくいただき、
二人ともとっても満足。

後で珈琲をいただいて、
近鉄奈良駅へ。
これで今日のコースはおしまいです。
お疲れ様でした。

2010年4月2日金曜日

ご迷惑かけます

そんなに無理をしているわけでもないです。
だのに、頭がメルトダウン、
ぼんやりとしか頭が回らなくて、
かつ痛い。
それにプラス、
右手の甲が腱鞘炎、
またまたぷっくりと腫れて、
イタイタ。

上滑りの思考と行動が、
さらに形だけになってしまっています。
どうしようもないので、
お薬を飲んで、
紅茶を飲んで、
一つずつゆっくりと、
片付けてまいります。

本も読めないな~。
そろそろじっくり腰を据えて読む時期なのです。
何を読むか考えてみるだけでも
気持ちが晴れるので、
悩んでみることにします。

2010年4月1日木曜日

「恋愛迷子」

「恋愛迷子」 小川内初枝著 光文社文庫

著者の小川内さんと、
昔、同じ職場で仕事をしていました。
しばらくは会うこともなかったのですが、
小川内さんが太宰治賞を受賞されてから、
再びお話をするようになりました。

頭脳明晰、才能豊か、
とても繊細で、豊かな情感をお持ちの方だと
常々感じています。

そんな小川内さんが書かれる小説は、
現代に生きる女性の揺れる心をしっかりと捉えた
芯のある作品ばかりです。

この「恋愛迷子」では、
自立を求め、果たしながらも、
信じるという行為に疑問を呈して、
自らの生き方を選択できずにいる、
31歳のOLの迷える姿を描いています。

この主人公が何故、どのように惑うのか、
さらには、どのように生を営んでゆくのか、
舞台設定も鮮やかに、
求心力を持って物語は明かしてくれます。

藤田香織さんによる解説も
丹念に読み込まれた上でのもので、
読後感を充実させてくれるのでした。

人間の存在意義を問うに近い、
生きる困難さを、
心理面から描いている小川内さん、
今後も書き継いでいってください!

2010年3月31日水曜日

近頃の梅田

久しぶりに梅田に出かけてみると、
立替中の阪急百貨店が聳え立ち、
JRに接する大丸百貨店(ACTY)も拡張工事が進んで、
手前に迫り出しています。
東側には、ガラス張りのフコク生命ビルが、
新しい姿を現してきています。

JRの北ヤードの開発も着工したそうだし、
大阪中央郵便局も取り壊しだとか、
阪神百貨店周辺も建て直しを計画中とか。

西側にハービスエントとヒルトンウエストが出来ただけでも、
十分に広がったと思っていたのに、
どんどんと変わっていきます。

人の流れも集中的に多く、
目が回りそうです。
なんだか落ち着かない。

関西経済においても変わり目なのだろうと
思います。
世代が入れ替わって、
人々のニーズも多様化して、
行動様式も変化していく、
世界的な不景気をきっかけに、
大きく転換していくのでしょう。
戦後に大きく発展した梅田も、
その転換の時期なのかと、
しばらく傍観するだけです。

2010年3月30日火曜日

アーバンライナー

“アーバンライナー”と聞いてピンとくる人は、
近鉄沿線にお住まいかあるいは、鉄道マニアの方でしょう。

近鉄特急の一つとして、
時折走っている白い車体の電車です。
この電車の乗り心地が素晴らしいのです。

座席もゆったりとしており、
揺れが少なく、
とても安定感があります。
気分もゆったりして、
ついつい夢心地。

このアーバンライナーに乗ると、
車体でこんなにも違いがあるのかと
驚きます。
関西の各私鉄、各地のJRなど乗車したことはあれど、
これが一番!
贔屓というのは怖いものです。

この電車に乗ったまま、
遠く海の見えるところまで行きたい、
よくそう思います。

2010年3月29日月曜日

映画 “とどめの一撃”

マルグリット・ユルスナール著「とどめの一撃」の映画を観ました。
“ブリキの太鼓”で知られるフォルカー・シュレンドルフが監督です。
1976年の作品です。

大筋は原作に沿っていますが、
微妙なニュアンスが違います。
配役も厳しいところがあります。
原作を意識していると、
どうしても反発してしまいます。
小さな違いが重なり、大きく反映して、
話の根本がずれてしまっています。

ですが、戦火の真っ只中、
兵士たちが駐屯する屋敷、
バルト海沿岸地方の冬の景色などは、
画面でみると、
リアルに感じられます。

一つの映画として鑑賞すればよいかもしれませんが、
原作を知らないと、
筋も、人間関係もさっぱりわからないかもしれません。

なにより、
ユルスナールが大切にしている部分が
描かれていないのが残念です。
その欠落が、原作との不一致を明らかにしています。

妙な位置づけの映画です。

2010年3月28日日曜日

しばしお別れ・・・ミラン・クンデラ

ミラン・クンデラの作品のほとんどは邦訳があり、
多くの読者を獲得しています。

「微笑を誘う愛の物語」1958-70(チェコ語版)、70(フランス語版)集英社(1992)
            「可笑しい愛」 集英社文庫(2003)
「冗談」1967(チェコ語版)1968(フランス語版) みすず書房(1970)
「生は彼方に」1973(フランス語版) 早川文庫(2001)
「別れのワルツ」1976(フランス語版) 集英社(1993)
「別れと忘却の書」1979(フランス語版) 集英社(1992)
「ジャックとその主人」1981(フランス語版) みすず書房(1996)<戯曲>
「存在の耐えられない軽さ」1984(フランス語版)集英社(1989)、集英社文庫、
                河出書房新社
「小説の精神」1986(フランス語版) 法政大学出版局(1990)<評論>
「不滅」1990(フランス語版) 集英社(1992)、集英社文庫
「裏切られた遺言」1993(フランス語版) 集英社(1994)
「緩やかさ」1995(フランス語版) 集英社(1995)
「ほんとうの私」1998(フランス語版) 集英社(1997)
「無知」2000(フランス語版) 集英社(2001)
「カーテン」2005(フランス語版) 集英社(2005)<評論>

