2018年5月6日日曜日

復調までには至りません

3月末から療養休暇、そして短時間のリハビリ出社を経て、
短時間勤務に入りました。
そのタイミングでこのゴールデンウィーク。
ほぼ一か月以上、仕事らしい仕事もせず、
お薬の効果もあり、自由な時間はほぼ寝てばかりしています。


頭が動かないことや、頭痛、倦怠感などは消え去り、
ひどい状態からは抜け出た感じではありますが、
まだ身体を動かすのも、頭を動かすのもおっくうです。
テンションが全く上がらない。


明日からまた短時間勤務再開ですが、
それさえも気が重く、どんよりしています。


特効薬ってないかしら。


庭の薔薇を摘んだり、京都へお散歩に出かけたり、
気持ちが晴れるようなことはしているのですが、
大好きなバンドのvideoを観るには体力が続かず、
集中力も途切れてしまいます。


会社との関係もよくよく洗い出してみると、
かなり複雑になっています。
このまま継続して在籍できるでしょうか。


とりあえず、元気になりたいです。
どうしたら、いいかしら。

2018年4月27日金曜日

盗み見

盗み見、なんて聞こえが悪いのですが、
間違いなくそういう行為です。
電車の中で隣の人が何か読んでいるとすると、
ついつい開いた頁を覗いてしまいます。


そういうことはありませんか?


目をぐーっと横にやって、ちらり。
何かの単語が見えると、なんとなくジャンルがわかりますね。


割合として多いのが、時代小説。
なんとか藩、とか、せりふで、ああ、そうか、と思うわけです。
人気があるなぁ、江戸時代を舞台に書かれた小説。
本屋さんでもかなりの並べ方ですね。


それが、先日、首をかしげてしばらく考えたことがありました。
字面から現代小説らしい。
イーヨーという言葉が見えましたが、
プーという言葉はなさそうです。
そして、僕、メタファーという言葉がちらりと見えました。
その上、ゴシックの太字の行もあります。
これは難解な小説だ。
で、ようやくわかりました。
大江健三郎さんでしょう、きっと。


読んでおられたのは、年長の女性の方でした。
私なぞ歯が立たない大江さんの小説を電車の中で集中しておられる。
頭が下がりました。


こんな風にクイズのような感じでいるので、
覗き見、盗み見、やめられないのです。
たいへん、失礼いたします。

2018年4月11日水曜日

リハビリ出社

明日12日から出社することになりました。
ですが、仕事はいたしません、リハビリ出社です。
無給でお仕事をせず、まず環境に慣れることから、だそうです。


じっと椅子に座っているだけ?
そんなことできるわけがありませんね。
でも仕事をするわけにもいきません。


尋ねられたことに答える、
どうしてもしなければならない業務を手ほどきし、代行してもらう、
社内のネットワークはチェックしても良いそうです。


それにしても時間がありますね。
なんと、本を読んでも良いとのこと。
猫にまたたび、ツキスミに本とRockですから、
ありがたいことです。


そういうリハビリ出社は19日までの予定です。
その後はまた診察、面接にて、判断が下されます。


とはいっても、また同じ仕事、同じ量をこなすのであれば、
再び同じ不調に陥ります、と話しているのですが、
誰でもそうだと思います。
2週間程度の休暇ですっかり治るわけがありません。
というようなことは、体験者しかわからないことでしょう。
繰り返し説明をし続けるほか、ありません。

2018年4月8日日曜日

休暇中の読書

2週間もの療養休暇、本を読んで過ごしています。


「須賀敦子の旅路」 大竹昭子著 文春文庫
以前、河出書房新社から出ていた土地ごとにまとめられたシリーズが
ありました。そのうちの大竹さんが担当した3冊をまとめ、加筆、
東京編を加えた、重量感のある須賀敦子論となっています。


とてもすらすらとは読めず、毎日二篇ずつ読んできました。
残すは東京編です。


以前も大竹さんが担当した3冊はとても手ごたえがあり、良い本だわ、
と思っていたので、このように文庫にまとめられて、嬉しいです。


いろいろな方が須賀さんについて語っておられますが、
大竹さんも納得できる解釈をしながら、述べられています。


最近になって、自分にとっての須賀さん像がぼんやりと見えてきて、
そろそろ言葉にできるかもしれないと思っているところです。
最初の著作と出会ってから25年以上経ち、ようやく、です。


