2009年11月30日月曜日

観たいバレエの映画

モーリス・ベジャールが亡くなって2年。
ベジャールの遺志を継いだジル・ロマンが率いるバレエ団の
ドキュメンタリー・フィルムが公開されるそうです。

「ベジャール、そしてバレエはつづく」
予告を観るだけでどきどきします。

心をときめかせてくれるものを
バレエの場合はなんと表現すればよいでしょうか。
生の美しさを技を凝らして披露される舞台には、
目を奪われる魅力がほとばしっています。

放出されるエネルギーを受け止めるので精一杯、
映画を観る程度がちょうどいいのです。
こんな門外漢にも観るチャンスがありますように。

2009年11月29日日曜日

「シルヴィア・ビーチと失われた時代」

「シルヴィア・ビーチと失われた世代」上・下
ノエル・R・フィッチ著 前野繁 中田裕二 岡本紀元訳 開文社出版

シルヴィア・ビーチをご存知でしょうか。
1920年代パリでシェイクスピアアンドカンパニー書店を開業し、
ジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」を出版したことで知られています。

そのシルヴィアの活躍を資料に基づき編んだのが、
この本です。
当時の作家達の活動が詳しく明らかにされています。
多くの人がめまぐるしく登場するので、
読むのは大変ですが、
1920、30年代のパリにおける文学の世界に興味のある人には、
是非おすすめしたい本です。

この本に出会ったのは偶然のことでした。
Les Années folles に関心を持ち出したころのことです。
図書館でアメリカ文学のところを通るたびに、
赤くきらきらと光る背表紙の本に目が留まりました。
まるで“手にとって!”と呼びかけられているようでした。

出版されたばかりのその赤い本は、
内容もきらきらとしていました。
知らない夢のような世界がそこに広がっています。
シルヴィア達が奮闘する時代へ、
一気に入り込みました。

文学そのものには好みがあるので、
何でも読むというわけにはいきませんし、
英文学にはあまり関心が無かったので、
研究したいと思うことはありませんでしたが、
作家ではないシルヴィアが書店を運営することで、
文学の世界に参加していることに、
共鳴に近い感覚を持ったのでした。

今も夢を実行に移し、実現させたとして、
シルヴィアは敬われている人なのです。

2009年11月28日土曜日

年賀状の用意

そろそろ年賀状の用意をする時期になりました。
今年の春に現在の場所へ異動してきたので、
お世話になった方々が増えました。

さて、今回はどんな風にしようか。
ここ2、3年は便利で可愛い年賀状のCD付本を利用しています。
本屋さんで立ち読みチェック、
好みの図柄を選びます。

一言メッセージが書き込めるスペースがあるものにして、
なんて書こうか今から悩みます。

家でプリントするのだから、
インクの在庫も要注意。

こんなささやかな作業が楽しく感じられる時期です。

2009年11月27日金曜日

Gérard Philipe

ジェラール・フィリップが36歳という若さで亡くなって
今年で50年経つそうです。

映画に舞台に活躍した俳優として、
その名を知ってはいました。

初めてスクリーンで観たのは、
「花咲ける騎士道」“Fanfan la Tulip”(1951)。
想像以上の優美でしなやかな身のこなし、
軽やかな動き、華のある存在感、
知性的な表情の豊かさにとても驚きました。
たちまちファンになったのはいうまでもありません。

あんまり素敵すぎて、
有名すぎて、
わざわざ声を出していう必要はなく、
誰からも愛された名優に
心密かに憧れています。

仕方なくDVDで観ることもあるのですが、
できることなら、
またいつかスクリーンで観たいと思っています。

2009年11月26日木曜日

「アメリカの鳥」進まず

読書が進みません。
「アメリカの鳥」はまだ3分の一くらいで止まったまま。

タイトルに“鳥”と入っているのが気に入ったのですが、
アメリカと特定しているのだから、
やはり“アメリカの鳥”なのです。

アメリカなので進まないのもあるけれど、
几帳面な緩みの無い文章にも、なかなか馴染めません。
こんなふうに神経質になっていたら、
ほんとに読めなくなってしまうので、
ちょっと勢いをつけて、駆けてしまおうと思います。