多くの小説、評論をクンデラと親交のある西永良成氏が翻訳されています。

研究書としては、
「ミラン・クンデラの思想」西永良成著 平凡社選書(1998)
「ミラン・クンデラと小説」赤塚若樹著 水声社(2000)
「小説というオブリガード」工藤庸子著 東京大学出版会(1996)
などがあります。

※ ※ ※

「存在の耐えられない軽さ」と「不滅」を読んで
すっかりクンデラの虜になったところから、
少しずつですが、上記の本を読み進めてきました。
読みごたえのある作品ばかりで、
小説の奥深さだけでなく、
世界にはこのような作品の書き手がいるという事実に、
圧倒されました。

評論を読んでみるとクンデラの意図するところが、
理解できるようになっています。
ここで、立ち止まってしまいました。
そこには未知の原語で語られた、
理解を超えた見知らぬ世界観が広がっていました。
クンデラがマジシャンのようにも、
宇宙人のようにも見えます。

ただ小説を楽しむには、なんの支障もありません。

なぜその作品が書かれたのか、
書き手の思想と意思が知りたい、
その作品の意図はどこにあるのか、
と追求を始めると、
より理解できなくては始まりません。

以前「不滅」について、このブログでも取り上げましたが、
それ以上の進歩が見られないのが現状です。
いつか再び読む日がくるかもしれません。
でも今は、とても手には負えません。
情けなさと無念さとが入り混じっているのですが、
お手上げということで、
しばし、お蔵入りさせることにしました。
仕事で言う“優先順位を入れ替える”というところでしょうか。

2010年3月27日土曜日

上と下の二段

小学校5年生でした。
国語の時間の時のこと、
担任の先生が言いました。

“縦書きのノートの真ん中に横線を引いて、
 上と下に分けてください。”

そして黒板にその図を描いてくれました。

“上の段には、
教科書の
 文章に書かれていることを
 書いてください。”

“下の段には、
 その文章から分かることを
 書いてください。”

例えば、
上段には、文章を細かく刻んで、
記します。
下段には、上段に記した文章から、
分かること、表現されていることなど、
自分で読み取れることを、
記します。

とってもシンプルで、
どれだけ理解できているか、
一目瞭然の方法です。
小学生にもすぐにできるわけです。
お話を読んだりするときには、
とても有効な読解をすすめてくれるでしょう。

ところが、
上段は簡単に書けたのですが、
下段が問題でした。
自分が思うことや、考えることがもし間違っていたら?
不安で書くことができません。
でたらめを書くような気がしたのです。
懐疑的すぎますね。
結局、活字になっているところだけしか信用できなかったので、
上段と下段は同じことを書いてしまいました。

小学5年生、ノートに向かって、
手を滲ませていたことをよく思い出します。

2010年3月26日金曜日

最近購入した本

岩波新書で 清水徹著 「ヴァレリー」 が
出るということだったので、
店頭をチェックしていました。

ようやく並んだところで、
大急ぎで入手しました。
ヴァレリーの作品では「海辺の墓地」を
どうにか読んだだけです。
作家・詩人・評論家としてのその活動がとても気になるので、
ちょっと知識が欲しいのです。
一応、「ヴァレリーの肖像」 清水徹著 筑摩書房、
「若きパルク」 みすず書房、 
「ヴァレリー・セレクション」 平凡社ライブラリー、
は手元にあるのですが、
読むのに躊躇しているところなので、
この新書で様子を見ようと思います。
というのも、中井久夫さんのエッセイなどを読んでみて、
勝手に想像している感覚とのずれがあるように感じるのです。
(それにしても先に買い過ぎですね)

一緒に、
「平和構築」 東大作著 岩波新書 も
購入しました。
しばらく前にこの東氏について新聞で読み、
40歳代という人の活躍に関心を持ったのです。

その他にも買った本はあるのですが、
目を通してみて、これは失敗というものでしたので、
お披露目するのは止めておきましょう。

という間にも次々と読みたい本が現れてくるので、
悩ましい~です。

2010年3月25日木曜日

雨で中止

雨がよく降ります。
おかげで甲子園は2日も順延。
早く雨が上がって、
明日こそ良いコンディションでプレーできますように。

明日はセ・リーグも開幕です。
ドキドキ。

バンクーバー・オリンピックは、
好きな種目を満足に観れなくて、
不完全燃焼。
アルペンとハーフパイプだったのでした。

季節も変わり、
気分も一新、
野球とサッカーを中心に、
スポーツ観戦を楽しみたいと思います。

2010年3月24日水曜日

「黄金のしっぽ ムーミン・コミックス№1」

「黄金のしっぽ ムーミン・コミックス№1」
トーベ+ラルス・ヤンソン著 冨原眞弓訳 筑摩書房

というわけで、
さっそくムーミン・コミックスです。

まず、絵が可愛い。
つい、文字ばかり追ってしまうのですが、
一コマ一コマを丁寧に見てみると、
ムーミンたちの表情がすごく面白い。

ついで、
展開がスピーディー。
どんどん話が進んでいきます。
単純すぎて、これも可笑しい。

素直なムーミンがすっぽり罠にはまってしまうので、
同情しつつ、心配になってきます。
でも話がずんずん展開するので、
ちゃんと解決して、
ムーミンたちの心もすっかり元のとおり。