他に読んでいるのは、
「ルネサンス夜話」 高階秀爾著
「人質の朗読会」 小川洋子著
「パリの異邦人」 鹿島茂著
など、少しずつ並行して読み進んでいます。


ただ、集中力が欠落していて、30分くらい続けて読んで、休憩、
の繰り返しです。なかなか進みません。


さて、病状の方ですが、あまり芳しくありません。
少しずつましになってきているように感じてはいます。
そのような状態がおわかりになるのか、昨日の主治医の診察では、
後2週間の休暇が必要だと思う、とのことでした。
確かに頭も回らなく、PCをさわると頭痛が出てくるので、
まだ本調子とは言えません。
が、後2週間なんてありえません、出社OKにしてください!
とねじ込みまして、とりあえず、12日から出社することになりました。
とりあえず、です。
とても通常ペースではできないと思うので、
休憩しながら、少しずつやって行こうと考えています。


明日、月曜日は産業医と会社との面接です。
それで本格的な話が決まるのですが、
どのようになるでしょうか。


8年同じ部署で仕事をしていて、体調に異常はなく、
9年目に新しい部署の仕事が追加されて1年経ち、適応障害との診断。
これまでやってきたことは、いったい・・・。

2018年3月28日水曜日

とうとう診断書・・・

昨日は月一の診察日でありました。
今月はさらに病状が悪化していたこともあり、
一週間の療養を進められ、診断書が発令されました。


ずっと仕事や会社の状況、人間関係についても、お話していたので、
この状態では、環境を変えるのが望ましいけれども、
そういうことは、意見することはできませんから、とも言われました。


ということで、所属部署の部長に連絡し、
面談、産業医との面談を経て、
最終的には二週間の療養、ということになりました。


この時期は、決算で、年度始めの素晴らしく忙しいシーズンでもあります。
二週間も休むなんて、考えられない!
と主張したのですが、これ以上悪化すると個人も会社も困る、
とのことですので、仕方がありません。


それと、少々の無理をすることに慣れていて、
感覚が麻痺していると思う、とも言われてしまいました。


二週間後、私の席は残っているのでしょうか・・・。
不安の方が先んじて、ほっとするという感じにはなりません。


どうしようもないので、
明日はこっそりと皆のいない時間に行って、
机や書類を整理したいと、内緒で考えています。

2018年3月22日木曜日

体調がさらに・・・

昨年の秋ごろから具合が悪くなって、
せっかく減らしたお薬を元に戻していますが、
まだまだ坂道を下っております。


前頭葉に石が乗っているような重い痛みが一日中続いていて、
身体も動くのがおっくうです。
遠方に出かけることはできなくなってしまいました。


この状態で、一番忙しい4月を迎えるのは、大変厳しいです。


とはいえ、私のような精神的な病気の方ももちろんお仕事をされていて、
皆、お薬で底上げをしながら、仕事に従事し、体調が少しでもよくなるように、努力されているのわけですから、
私もこの状態ではお薬を増量して、対応していくしかありません。


悩みは、周りの人々にはまったく理解できない、ということです。
とてもしんどいのに、元気だと思ってくださっていて。


原因が、仕事量と職場の人間関係とはっきりしているので、
対処できればよいのですが、
なかなか良いアイデアがありません。
この半年悩みに悩んでおりますが、打開策無し。


手探りで次のステップを考えてはいるのですが、
今の体調では、それさえも難しいです。


ので、まずは今の不調を少しでも良くすること、から始めたいと思います。


そういうこともあり、
ブログの更新が滞っており、申し訳ありません。


お話したいことは、たくさんあるのですが、
ぎゅーっと根を詰めることができません。
ん?そんな難しいお話はしておりませんが、
一応考えながらキーを叩いております。


春らしい季節になってきましたが、
安定するまではもう一息ですね。
爽やかな季節が待ち遠しいです。

2018年3月12日月曜日

タブッキの文庫と須賀さんのコレクション

アントニオ・タブッキの「島とクジラと女をめぐる断片」が
河出文庫に入りました。


この本は単行本で読んでみたのですが、
これまで読んだことのあるタブッキの小説と違いがあるような感じで、
あまりしっくりこなかったのです。
タブッキの作品で好きなのは、
「インド夜想曲」
「遠い水平線」
「夢のなかの夢」。
どちらかというと幻想的な作風のものが好ましく感じていましたが、
このクジラは、構成も、内容も、なぜか親しめなくて。