2009年11月25日水曜日

本屋さんにて

久しぶりに本屋さんに立ち寄りました。
ずーっと前は毎日寄り道しないと済まなかったのですが、
最近は1,2週間に一度くらいです。

「ビカミング ジェイン・オースティン」が気になります。
新書などでオースティン関係の本は読んだりしていますが、
これは読む価値あるのかな?
候補に挙げておいて、しばし保留です。

うろうろしていると、
猫の面白い本を見つけました。
猫の習性について解説してあり、
岩合さんの絶妙な写真が載せてあります。
タイトルは忘れてしまいましたが、
猫と暮らすのを夢みている者には、
ぴったりかもしれません。

そしてやはりレヴィ=ストロース、
著作、関連本が並べられていました。
素人でも読めそうに感じていた
「悲しき熱帯」ⅠとⅡ 中公クラシックスを
買うことにしました。

今回はこれだけです。
遊びの本を買わなかったなぁ。

2009年11月24日火曜日

「作家の家」

「作家の家」 F.プレモリ=ドルーレ著 E.レナード写真
博多かおる訳 鹿島茂監修 西村書店

この大判の写真集を見つけたときは、
実にどっきりしました。
作家の創作現場でもあり、生活の場でもあった“家”に
とても関心があったからです。
ときめきながら目次を見ると、
ユルスナールも入っているではありませんか。
嬉しくなってすぐ手に入れました。

美しい写真に、作家の家との関わりと人生について、
優雅な文章が添えられています。
一度に読んで、見てしまうのはもったいなく感じて、
時折引っ張り出してきて、ゆっくりと眺めています。

20人の作家の家が紹介されていますが、
全く知らない作家もいて、そうか、ふむふむ、です。

これからは、ここに登場する作家の本を読むときに
これを広げれば、さらに一足踏み込むことができそうな気がします。

紹介されている作家たち
プロローグ:マルグリット・デュラス
1.カーレン・ブリクセン
2.ジャン・コクトー
3.ガブリエーレ・ダヌンツィオ
4.カルロ・ドッシ
5.ロレンス・ダレル
6.ウィリアム・フォークナー
7.ジャン・ジオノ
8.クヌット・ハムスン
9.アーネスト・ヘミングウェイ
10.ヘルマン・ヘッセ
11.セルマ・ラーゲルレーヴ
12.ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ
13.ピエール・ロティ
14.アルベルト・モラヴィア
15.ヴィタ・サクヴィル=ウェスト
16.ディラン・トーマス
17.マーク・トウェイン
18.ヴァージニア・ウルフ
19.ウィリアム・バトラー・イェイツ
20.マルグリット・ユルスナール

2009年11月23日月曜日

荷風は“かふう”と読む

「ふらんす」12月号の特集は“永井荷風の仏蘭西”です。
荷風を“にかぜ”と読んだ学生がいる、とあるので、
荷風に関して何も知らなくても“かふう”と読めるだけ良しとして下さい。

この特集に目を通すと、
荷風が100年前にフランスに滞在した折、
どういう感じであったか少しだけわかります。
要は銀行マンという仕事は満足にはしていなかったらしい。
でも100年後の現在では、
荷風が作家として成した仕事で十分なのでした。

荷風の作品のどこから手をつければよいのか、
よく解らなくて、とりあえず「ふらんす物語」だろうと思ったのですが、
さてはて、どうでしょう?
読まないで悩むより、まずは読んでみた方がよいですね。

2009年11月22日日曜日

「手帳300%活用術」

普段持ち歩く手帳をもっと楽しく有効に活用できないかと、
いつも首をひねっています。
ビジネス雑誌ではよく特集が組まれていますし、
女性用の雑誌も特集があるときは目を通すようにしています。