ほんとは教訓めいた話は苦手です。
でもムーミン・コミックスは、
笑いとともに慰めもくれるので、
朗らかな気分も分けてくれます。

生きていると、
いろいろあるけど、
まあ、良しとしましょう。
そんな、気分です。

2010年3月23日火曜日

「ムーミン谷のひみつの言葉」

「ムーミン谷のひみつの言葉」 冨原眞弓著 筑摩書房

ムーミン谷を舞台とするコミックスは、
イギリスの新聞「イヴニング・ニューズ」で1954年から、
長く掲載されました。
この本では、コミックスのトーベ・ヤンソン時代の作品から、
示唆に富んだユーモアたっぷりの言葉の数々を選び出し、
その言葉の含む意味を読み込んでいます。

ちくま文庫の「ムーミン谷のひみつ」の兄弟本のような趣です。

私たちの日常にも、同じような言葉が発せられたり、
よく似た不可思議な状況に見舞われたりすることに、
他人事とは思えず、
ちょっぴり痛さも感じられます。
生きている限り、ムーミン谷の住人たちとそう変わりはないのです。

それにしても著者の冨原さんの読み込みは、
深く、大変明快で、わかりやすい。
大人の教科書のような内容だと思ってしまいました。

ムーミントロール “ねえ・・・義務ってなんのこと?”
スナフキンの返事 “したくないことをすることさ”
スナフキンはクールに答えたものの、
義務にがんじがらめになりかけのムーミンたちを
心優しく導いてあげるのでした。

ムーミンたちの暮らしを見ていると、
ほんとに大切なことって基本に忠実なことかな、と思いあたります。
根底にあるのは、心の自由と、他者へ優しさ、思いやりなのでした。

2010年3月22日月曜日

とてものんびり・・・あるいは怠惰

本日も大変良いお天気で、過ごしやすい一日でした。
晴れやかな陽射しに気分もうらうらと、
のんびりいたしました。

ここ数年体調が不安定なので、
休日は家でゆっくり過ごすことにしています。
たっぷり睡眠であります。
猫は一生の大半を寝ているそうですが、
猫顔負けです。

突然猫の話が出てくるのは、
猫の漫画を読んでいたせいもあります。
他にも、分厚い漫画を読みふけって、
昔々の乙女心を懐かしんだり、
パリの風物を取り上げたエッセイをめくって、
同じ好みに嬉しくなったり、
ダイエットについて書かれた本を読んで、
ヒントを得たり、と
普段はできないゆったりとした時間を楽しんでいました。

はたと顔を上げると、
もういい時間ではありませんか。
暗くなってからようやく集中できる用事にかかることにします。

連休ならではの、
宙に浮いたような時間を堪能しました。

2010年3月21日日曜日

春ですね

昨夜は突風の嵐でありました。
今日は黄砂で
一日中、目と鼻がむずむずとしていました。
花粉症の方には申し訳ないのですが、
そういった症状さえも春のしるしです。

春の花たちも次々と咲き出しています。
今はラッパ水仙がきれいです。
白い花はすがすがしく感じますね。
チューリップも桜の開花の頃には、
色づいてくることでしょう。
もう長く野原に出ることがありませんが、
きっとつくしやオオイヌフグリが
茂っていることでしょう。

家の中では、
明るくなってきたせいで目に付く埃を払ったり、
厚手の冬物を整理したり、
机に積み上げてある切抜きや本や雑誌を並べなおしたり、
季節の片付けに勤しんでいます。
合間にはまたまた珈琲を飲んでくつろいで。
春の日のお休みはのんびりムードです。

おかげで、読書や作業はそっちのけ。
そちらの方も頭の整理をして、
軌道に乗せて参りましょうか。

2010年3月20日土曜日

思考力と表現

本を読んだり、
ブログを拝見したりして、
感じるのは、
自分の頭の中で考えていることしか
文章化できないということです。
素晴らしい表現に出会うと痛切に感じます。

思考力を深めたいと望みはするのですが、
いかんせん、この頭ですから、
どうしようもありません。
そんな思考力を元に表現しようとしているのですから、
人に読んでいただけるようなものには、
なかなかなりませんね。

自分に足りないものを感じ取りながら、
他者が生み出し、表現しているものを、
ありがたく味わう。
キャッチする立場を生かしていけるようにしたいものです。

2010年3月19日金曜日

「夜と霧」を購入しました

そうなのです、まだ読んだことがありません。
いつかは読むだろうと思いながら、
心構えがきちんとできてからにしようと、
そのままになっていました。

堀江敏幸さんの「一階でも二階でもない夜」に、
この本について語られている文章があり、
そろそろその時期かという気がしました。

旧訳か新訳か少し迷いましたが、
堀江さんの文章の中で、
 人間はふたつの種族しか存在しない、とフランクルは書く。
 「品位ある善意の人間とそうでない人間」(旧訳)=
 「まともな人間とまともでない人間」(新訳)。
と記載があったので、
旧訳の方を選びました。
訳の新旧はほとんど意味は無いだろうと思います。

