2010年11月28日日曜日

このごろの読書

このごろの読書と言ってもホントはあまり読めていないのが実情です。
読書の楽しみを知っていながら読まないなんて、
自分でも不思議ですが、
疲れて頭が回らないって言い訳をして、
時間よりも体力が欲しいところでしょうか。

ユルスナールの「目を見開いて」は少しずつ進んでいます。
内容がユルスナールの関わる広範囲に渡っていることと、
ユルスナールの言うところをしっかり読もうとすると、
一度にたくさんのページを進めることができません。
ぱっぱっとインプットできればいいのでしょうが、
自分の飲み込みの悪さにはもう諦めがついているので、
ゆっくり行くことにしています。

他には絲山秋子「ばかもの」と「妻の超然」を読了。
この作家については色々と考えることがあるのですが、
あまり無責任な発言は慎みたいと思います。

本を買うことも最近は控えめです。
先日手放すための整理をしていて、
自分が読むには限界があることを痛感したものですから。

「アガタ/声」 デュラス/コクトー著 渡辺守章訳
これは渡辺氏が演出をされた作品で、且つ訳をされているので、
戯曲はほとんど読みませんが、目を通してみたいと思ったのです。

「ヨーロッパのキリスト教美術」上・下 エミール・マール著
ヨーロッパにおけるキリスト教美術はどうしても気になってしまいます。
小説類より後回しにしてしまっていますが、
それはあまりにも深い関心と学業と時間が必要だろうから。
いつかこの分野についてしっかり勉強してみたい、一つの夢です。

「流跡」 朝吹真理子著
今話題の作家・作品です。
読むつもりでは無かったのですが、
店頭で見たら読みやすそうな装丁・活字だったので、
思いがけない出会いがあるかもと手に入れました。

次に大型の本屋さんへ行ったら、
岩波文庫の吉川一義訳のプルーストを買う予定です。
来年の後半から鈴木道彦訳のプルーストを読む予定なのです。

※※※

昨晩、急にしんみりと心に染み入る文章が読みたくなって、
須賀敦子さんの「遠い朝の本たち」をぱらぱらと読んでいました。
須賀さんの言う“まいったなぁ”という言葉が出てくるような、
柔らかな語り口の中にしっかりと核のある思想と人格に
またしても圧倒されました。
どうすればこのような読書ができるのだろう。
文章力はさらに素晴らしいものがある。
人間形成ができてないとだめなんだろうなぁ。
ためいきとともに、本を閉じて休んだのでありました。

2010年11月24日水曜日

整理をいろいろ

お家のリフォームに合わせて、
色々と片付けをしています。

自分のお部屋も同じくです。
ピアノを処分した場所にチェストを持ってきました。
使いやすいように考えて、
中身をあれこれ入れ替えてみました。

きれいなリボンや箱、布切れ、雑貨類を入れていたのですが、
ほとんど使うあての無いものなので、サヨナラしました。
変わりに日々使う雑貨や化粧品、お薬などを格納。
よく着る服類なども整理して、
取り出しやすい引き出しにイン。

ここまでは想定どおり。
整理する予定の中で一番重要なのが紙類なのです。

本棚の下の段にぎっしりと詰まった切り抜き、長期保存の大型本。
これを今回ばしばしっと整理しました。

ジャンル別のファイルを見直して、取り出したり、閉じ直したり、
破棄した類をしばったり、本もばらしたり、切り抜いたり。
大切なところだけを、とっておきだけを置いておくのです。

これらの整理もかなり進みましたが、
まだ映画と絵画関係のファイリングが残っています。
それと仏語のお勉強用資料をどうしたものかと悩んでいます。

ファイリングの基本は野口先生の超整理法にのっとって時系列です。
ファイリングそのものをあまり考えずにすむのが利点です。

ダンボール一箱分は処分したけれど、
もっとスリム化したいところです。
整理も思考と同じくある程度の時間、満ちる時間が必要です。
ある時期が来ると、思いがけないくらい簡単に物事が解決したりするのが、
不思議です。

2010年11月21日日曜日

風邪引き

先日の風邪が治ってくれて、
身体が普通に元気であることのありがたさを痛感していたら、
またまた風邪にかかってしまいました。
今度はお腹の風邪。お腹、激痛。頭痛がんがん。熱っぽい。

成人してから風邪をひくのは
年に一度か、二度。
冷え性、寒がりなので、
すごく気をつけているつもり。
でも今の職場に来てから体調を崩してばかりです。
去年は四回も引いてしまった。
こういう時はインテリジェントオフィスがうらやましいです。
うちの職場はほとんど小屋といっていいような所です。

優しいかかりつけの内科の先生のところへ駆けつけて、
早く治すぞ~。
普段からよく寝ているけれど、
さらに睡眠時間を増やします。

来月は誕生月。
クリスマスは全然関係のないことだけど、
12月は忘年会やら飲み会やら集まりも多い時。
その次にはお正月が待っています。
しっかり食べて、しっかり寝て、
乗り切らねばなりません。

2010年11月17日水曜日

晩秋

今年は秋が早足で過ぎ去ってしまいましたね。
とはいえ、紅葉はまだ見ごろです。
金色に光る銀杏がすっくりと立っています。
桜なども赤くなった葉が陽に透けて見え、
近くでも様々な色模様で美しい。