自分に見合った使い方というのは、
自分のニーズに応えなければいけません。
その自分のニーズを心得ているつもりが、
どこか抜けているようなのです。
で、もう一度復習してみようと、
「手帳300%活用術」日本能率協会マネジメントセンター
をめくってみました。

基本的なことから、ちょっとしたアドバイスまで、
手帳を利用することに関して事細かく書かれていて、
どこからでもヒントを得られるような作りになっています。

生活や仕事を充実させてくれるように、
手帳を有効活用することが、
手帳好きの人の最終目的ではないでしょうか。

手帳ともっと仲良くできるように、
アドバイスに耳を傾けたいと思います。

2009年11月21日土曜日

「アメリカの鳥」を読み始めました

マッカーシーの「アメリカの鳥」を読み始めました。
興味深い本が並ぶ河出書房新社の全集の案内を見ていて、
青年がパリで大人になってゆく話だそうだし、
タイトルもなんだか気になって、
是非読んでおこうと思ったのです。
今のところ、主人公は幼さの残る年ごろで、
舞台は出身地のアメリカに居る部分です。
アメリカ文化に親しめない者には、少々我慢というところ。

文化に関しては目をつむるとして、
内容はとても細やかでデリケートです。
微妙な年齢の男の子の心理状態を、
丁寧になぞってあります。
このような巧な表現によって、
主人公の心理や、とりまく環境、
周りの人々の性格や関係などが少しずつわかっていくところが、
妙味です。

そういえば、と
最近読んだナンシー・ヒューストンの「時のかさなり」 新潮クレストブックス
を思い出しました。
冒頭の章ではアメリカの少年が主役だったのです。
作為的とも思える、非常に現代的な生活を送る少年の描き方に、
少々抵抗を感じました。
とはいえ、そこから時を遡って、複雑な過去へと導かれ、
作品としては大変重みのあるものでした。
名前からは判別できませんが、
ナンシー・ヒューストンはフランス人として、
フランス語で作品を発表しているようです。
ちょっと気になる作家だと、注意しています。

次から次へと読みたい本が出てくるので、
忙し、忙し、です。

2009年11月20日金曜日

アンリの神の手

来年南アフリカで開催されるサッカーのワールドカップに
出場する全32チームがついに出揃いました。
フランスも滑り込みセーフで面目を保ちましたね。
アンリのアシストが実はハンドだったそうで。
主審が見逃してくれたのですね。
ワールドカップでアンリが活躍するところを観た覚えがないので、
このベテランにも本番ではぜひ足か頭で決めていただきたい。
(※観た覚えがないというのは大げさで大変失礼です。)

アルゼンチンも出場を決めましたが、
あの監督なので、メッシの活躍をどこまで観れるか心配です。

なんて偉そうなことを言っておりますが、単なる見物人でしかありません。
それでもワールドカップを観るとそのレベルの高さに目を回し、
狂喜してしまいます。
もちろん日本にもがんばっていただきたいです。
来年の6月ですから、まだ半年以上ありますが、
ハイクォリティのゲームに今からワクワクしています。

2009年11月19日木曜日

しょげ日

なんともお恥ずかしい話ですが、
本日は、しょげにしょげた、しょげ日でした。

一年に何回かあるものですが、
ここのところ気になることがいくつか続いており、
今日はピークだったような気がします。
明日からは減っていって欲しいのですが、
やはり必要なのは猛省でしょうか。

2009年11月18日水曜日

「説得」

「説得」 ジェイン・オースティン著 中野康司訳 ちくま文庫

オースティンの6作品のうち一番最後に書かれたもので、
他の作品と比べると表現が落ち着いており、
展開も比較的ゆったりとした内容です。

主人公のアンは控えめで年齢も27歳と大人の女性です。
自分の意見をしっかり持っており、知性も教養もあり、
もちろん振る舞いも上品、冷静な判断力も備えています。
そんなアンの穏やかで落ち着いた人柄には親しみを感じられる人も
多いのではないでしょうか。
オースティンの作品のヒロイン達は才気に溢れた女性も見られますが、
最も心を通わせることができそうなアンがとても好きです。