読んだ後の心理的衝撃に耐えられるかと、
少々恐れています。

2010年3月18日木曜日

水玉模様の傘

もう20年近く一本の傘をさしていました。
紺色のシンプルなデザインで軽く、重宝していたのです。
持ち手は剥げて、先は変色し、
みっともない姿でしたが、
壊れるまで使おうと思っていました。
なのに先日、駅で線路に落としてしまい、
骨が一本ぐねっと曲がってしまいました。

そろそろ買い替え時かと腹を決め、
探し始めたのですが、
なかなか好みのものが無い。
傘の需要の高い国のはずなのに、
バリエーションが以外と無いのです。
不思議だと思いませんか?

やっと辿りついたのが、
ビームスのネットショップ。
希望のバンブーの柄、黒地に細かい白い水玉です。
今度も長く使うぞ・・・と考えたら、
20年後って、ン歳ではありませんか。
ちょっと派手になっているかもしれない。
考えてみると、今でも充分派手なのでありました。

2010年3月17日水曜日

関美穂子さんのはんことシール

少し前にいただいたはんこ2種。
一つは、
太陽の表情がおかしいし、
月にも足が生えている。
もう一つは東欧のような風景に、
一人乗りの馬車。
なんだか大正モダンのような雰囲気の
はんこです。
白い陶器製で、ますますノスタルジック。
これは一体?

と思っていたところ、
はんこと同じ図柄のシールを発見。
関美穂子さんという人のものでした。
横にあった水糊シールというのも、
とてもシックな色合いです。
じっくり眺めてみると、
切り絵のようでもあります。
謎は深まるばかり。
ちょっと調べてみましょう。

2010年3月16日火曜日

youtubeでLive

最近になってyoutubeでLiveを観ることにはまっています。

お気に入りは、
Coldplayと
Rage Against the Machine!

生き生きとした動き、
豊かな表情、
情感溢れる音の渦、
ダイナミックな雰囲気、
Liveならではの様子に堪能しています。

実は生のLiveやコンサートが苦手なので、
こちらの方がじっくり楽しめるのです。

2010年3月15日月曜日

「モロッコ革の本」

「モロッコ革の本」 栃折久美子著 筑摩書房

本好きの方には、栃折さんのことをご存知の方も多いかと思われます。
装丁家として知られ、何冊か本と装丁に関する本を書かれています。
森有正さんとの交流についても一冊上梓されています。

この本を知ったのは、まだ十代のことでした。
とても興味深い人の話だと進められて、読んだのでした。
それから何回繰り返し読んだことでしょう。

とても個人的な打ち明け話のような面持ちのエッセイです。
ここには、本物の栃折久美子が誕生する瞬間が記されています。
自分自身を見出したそのときの喜びが詰まっています。

時々において読み返すと、その都度読み手側の視点も変化します。
幼い頃、明るい部分だけをさらっていましたが、
単に憧れを誘うだけにすぎませんでした。
今になって思うのは、素晴らしい経験を大切な時と認識できることが、
大切だということです。

過ぎ去ってしまってから気がつくのが、普通のこと。
今の自分をよく知り、状況を判断し、トライすること、
経験しながらも同時にその意味を理解すること。
いつになっても、遅くはないのです。

2010年3月14日日曜日

文庫にならないかな

読んでみたいのに、
邦訳もあるのに、
出回っていない本。
フィリップ・ソレルスはその代表格です。
まとめて文庫の全集にしてくださいな、
集英社さん。

ミラン・クンデラも文庫にして、
全集にしてくださるとありがたいです。

ばらばらと出ているル・クレジオも、
ぜひどこかで揃えてほしいです。

原書で読みなさいと言われてしまいますね。

2010年3月13日土曜日

アートとしての服~フィービー・ファイロ

“アートしての服”などと称してしますが、
“アートとしてのモード”の方がいいような気がしています。

今回はフィービー・ファイロ。
アートという側面ではなく、
実質的な服として感心したのです。

クロエのデザイナー時代の作品は、
一般の評価ほど心に残ることがなかったのです。
なので、セリーヌのデザイナーに就任するニュースも
冷静に捉えていました。
ところが先日のこと、
セリーヌのショップの横を通りかかった時です。
ガラス越しに見える新しい服の数々、
それはそれはミニマルで美しいものだったのです。
フォルムといい、カッティングといい、
色合い、風合い、丈の長さ、
洗練を極めたデザインでした。
もちろん高級品ですので、質は最高級です。
すぐに着てみたいと思う服ばかりです。

美しいものを見るだけで、
心が洗われます。
手に入れることはなくとも、
その真髄に触れることはできると、
信じています。

2010年3月12日金曜日

今日のお買い物

昨日心に決めたとおりに、
本屋さんに出かけました。

まず、
「グーグーだって猫である 4巻」 大島弓子著 角川書店

それから、
「大島弓子が選んだ大島弓子選集 1巻 ミモザ館でつかまえて」
大島弓子著 メディアファクトリー
中学生の頃から知ってはいたのですが、
きちんと読み出したのはつい最近のこと。
まさに遅れてきた大島弓子ファンです。
昔あった全集が欲しかったのですが、
店頭では見つけられませんでした。