今回の文庫版には堀江敏幸さんが解説を寄せておられることもあり、
再読してみることにしました。
内容がよく理解できない私には、
須賀さんによる訳者あとがきと解説をきちんと読んで、
本の趣旨を理解した上で読んだ方がよさそうです。


と、本をぱらりとしていると、一枚の広告が落ちてきました。


「須賀敦子の本棚」全9巻が6月から刊行されるということです。


第一回は、ダンテ「神曲・地獄篇」。
須賀さんに師事された藤谷道夫さんの手によるものです。
第二回は、キャザー「大司教に死来る」。
これは須賀さんの卒業論文。


監修は池澤夏樹さん。
ついていけるか否かは別として、
まずは手にとってみたいですし、
目を通す必要があるでしょう。


とはいえ、
仕事に追われ、体調不良にくらくらしている今の私に、
この本たちは値があるでしょうか。


須賀さんの本が自分にふさわしいか、
私自身、判断がつきません。


眼と心を洗うために、
与えられたものでしょうか。


そう考えると、
迷いに迷う今の私に大切なのは、
須賀さんのエッセイを再読すること、なのかも
と思ったのでした。

2018年2月25日日曜日

エーコを読んでみたいなどと考えていた日曜日

今日は日曜日。
まだまだ気温は低めですが、
奈良の桜の蕾も少し緑がかって、
梅が咲くのももう一息です。
陽の射す感じも春めいてきたような。
冬のピークを越えて、
少しほっとしますね。


今週後半は、膝の腫れや両手の腱鞘炎に苦しんで、
痛み止めのお薬もあいまってか、
ふらふらで過ごしておりました。
ですので、今日のお休みはありがたくゆっくりさせていただきました。


夜なって、必要なメールをチェックしたり、
作業をしたり、
楽しみにしている知人たちのブログやサイトをチェックしていたのですが、
なぜか、あまり更新されておらず、
じゃ、せめて私は一筆でも、と思った次第です。


ウンベルト・エーコ。
もちろん、「薔薇の名前」から気になっているわけですが、
ここにきて岩波書店から出版された「女王ロアーナ、神秘の炎」で
テンションアップしております。
とても美しい本なのです。
手に取って、これは読むというより、手に入れたい、と。
でも、その本は読むためにあるのですから、
読めないと意味はないですね。
「薔薇の名前」よりか、読みやすいという「パウドリーノ」か。
読める本か、ハマる本か、それとも遠い本なのか。
エーコさん、どうでしょう?


現在、考えなければいけないことがたくさんあり、
おまけに、ぼぅっとする時間には、音楽タイムなものですから、
本を読むことが少なく、
インプットしたくなった時にだけ、気分にあいそうな本を読んでいます。
昨日は、柴崎友香「春の庭」をようやく読んでみました。
ずいぶん昔に書かれた本を読んだときにも感じたのですが、
とても冷静な筆致なのですね、この方は。
視点の動きや、場の写し方など、展開なども含め、
とても丁寧に書かれた、それでいてさりげなさも好感の持てる作品です。
作品としては申し分ない、のですが、
個人的には、もう少し柔らか味とぬくもりが欲しいところで、
ちょっと違うかな?と感じました。
あくまでも個人的な嗜好の問題です。


ここのところ気になるもう一点は、
小川洋子さんの新作が次々と並んでいるところです。
文庫になることは重々わかっているのに、
読んでみたいのです。
小川さんのファンというほどではありません。
「博士」や「ミーナ」「アーケード」などは、あまりしっくりとしませんでしたし、
初期の作品は苦手だったりします。
ただ、好きな作品はとことんお気に入りになるので、
眼が離せない、というところです。
贅沢な悩みとは知りつつも、また本屋さんで悩むことになるでしょう。


お疲れ気味なので、
堀江さんの本は手をつけないままでいます。
ぼんやりとして読むのはもったいないですから。
新刊も出ていますが、本屋さんに行けておりません。
また、のんびりと本屋さんに遊びに行かねばなりません。
一番好きなところですしね。

2018年2月14日水曜日

「変動帯に暮らす覚悟」 「図書」より

「図書」2月号に、
地球科学がご専門の巽好幸氏による
「変動帯に暮らす覚悟」という記事が掲載されています。


これは、日本という国がどういう場所にあり、
そのために、どのような事象が起こり、
また、どのような恩恵を受けてきたか、綴られているものです。


簡単に説明してしまいますと、誤解を招かれないものでもあるので、
あえて避けたいと思います。


日本人はこの日本という土地で、どのように生きてきたか、
災害にどのように対処してきたか、
また、この風土を受け止めつつ生まれた独自の世界観等、
考察は多岐に渡ります。


基本的にはこの土地のあるがままの事実を述べられているのですが、
これを冷静に捉えることが、第一の姿勢だと思います。


メディアでは、恐怖をあおり、責任の所在を中心に報道されますが、
この土地で生きていく限り逃れることのできない事実を、
まず受け止めたいです。


本当に厳しい自然環境であり、
試練をもたらしてばかりいるような土地柄ですが、
何の不安も無い土地なんて、あるでしょうか?