アンには不幸なことですが、
あいかわらず滑稽な人々も顔を並べていて、
悪漢も登場します。
アンの相手のウェントワース大佐の心情が
もう一つ解りにくいのですが、
最後には明らかにされますし、
エンディングで著者による登場人物の説明が補足されていることも、
他の作品より納得が得られる仕掛けになっています。
とても暖かい心の通った思いやりを大切にした内容は
主人公のアンにふさわしいと思います。

この作品も中野さんの新訳で、
より現代的に読みやすくなっています。
これで、3パターンの訳に接したのですが、
個人的には富田彬訳の「説き伏せられて」岩波文庫が、
古風な趣きで情緒が豊かに感じられ、
落ち着いた読書が楽しめたように思われます。

2009年11月17日火曜日

DEWでカット

朝から冷たい雨が強く降っていました。
事務所も寒く感じて、
足元のヒーターを入れました。
隣の男性Fさんが、
「寒さはまだまだこれからですよ」
と脅かします。
膝には優しい上司M氏からいただいたひざ掛けを。
真紅の地に白でお家とか小鳥とか可愛い絵が描いてあり、
軽くてお気に入りです。

そんな寒い日でしたが、
予定どおりにカットに行ってきました。
月に一度の楽しみです。
とても優しく素敵なスタイリストのKさんに、
綺麗に仕上げてもらいます。
自分ではうまくスタイリングできないので、
今日はかっこよくセットしてもらいました。
帰りは少々首筋が寒かったのですが、
気分は上々です。

2009年11月16日月曜日

かまきり救出大作戦

午後、陽の明るい時間に外に出てみると、
50台は入る駐車場の真ん中に
かまきりがいるのを発見しました。
まさにアスファルトの大平原に、
ぽつりと一匹さまよっていたのです。
これは大変と、大急ぎで助けあげました。
片手ですんだので、体力は必要ありません。
一番近くの草むらに向かいます。
所要時間180秒。
安全な場所に放しました。
手前の草陰に舞い下りたのを確認して、
一安心。
立ち去るとき一瞬、
かまきりの目がきらりと光ったように見えました。

2009年11月15日日曜日

本の小箱たち

小さめの揃いの箱に本を詰めて保管しています。
「高慢と偏見」を探そうと、
いくつかの箱を出してきました。

お目当ての本は見つからないのですが、
以外な本たちが現れました。
もうすっかり手放していたと思っていたものです。
ヴァージニア・ウルフの数冊、
ヴィタ・サクヴィル=ウエストの庭の本、
パヴェーゼの数冊、
ベンヤミンの数冊、
ヴァレリー・ラルボーも出てきました。

片付けたときはきっとまた必要になると考えたに違いありません。
そう思うと、時間を経て自分が変化していることにも驚きます。

また時間を取って、
落ちついて整理をしようと、
そのまま元に戻しました。
その時には、
心の整理もできるだろうと思うと、
嬉しさと、寂しさとが混在した複雑な気持ちです。

2009年11月14日土曜日

1964年の「ハドリアヌス帝の回想」

手元に1964年発行の「ハドリアヌス帝の回想」
マルグリット・ユルスナル著 多田智満子訳 白水社があります。
すっかり赤茶けていて、
軽いフランス装なので表紙もだいぶ痛んでいます。

これは父親の書棚にあったものを譲ってもらったものです。
子供の頃から背表紙だけは見ていたので、
こういう名の作家がいることだけは知っていました。
まさか、今になって自分がこの作家にこれほど親しみを持つようになるとは、
思いもしませんでした。