「ムーミン・コミックス №1 黄金のしっぽ」
トーベ・ヤンソン+ラルス・ヤンソン著 筑摩書房
今、訳者の冨原眞弓さんのムーミンの本を読書中。
コミックスも読んでみたくなりました。

「フーコー」 ポール・ヴェーヌ著 慎改康之訳 筑摩書房
いつになったら読むのでしょうか。

「古文の読解」 小西甚一著 ちくま文庫
古典を読むのが夢の一つとしてあるのですが、
この本は古典の参考書として名高いということで、
購入しました。

すぐには読まない本でも、
のちのち絶版にでもなったら泣きをみます。
かといって、ペルヌーの本のように買った翌月に、
新書になったりする目にもあったりします。
買うタイミングも難しいなぁ。

2010年3月11日木曜日

「グーグーだって猫である」

「グーグーだって猫である」 大島弓子著 角川書店

このグーグー・シリーズも5巻までやってきました。
3巻を文庫で買った後、
4巻を飛ばして新刊の5巻を購入、
大きな版の方がゆったりとしていて、
大島さんの雰囲気と似合うなあ、と
思いながら読みました。

続いて奥から1,2巻も引っ張りだしてきて、
つい読みふけってしまいました。

大島さんは本当に心優しい方です。
細かに揺れ動く気持ちを絵に託して、
大らかに描いておられます。

大変な経験もたくさんされているのに、
そういったことから生じる苦しさをも、
正直さに包んで絵の中に取り込んであるので、
読み手も素直に受け取ることができるように思います。

大島さんが多くの読み手に恵まれておられるのも、
うなづけるところですね。

明日、4巻を買いに行こうと決めました。

2010年3月10日水曜日

迷走読書

さあ、ちょっと難しいけど読んでいきましょうか、と
「ギリシアの泉」を広げてみましたが、
これはいかん、電車の中で読むもんとちゃう!
さすがに頭をかいてしまいました。

代わりに取り出したのは、
「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」 万城目学著 ちくまプリマー新書、
もっぱら評判の本です。
「鴨川ホルモー」「鹿男あおによし」で万城目学の面白さは
確認済みです。

小学一年生のかのこちゃんと猫のマドレーヌ夫人のお話でした。
朗らかで明るく、明快で愉快な、楽しい本でした。

しかしながら、これでいいのか、ツキスミ。

楽しく、安易な方向に流れてしまっています。
せめて机上では、じっくり頭を使う本を読まねば。
難しい本ばかりは読めないことはわかっているので、
バランスよく選んでいきましょう。

2010年3月9日火曜日

またまたうどんです

冷たい空気が南下してきて、
おまけに嵐のような突風の吹き荒れる一日でした。
まだ油断はできません。
マフラーを巻きつけて、
カットに行ってきました。

綺麗にしていただいて、
さっぱりとした後は、
大阪人には定番の美々卯にて、
うどんすき・・・ではなくてかやくうどんを食しました。
こっくりとしたお出汁が美味しい。

しばらく前に、
生意気に言えば二十年来“贔屓にしていた”うどん屋さんが
ついに閉店してしまいました。
三ツ寺にあったそのお店の
鴨なんばには、おろし生姜がたっぷりと添えてあって、
生姜と葱と鴨のハーモニーがとても好みだったのです。
アメリカ村の南にあたるその付近も、
若者相手のお店が増え、
ついに看板を降ろしてしまったのでした。

新しいお店ができることで活気が出たり、
新鮮な気分を味わったりもできるので、
一概には言えませんが、
好きなお店が消えてゆくのは、
やはり寂しいものです。

2010年3月8日月曜日

深く読む

本を丁寧に読むようにしているのは、
本質を掴みとりたいと思っているからです。

わざわざそんなこと、とお思いかもしれません。

幼少のころから、
表面的に読んでいるような気がしているのです。
ストーリーだけ追いかけて、
上っ面しかわかっていないような、
肝心なことが理解できていなくて、
書き手の声が聞こえていないような、
不安が常にあります。

読むことだけでなく、
他のことについても、
よく似た恐怖感があるようです。

大切なことを理解したい。
そのために深く読みたい。
努力が嫌いで苦手なたちなので、
注意を払って丁度いい加減かと思うのです。

2010年3月7日日曜日

考え事の不思議

今日は一日しとしとと雨でありました。
お部屋でおとなしく過ごしていたのです。

ゆっくりとした時間です。
考え事ばかりしていましたが、
ちっとも前に進みません。
考え事というのはおかしなもので、
忙しくしている時に、
ふと新しい展開をしたり、
解決策が見つかったりしますね。
脳神経学や心理学的にはその理由が
わかっているものなのかもしれません。

とりあえず、心の整理を形にしようと、
本棚の整理をしてみました。
この本棚には読みたい本を詰め込んでいっているのですが、
あるはあるは、とりどりに興味のあるものばかりです。
冷静に見てみると欲張り本棚です。

どうしても読むぞと決めている本と、
精神上支えになってくれる本と、
刺激を与えてくれるタイトルの本を、
手前に並べ直してみました。

今の望みと希望はこの本棚をみればわかる。
ちょっとは前進したかしら。

2010年3月6日土曜日

三年読書

ずいぶん前に大江健三郎さんが、
あるコラムに書かれていた興味深い話です。

“渡辺一夫氏に三年にひとりずつ
 詩人、作家、思想家をきめて
 集中的に読めといわれた。
 私が人生で完全に実行した
 最良の教え。”