遠めに眺める山々も深い緑に、
茶褐色や赤に黄金色が混じって、
しみじみと秋を感じます。

今年はどんぐりが少なく、
昨年踏みつけて回ったところも、
一粒、二粒と数えられるくらいです。
見上げても確かに生っていない。
これでは熊たちも困るわけです。

もう11月も半ばを過ぎました。
年末の用意も少しずつ始まっています。
月日の流れることのなんと早いことよ。

今年中に「目を見開いて」と、
「プラテーロ」と「ゼラニウム」、
「夜よりも大きい」を読んでしまおう。
来年の読書計画を立てることもまた楽しみです。

2010年11月14日日曜日

音楽遍歴 その2

ポピュラー音楽に少々飽きが来て、
何を聴こうか迷っていたころに、
Bill Evansと出会いました。
ジャズという匂いをあまり感じずに、
すんなりと入り込んで、
気持ちよく次々と聴いていました。

そうなると、そのほかのジャズ・ピアニストが気になってきました。
手元に手ほどきになる紹介本を置き、
Thelonious Monk、Sonny Clark、
Keith Jarrett、Chick Corea、
手当たり次第に聴いていきましたが、
心をつかむほどしっくりときません。
とにかく人によってスタイルも違っていて、
別の音楽が奏でられていることに、
ジャズの奥深さを知った次第です。

そのころになると当然のごとくMiles Davisの名前が
目に留まるようになりました。
まず「Kind of Blue」です。
これでノックアウトされました。
完璧な音楽がそこにありました。
パッション、ソウル、じっくりと心に染み入る音色。

それ以来、基本的にはMilesから浮気することがありません。
ジャズの基本はMiles。

思い出せば、それ以前にMilesを聴いたことがありました。
映画「死刑台のエレベーター」 ルイ・マル監督 のサントラです。
この映画、ほとんどアメリカの映画しか観た事がなかったので、
まさに衝撃でした。
これが本当に観たかった映画だと感激しました。
ここにもフランスを意識するきっかけがあったのです。
このサントラがとてもかっこいいのです。
画面との呼吸がぴったりあっていて、素晴らしかった。

Milesおたくのようなことを言っていますが、
実態は入り口で留まったままです。
聴き応えがあるので一枚買ったら、すごく長持ちします。
これからもじわじわとMiles道を進んでみたいと思っています。

2010年11月10日水曜日

「パリのすみっこ」

「パリのすみっこ」 鈴木るみ子編 マガジンハウス

雑誌「クウネル」のパリに取材したものが、
一冊の本にまとまりました。

パリに古くからあるお店を訪ね、
じっくりとその歴史と歴代の店主のポリシーを聞いたり、
個性的なお店のその由縁を辿ったり。
パリに住む庶民の声が聞こえるような、
生活に密着した食べ物の話題があったり。
もちろんパリに相応しいワインやパンなどの
紹介もあったりします。

もう日本にはパリのあらゆることが、
あらゆる角度から紹介されていて、
情報は溢れるばかりです。
今はその中から自分にぴったりの情報と話題を
選び出すことが納得への一つの鍵だったりします。

この本が伝えるのは、お店の情報に終わりません。
パリに携わる人々や、
お店の成り立ちにまで目を配ることによって、
個々の魅力が集結して魅惑のパリが作られていることが見えてくる
成りたちになっています。

一つの街に生きる人々の日々の生活から、
街は輝きを放ち始めるのでした。

2010年11月7日日曜日

あともう1イニング

プロ野球日本シリーズが最終局面に入っております。
目が離せません。

クライマックスシリーズあたりから、
ぽちぽちとゲームを見ているのですが、
こういう大座をかけたゲームとなると、
シーズンとはまた違った緊張感と迫力に
圧倒されます。
こんなにいいチーム、いい選手なんだ!と目をみはり、
見ごたえのあるゲームに大満足。

いいゲームを楽しめる、これがファンの一番の喜びではないでしょうか。

ああ、来年こそ広島CARP、いい結果を出して欲しい・・・
野村監督、よろしくお願いしますよ!

2010年11月3日水曜日

「ペルセポリス」

「ペルセポリス」 マルジャン・サトラピ著 園田恵子訳 バジリコ

しばらく前に話題になったアニメーション「ペルセポリス」。
イランの女の子が主人公の話ということを耳にして、
とても観てみたいと思っていましたが、今のところチャンスがありません。

と、おもいがけなくジュンク堂三宮店で親本を発見しました。
もう5年も前に出ていたのですね。
ぱらぱらと捲ってみると漫画というかバンドデシネというか、
すごく力強い筆致でシンプルに描かれた絵がぎっしり詰まっています。
これは映画を観るよりも良いかも!と手に入れました。

話は実話で、1969年にイランのリベラルな上流家庭に生まれた少女マルジが、
テヘランで育ち、イラン革命、イラン・イラク戦争を経験し、
オーストリアでの留学生活を経て帰国、戦後のイラン社会の中で
揉まれながら病に伏せたり、大学へ進学したり、結婚したり、
離婚したり、の大きな起伏のある人生を送っている状況をリアルに記述したものです。

イランについてよく知らない、イスラム教社会であることくらいしか知らないのですが、
このような体験談を読むと、日本とは大変違う社会であることと、
社会の違いによって人生が大きく変わってくることを痛感させられます。

リベラルな家庭に育った著者は、自分なりの社会観や人生観を
体験することで学び、構築させていきます。
このことがとても重要なことです。
民主主義の日本の社会に育ったものは当たり前のように
自分に今ある社会観や人生観を自由に扱えると考えているようですが、
反って方向を見失いがちなように思われます。
自分の考えをしっかり持つ。
おばあさんの言う「公明正大」に生きるということ。
これらは教えられる機会がないときには、
自ら見出さなければなりません。

がんばれ、マルジ!

著者は現在フランス在住。
フランスでは4巻まで出版されているそうです。
マルジのその後が知りたいです。