2,3年前にこの「ハドリアヌス帝の回想」に挑戦してみたのですが、
とても難解で、想像力も及ばず、
一通り目を通しただけに終わってしまいました。
ギリシア、ローマ時代に関する知識が無さ過ぎることも大きいと思います。
もうちょっと準備をして、
しっかり読めるようになりたい。
遥か彼方の時を越えるためには、
どのような支度が必要なのでしょうか。

2009年11月13日金曜日

どんぐり

しばらく暖かな日が続きましたが、
秋は静かに深まっています。
桜の葉も赤くなりぱらりぱらりと散っていますし、
山茶花の花も咲き出しました。

駅のそばに大きなどんぐりの樹があります。
足元にどんぐりを見つけるまで気がつきませんでした。
見上げると小さなどんぐりの実がたくさん生っています。
秋の実りに嬉しくなりました。

煉瓦敷きの歩道には、
ぽろりぽろりとどんぐりの実が落ちています。
哀れ、次の世代を向かえることができません。
この頃は子供の遊び道具にもなりません。

慰めの言葉はどこへやら、
茶色い丸々とした姿を見て、
つい踏みつけてみたくなりました。
ぽんと一踏み、
ぱちりといい音が鳴ります。
縁起のいい音だと楽しくなって、
ぱちりぱちりと踏みつけてまわります。
少々後ろめたく感じながらも、
これから毎秋の風物詩になりそうです。

2009年11月12日木曜日

「ノーサンガー・アビー」

「ノーサンガー・アビー」 ジェイン・オースティン著 中野康司訳 ちくま文庫

オースティン20代の処女作、意欲ある作品です。
それまでのヒロイン小説の概念をことごとくひっくり返し、
パロディ化して、新しいヒロイン像を作り上げています。
小説に対する意識も盛り込まれていて、
読者にも容赦がありません。

とはいえ、作品そのものを現代において読んでみるならば、
筋も内容も面白いのですが、
少々理屈が多く、
多少強引で、
作者の意図がはっきり出ている点において、
その後に書かれたものより、
楽しみにくいように思えます。
ちょっと厳しいでしょうか。

2009年11月11日水曜日

ISLAYと「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」

ISLAYという名のBarでウィスキーをいただきました。

まず、大好きな定番Laphroaig10年をストレートで。
次は林檎の香りが特徴のArdbegをストレート。
三杯目はちょっと度数の高いCaolila26年をストレートで。

どれもとても美味しく、
心地よく酔いがまわりました。
同伴の2名が楽しくおしゃべりをしているのを聞きながら、
ゆっくりくつろぎます。
ウィスキーを飲むときは、
必ずこのお店と決まっています。
種類が豊富で、
微妙なニュアンスを汲んでくれるマスターが居るのです。
一瞬この時間がいつまでも続いたらいいのに、
などと思ってしまいます。

ウィスキーについて知識はなくても楽しめるのが、
「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」 村上春樹著 新潮文庫
です。
村上春樹さんの本は基本的に読みませんが、
この本はウィスキーを愛する気持ちを共有できる、
嬉しいエッセイです。
美しい景色の写真も多くて、
遠いアイルランドに出かけたくなってきます。

2009年11月10日火曜日

「高慢と偏見」

「高慢と偏見」 ジェイン・オースティン著 中野康司訳 ちくま文庫

オースティンの作品はいずれも大変面白く読めますが、
中でもこれは傑作といっていいでしょう。

文章のシンプルさを基本に、
物語の筋、展開、人物造詣、
背景、会話の妙味、
どれをとってもバランスが良く、
客観性が保たれており、
流れもスムーズで、無理がありません。
欠点があまり無いように思えます。

筋を追うだけでも充分楽しいですが、
この作品は主要人物のダーシーとエリザベスの
精神的成長を掴んでいくのが重要です。
タイトルの意味がよくわかります。

この新訳で読みやすくなり、
理解しやすくなっています。
旧訳にもそれなりの良さがありますが。

ちくま文庫からは、
エマ・テナントによる続編も出ています。
一読しましたが、
個人的にはあまり必要はないものと思います。
続編というのは難しいところです。
水村美苗さんの「続 明暗」ような作品もあるのですから。