きままに読書を重ねていた頃に、
この“三年にひとり”というのを、
ひとつの目安になることと教わり、
早速試してみることにしました。

以外とひとりに絞り込むのも難しく、
とりあえず数年だけ考えてみました。

それからしばらくすると、
ひとりの作家を三年ではとても読みきれないことが、
わかりました。
ひととおり読むことはできても、
丁寧に読むまでには至りません。
そうすると尚更この三年という言葉が効いてきます。

自分の年齢を鑑みて、
これからどういう読書をすることが、
納得のいく状態になるのでしょうか。

さらりと読むだけの読書、
じっくり読む読書、
どうしようかしらん。
考えて、悩むことがまた楽しかったりします。

2010年3月5日金曜日

春の訪れ

朝は一面が白く霧に包まれていたのに、
いつしか陽差しが降り注ぎだし、
柔らかな春のきざはしが訪れました。

鶯もたどたどしくさえずり始めましたし、
名前の知らない鳥たちも声高く、
足元には枯れ草に混じって緑の新草が伸びてきました。

ようやく冬の終わりです。
今年はいつになく梅の花が目に付きます。

体調も無事復活し、
パソコンも快適に動くようになり、
仕事の山も片付けて、
つかの間ほっとしています。

冬のきーんとした冷たさと静けさもそれなりに
良いものだとは思いますが、
体感的に春のうらうらとした空気が気持ちよく感じます。
そこに微風がそよそよと流れてくれば、
お散歩日和。
血の巡りものんびりとしていますが、
歩調ものんびりしたお散歩が楽しみです。

2010年3月4日木曜日

「一階でも二階でもない夜 回送電車Ⅱ」

「一階でも二階でもない夜 回送電車Ⅱ」 堀江敏幸著 中公文庫

先日の“chef-d'oeuvre”という言葉が頭の中でもやもやとしていて、
散歩でもしながら、じっくりと考えてみたいと思ったりしています。

今回文庫本でゆっくり時間をかけて読めたせいか、
一冊の本がこれだけ豊穣なことを教えられました。
時間が経ってみると、堀江さんの渡仏時の話題も、
あの時のことかな、などと記憶とつき合わせたりもできたりして、
堀江さんにまつわる事象の知識がふくらんでいきます。

著者自身に関心があるというよりは、
堀江さんの紡ぎ出す言葉で形作られた世界が、
魅力的なのです。

純度が高く、栄養のある水を飲むことに似た読書には、
アルコールも少し含んでいるような酔いがあります。

chef-d'oeuvre

“chef-d'oeuvre”とは“傑作”という意味に使われるフランス語です。
(スペルの表記については難がありますので、後で修正いたします)

「一階でも二階でもない夜 回送電車Ⅱ」 堀江敏幸著 中公文庫

を読んでいると“存在の明るみに向かって”という章に行き当たりました。
この章でこの“chef-d'oeuvre”について、堀江さんはこう語ります。

 ・・・chef-d'oeuvreがアノニムな達成であると同時に、
 ひとりの職人の人生を左右する、血の通った渾身の仕事だと
 教えられた。・・・それが《天の奥に秘められている「存在の明るみ」》
 をめざしての、厳しい仕事と直結した日々の実践にほかならず、
 真の創作家はその明るみに導かれてより高次の明るみをめざし、
 「いつしか生成の根源に分け入って」、「もはや批評家だの、公衆だの、
 行き先などは問題ではない」地平に達することを示した、これほど
 明確な定義はなかったのである。問題は行き先ではなく方位であり、
 方角なのだ。・・・

堀江さんは宇佐見英治の「傑作について」という文書から、
学んだのでした。そして、堀江さんを基点にして、
“chef-d'oeuvre”という言葉が指し示す方角を探し求めている人々が、
自らの意識を明確にできるようになっていくと思われます。

「存在の明るみ」とはなんとも美しい言葉でしょう。
そこに達することはできなくても、
その方角に向かって歩いていく努力はできるかもしれません。
その方角を見定めることも難しいことです。
誰しもが可能なことではないでしょう。
せめて、心の持ちようは明るい方を向いていたいものです。

“chef-d'oeuvre”という言葉が、
自らの仕事の道筋を見出してゆけるきっかけになればと、
道端でぼやぼやしているところに、
声をかけられたような気がしています。

2010年3月3日水曜日

気がつくと、夜中でした

寝つく前に、更新しようと思っていたら、
もう次の日になってしまいました。

♪ この地で、この地で、また始まる意味を探し求め、
  また歩き始める ♪

今日はこのサカナクションの「アルクアラウンド」が
頭の中で一日中かかっていました。
テクノ調の前半から、ドラマテッィクなサビへの展開と、
哀切な歌詞が聴かせます。

J-popでお気に入りのミュージシャンは、
現在このサカナクション、
秦基博、初期のスガシカオ、初期のくるり、
Peridots、というところです。
きっと好みはお察しいただいているかと思います。