これで勢いが点き、
オースティン街道をもう一歩進みます。
今日から「ノーサンガー・アビー」です。
一番大好きな「説得」を最後に持ってこようと思います。

2009年11月9日月曜日

Brad Mehldau

ブラッド・メルドーはジャズピアニストとして、
人気も実力も兼ね備えた人ですね。

よく聴いているのは「House on Hill」。
何度聴いても新鮮で、飽きることがありません。

理知的な響き、両手の巧みなタッチ、
パッションも溢れていて、
つい聴き入ってしまいます。

ライナーノートも自分で書いてしまう程の
こだわりと知性の持ち主だそうですが、
音楽だけでも十分に思えます。

パット・メセニーとのカルテットも快作です。
異質なもの同士のように思えますが、
これが素晴らしいコンビネーションで、
新しいジャズを聴かせてくれます。

2009年11月8日日曜日

「高慢と偏見」読書中

買ったばかりの「高慢と偏見」ジェイン・オースティン著
を読んでいます。
とても読みやすくわかりやすい訳で、
驚いてばかりです。
このシーンでこんな表現がされていたのか!
などと、別の本を読んでいるような感覚もあります。
もちろん筋も人間造詣も同じではあるのですが、
現代風にすると、こんな言い回しができるのだと、
感心しています。
読み終わったら、岩波文庫と照らし合わせてみようと
思っています。

2009年11月7日土曜日

ブリヂストン美術館のカレンダー

机の上に置いてあるのは、
ブリヂストン美術館の小さなカレンダーです。

11月は佐伯祐三の《Cordonnerie(靴屋)》
白い壁に大きくCordonnerieと描いてあって、
小さな間口に靴らしきものが吊り下げられています。
横にあるこれまた小さな棚に載せてあるのは、
たたんで積んであるのでエスパドリーユでしょうか。
庶民はきっとこういうつつましげなお店でお買い物をしたのでしょう。

右手の鉄柵は建物の入り口に当たるのでしょうか、
中は真っ暗です。
足元の暗灰色の道にお店の白い壁がくっきりと浮かび上がります。
いつもの佐伯祐三の絵より、落ち着いた感じがする絵です。

来月はマネの《オペラ座の仮装舞踏会》、
今年もあと1ヶ月とちょっとになりました。

2009年11月6日金曜日

「はじめての構造主義」

「はじめての構造主義」  橋爪大三郎著 講談社現代新書

この世の中というものをどう捉えたらいいのか、
長い間悩み続けていました。
何か基本になる考え方、見方があるはずだと思っていたのです。
人に聞いてみたりしてもしっくりくることはなかったし、
哲学や宗教の本は難しすぎました。
自分を主体にして考えすぎていたのかもしれません。
様々な考え方があり、
答えなどないのだと思い始め、
自分が納得するものは自ら構築するしかないのだと、
年を経るにつれ悩むことも薄らいできました。

身辺にも色々あって、
一つ、二つの山を越えた頃、
この小さな入門書と出会いました。
とてもわかりやすく、
こういう考え方があるのかと驚きました。
すばらしく明快に感じたのです。
そこでレヴィ=ストロースやフーコーの仕事について
簡単な知識を得ることができました。

実際には、この哲学者たちの本を読むまでには至っていません。
眼前にヒマラヤの峰々のように高く聳え立っています。
これらを読むためには、ギリシア哲学、カントやヘーゲル、
ニーチェ等についても知識が必要でしょう。
気が遠くなりそうです。
いつか読む機会を作ることができれば幸いだと考えています。