2010年3月1日月曜日

うまくいかない

仕事がはかどらない。
右膝が痛い。
強引に約束事をさせられた。
業務上、好ましくない話を聞かされた。
気が進まない予定が入った。

以上、
自分のペースで行動できないことばかりです。
だから、
気が滅入ってしまうのですね。

おみくじはたしか中吉だったのに(?)
今年はなかなか思うようにいきません~。

どこかで息抜きができるようにしないといけません。
そして、よい文章を読まねばいけません。
なによりも質のよい睡眠ですね~zzz。

2010年2月28日日曜日

ピラネージをめぐる本たち

しばらくお休みをしていましたが、
久々にユルスナール「空間の旅・時間の旅」から紐解いてみたいと思います。

ここに「ピラネージの黒い脳髄」という評論があります。
18世紀、ヴェネツィア出の版画家はローマにおいて、
《幻想の牢獄》《景観》《ローマ古代遺跡》など数多くの作品を残しているようです。
ユルスナールは《幻想の牢獄》を中心に他の作品と比較し、
《牢獄》には何がどのように描かれているのか、
ピラネージの思考に思いをめぐらせながら、
語っています。
ここで問題は、ピラネージの作品をよく知っている必要があるということです。
ピラネージの作品について、なんとなくしか覚えのない人間には、
このユルスナールの細かい分析には付いていくのが困難です。

ここに一冊の本を並べてみましょう。
須賀敦子さんの「ユルスナールの靴」です。
この本の「黒い廃墟」では、ユルスナールの評論とピラネージとの係りを、
自らの体験を踏まえて、読み、語りほぐしています。
須賀さんの滑らかな文章に、少しは助けられるような気がします。

しかしながら、ピラネージの作品をしっかり観ることをせずに、
ピラネージを語ることはできないのです。
やはり、ここはピラネージを、紙に印刷されたものを観る必要があります。
ネットでチェックしてもリアルさは半減してしまいます。
図書館へ行けば、大きな画集が観れるかもしれない、
夢に出てきそうなピラネージの作品を、
しっかり観てみようと計画中です。

2010年2月27日土曜日

へたってました

今週はなんだかんだと忙しく、
体調のコントロールも困難で、
右膝の激痛も重なり、
ついにへたってしまいました。
おとといからとてもつらかったのです。

今日ははりきっていろいろと片付ける予定でしたが、
断念。

「グーグーだって猫である」を読んだりして、
一日ゆっくりと休ませていただきました。
月曜日には復活したいと思います。

2010年2月26日金曜日

本屋さんを覗いたら

しばらくの間忘れていたのだけど、
気がつくと「グーグーだって猫である」の3巻が
文庫になっていました。角川文庫。
大島弓子さんの本は大判のほうが
ゆったりとしていて好きなのですが、
そこは我慢して、とりあえず入手。
映画ですか?
キャスティングに不満があったので未見です。

新刊のコーナーを眺めていると、
講談社現代新書の特別復刊として
森有正「いかに生きるか」が出ていました。
ちくま文庫の森有正エッセー集成を持っていながら、
まったく歯が立たないので、
このような入門書をちょっとなぞってみようかと思います。

2冊だけだと寂しいなあと、
もうしばらく棚を冷やかしていると、
なぜか、ムーミン・コミックス 筑摩書房 が平積みになっています。
これもいつか大人買いするぞ~と思っているのですが、
今日は前々から欲しかった
「ムーミン谷のひみつの言葉」 冨原眞弓著 筑摩書房 が
横に積んであったので、こちらをまず。

そういえば「床下の小人たち」 メアリー・ノートン著 岩波少年文庫 を
買うつもりだったのに、
売り場が離れていたので、忘れてしまいました。

本とうに、本だから、きりがない。

2010年2月25日木曜日

春日和

昨日からとても温かく、
日差しの明るい日和です。
コートなんていらないくらいですね。

梅ももう八部咲きくらいでしょうか、
色鮮やかに庭々を飾っています。

我が家の梅はくっきりとした桃色です。
初夏には大きな粒の実を結んで、
収穫後には、美味しい梅干となり、
食卓を楽しませてくれます。

春の気配を感じだすと、
まず咲き出すのは、
日本水仙です。
菫もひっそりと咲き出して、
次は愛らしいスノードロップ。
そのうちにチューリップの芽がぐんぐんと伸びてきて、
カモミールの可愛らしい芽がぴょこぴょこと現れます。
クリスマスローズも少しずつ咲き出してきます。
楽しみにしているのはシラーです。
とっても小さくて薄い水色のお花です。
(シラーには色々と種類があるようですね)

なんて、お世話をしているのは母なので、
のんびりお庭を眺めさせてもらっています。

2010年2月24日水曜日

気になる本たち

本を選ぶのには注意を払っているつもりですが、
まだまだ読むべき本が待ち構えています。
その上、新刊でも注目すべき本が次々と現れてきます。
ここのところ気になるのは

「青い野を歩く」 クレア・キーガン著 白水社
「煙滅」 ジョルジュ・ペレック著 水声社

どちらもあちらこちらで評判となっています。
書評などを読むと尚更読んでみたくなります。

ああ、どうしよう。
悩む前にとりあえず入手しておきましょうか。

2010年2月23日火曜日

「一階でも二階でもない夜」読書中

堀江敏幸さんの「一階でも二階でもない夜」という
よくわかるようなわからないようなタイトルのエッセイ集を
読んでいます。

読んでいると少々前の話が出てきて、
時間のずれを感じます。
末尾を調べてみると、
この文庫本の親本が出たのは2004年だそうで、
もうそんなに経っているのかと、
堀江さんのその後の活躍を思い出して、
自分の変化の無さに唖然としました。