なぜか戦後活躍した哲学者、思想家たちは、
早く亡くなった方が多いように思えます。
その中で、レヴィ=ストロースは100歳まで生き、
21世紀を見ることができたことをどう感じていたでしょうか。
訃報に接し、その功績と100歳という年齢を想い、
考えることはいくつもあると感じています。
こんな頭でポケっと思いつくままですが。

2009年11月5日木曜日

ワンピース

とことこと地下に広がるお洒落な街を歩いていたら、
ふと目に入ったのが、
ちょっとマルジェラ風のすとんとしたワンピース。
とっても可愛い☆とラブリーな気分で手に取ると、
よく行くお店にも置いているブランドの物でした。
よし、次の機会にBshopへ行こう!
心はあのワンピースで一杯です。
そう、こういう浮ついた状態は好ましくないです。
浮つきから脱出するためにも早くBshopへ行ってきます!?

2009年11月4日水曜日

「フィレンツェ」

「フィレンツェ」 高階秀爾著 中公新書

副題に初期ルネサンス美術の運命とあります。
15世紀ごろのフィレンツェの美術が
政治、経済、社会、思想等の影響下に
どのように発展し、衰退したのか考察しています。

フィレンツェの隆盛は、
まず、メディチ家の興隆による、
経済的発展、維持が基盤となっています。
また市民の気質にも特徴が見られます。
コンスタンティノープルの陥落により、
イスラム圏の影響もあるようです。
特に中世から大きく変化のある思想面、
ユマニスム(人文主義)の開花が
大きく影響を及ぼしていると思われます。

このユマニスムは中世的思想と、
古典的思想を結びつけるものとして
神の前にある人間の理性的存在を肯定するといった、
新しい概念だったとのことです。
これについて高階さんは非常にわかりやすく、
具体例を多く挙げて書かれています。

「春の戴冠」に登場していた人々も登場しています。
あの温厚なフィチーノ先生が、
ヨーロッパ中に知られるほどの重要な人物であったということも
ようやくわかりました。
ボッティチェルリが線描表現にこだわった理由についても
述べられています。

残念なことに、この時代は長くは続かなかったのでした。
数々の天才たちを生み出したフィレンツェが
急速に没落せざるをえなかったのは、
政治的な面だけでなく、
この街の気風にも原因があったようです。

今もその美しさを留めているフィレンツェを一度は訪ねて、
当時の栄華を偲んでみたいと思っています。

2009年11月3日火曜日

寒さがやってきた

今日はとても寒い一日でした。
と言っても北国や日本海側のように雪が降るほどではありませんが。
ちなみに住んでいるここは奈良です。

昨日は猛烈な風が吹き、
一気に冷え込みました。
この文化の日に秋薔薇を見に行こうと考えていたのですが、
強風で薔薇も散ってしまっただろうと、
諦めてしまいました。

寒さにとても弱いので、
毎年のことながら
これから冬に向けて不安です。
乗り切ることができるのかしらん。
きっとこのブログでも
寒さの話題が多くなると思います。

2009年11月2日月曜日

お仕事

週のうち5日は
お仕事です。
デスクワークをしています。
電話を取ったり、
データをパソコンに入れたり、
経理処理をしたり、
資料をまとめたり、
レポートを作成したり、
勤怠管理をしたり、
出納もしたり、
お片づけや、
洗い物まであれこれ、
つまりなんでも屋さんです。
用事が重なると大忙しです。

週に2回は電車に乗って遠方へお使いです。
今日もてくてく出かけます。

2009年11月1日日曜日

お昼寝

日頃から睡眠をしっかりとらないと、
全く調子が上がらないので、
(機嫌が悪いという声もあります)
夜はたっぷりと寝ているのですが、
この上にお昼寝をしてしまいます。

これが気持ちいいのですね。
おだやかに過ぎる時間を満喫して、
ひたすらぐうぐう寝ています。

この時間を読書やら片付けやらに
使うのが理想です。
まったく睡眠ばかりに人生を費やしているようです。

寒くなってくるとさらに布団が恋しくなりますね。