堀江さんとはほとんど同世代です。
でも堀江さんの読んでいる本は、
選択眼が年代を超越していますし、
書かれる文章もしかりです。

これまでは何も考えずに、
感じるままに、
堀江さんの豊かなイマジネーションと、
微細な心の動きを表現する言葉と文章を
楽しんできました。
柔らかなユーモアのセンスも、
遠慮がちに表される優しさも、
お人柄が伝わってくるようで、
親しみを感じてきました。

ほぼ人生の真ん中あたりに至り、
堀江さんの文章をそのまま味わうだけでなく、
その生きるための呼吸の方法のセンスも、
読み解く時期にきたような気がしています。

現実の姿をより自分の視点で読み解けるように、
なりたいものだ、
堀江さんのエッセイは自分を振り返る作用も持っているようです。

2010年2月22日月曜日

やっほー☆

皆々様のご協力の末、
パソコンがスタンバイOKになりました。
スイスイと動いてくれるのは久しぶりで、
本当にありがたく思います。

これで日々の作業もできるようになりました。
そんな大したことをしているわけではありませんが、
パソコンが無いのはとっても不便でありました。

また使いやすくなるように、
いろいろと仕込んでいくことにいたします。
お騒がせいたしました。

2010年2月20日土曜日

読んだ本、買った本

「秘密」 P.D.ジェイムズ著 ハヤカワミステリ
読了いたしました。
ジェイムズお得意のコツコツ捜査の後にくる山場、
静かなエンディングというストーリー展開にもすっかり慣れて、
堪能いたしました。
満足。

久しぶりのジュンク堂千日前店では、
「根を持つこと」(上) シモーヌ・ヴェイユ著 岩波文庫
「リルケ詩集」 リルケ著 岩波文庫
「パリの宝物70」 山本ゆりこ著 毎日新聞社
などを購入。

それにしても、
未読の本ばかり沢山あります。
どれもすぐに読みたい本ばかり。
時間には限りがあるのですから、
やはり絞り込みが必要です。
体調のいい時には、
じっくり取り組む本を選ばなくては、
いつになったら読むの!ということに
なってしまいます。

それにしても、
(またしても)
パソコン、手元には戻ってきたのですが、
なぜかまだ不調。
早く使えるようにしたい~。

2010年2月16日火曜日

「秘密」にはまっています

P.D.ジェイムズ「秘密」を読み出して一週間。
じわじわと読み進めています。

主人公のダルグリッシュは警視長。
50歳位の設定かと思われます。
長身黒髪、冷静沈着、思慮深く、
思いやりのある素敵な男性です。
その上詩人でもあるのです。
こんなに完璧な人物を創り上げたジェイムズは、
どういう意図があったのやら。

人間的には全く異なるのですが、
ダルグリッシュの嗜好は、
個人的にぴったりします。
読んでいて、なんの違和感もありません。
とても馴染むことができます。

主人公と価値観と感覚を分かち合える小説など、
そうそうあるものではありません。
読みおえるにはあまりにも惜しく、
ゆっくり反復を繰り返しながら、
進んでいます。

2010年2月13日土曜日

P.D.ジェイムズの「秘密」を読み始めました

出ました、来ました、P.D.ジェイムズの新刊が。
「秘密」ハヤカワ・ミステリ です。

「皮膚の下の頭蓋骨」を読んで以来、
すっかりジェイムズのファンです。
特に「秘密」で13作目となるダルグリッシュ物は、
次作が待ち遠しいシリーズです。

ミステリですから、好みはあるかもしれませんが、
ジェイムズの手にかかると、
単なるミステリには終わりません。
人物造詣、心理描写における人の描かれ方は、
奥深く、精密で、生々しく感じられます。
舞台設定も非常に凝っており、
まるで現実に存在しているかのようです。

刻み込まれるように言葉が選ばれ、
文章が立ち上がっているのを感じながら読んでいると、
ジェイムズに他の分野でも書いて欲しいと思わせます。
とはいえ、ジェイムズも90歳におなりとか。
できるだけ多くの作品に接したいという希望をもちつつ、
ご健勝を祈るばかりです。

2010年2月9日火曜日

小説家52人の日記リレー

「新潮」2010年3月号の特集は
小説家52人による2009年に日記リレーです。
有名な作家を基本として、ベテラン作家、人気作家、
個性派作家、通好み作家と52人ともなれば壮観な顔ぶれ。

堀江敏幸さんのところを読んでみたかったのですが、
ついつい続いて他の人のも読んでいると、
どの人も個性豊かで面白い。
作品と似通ったところがあるなぁと思いながら、
ぱらぱらと読みふけりました。

普段はとっつきにくい作家の文章も、
思いがけなく楽しみました。
こういう企画が立てられるのが文芸誌の強みかな。

2010年2月8日月曜日

大丈夫じゃなかった

大事なパソコンが・・・
色々メンテナンスをしてもらったにもかかわらず、
ホントに起き上がらなくなってしまいました。
何年も無事に過ごしてきただけに、
がっくりしています。
一週間ほど入院させなくてはいけません。
入院費用もバカにはなりません。

というわけで、
しばらくこのブログもお休みを挟みながらになります。
常日頃からこの独り言にお付き合いくださっている皆様には
申し訳ありませんが、
よろしくお願いいたします。