地球が生命を持った星である限り、
私たちもそれをともにしなければならないのです。

2018年2月13日火曜日

「特捜部Q 自撮りする女たち」

「特捜部Q 自撮りする女たち」 ユッシ・エーズラ・オールスン著
吉田奈保子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ


お待ちかね、特捜部Qの最新刊です。
あれから、マークは?アサドは?ローサは?どうなっている?
登場人物のその後も、特捜部Qのその後も、気になる、気になる。


そんな関心から読み始めるのですが、
さっそく、いつものスタートと同じ過去の暗いエピソードから幕を開けます。


この小説の面白さは、多岐に渡ります。
その都度、事件の容疑者、加害者の行動や心理状態がしっかり描かれ、
なぜ、そういうことをするに至ったか?
なぜ、そういう行動をとったのか?
なぜ、そういう結果となってしまうのか?
クラシックなミステリではあまりオープンにされない彼らの状況が、
読者に伝わるようになっています。


で、彼らの次の行動が主人公マークたちの動きと並行して展開します。
つまり、事件を追う特捜部Qと警察の奮闘を縫うようにして、
新しい事件が起きようとするのです。
そして、事件は、常に現代の社会問題を浮き彫りにしているので、
生々しく感じられるのです。
共感できる部分もあったり、同情したり、アホかと思ったり、と、
はらはらどきどきです。


過去の事件を追う特捜部Qが動き、
それに絡まって直近の事件を捜査する警察。
そして、警察内部の力関係。


今回は、これまで不可解だったローサの過去問題も一緒に解かれていきますから、見逃せません。
もうローサ無しでは回らない特捜部Q。
大切な仲間です。


いつものとおり、あれもこれも繋がって、
いつもの登場人物たちもあれやこれやと関係して、期待を裏切りません。


そのうえ、嬉しいことに、ラース・ビャアンから一本取れましたし、
ハーディの体調にも前進が見られました。
ローサも危機を脱出すれば、明かるい未来が願えるようになるでしょうし、
もしかしたら、愛しのモーナも・・・。


登場人物と表現すると退屈なもので、
キャラクターの色が濃い、と言い切ったほうが面白いでしょう。
皆々、個性的なのです、いや、やりすぎか、というくらいです。


このように、複雑に絡み合う時間進行と事件と人間関係ですが、
うまく収めてあるというのが、著者の見事な腕でしょう。


今回、ただ一つひっかかったのは、
ローサと××さんが隣同士というのが、不自然ですね。
ローサは警察に務める若い独り者。
××さんは大金持ちの年長者。
デンマークでは不思議ではないのでしょうか?


期待どおりに、終盤は大劇場と化します。
読者は、やっぱりそうだよね~などと思いながら、
マークたちをいたわって、読了。
で、これからどうなるの?と気になるように仕掛けてあるのも、
いつものとおり。


その都度、今回が一番面白い!と思わされるのも、
凄いところです。


もうベストセラーですから、ミステリ好きの方はご存知でしょうが、
ミステリをお読みでない方にもおすすめです。


2018年2月10日土曜日

石牟礼道子さん 逝去

「苦海浄土」で知られる作家の石牟礼道子さんが10日、逝去されました。


人間として一度は読んでおくべき本の一冊として、
ずっと思いつつも、読めずにおります。


石牟礼さんのことを語るとき、
水俣病を避けるわけにはいきません。


読めずにいるには理由があり、
その理由もお話しすることはできませんが、
石牟礼さんのなされてきたことが、いかに大きく重要なことであるか、
理解しておかねばならないでしょう。


大きな石のように私の心にある存在。


生きているあいだに、石牟礼さんのお仕事を見せていただかねばなりません。


合掌



2018年2月8日木曜日

アシュラ・ル・グウィンの逝去

去る1月22日、作家として名高いル・グウィンさんが亡くなられました。
88歳であったとのことです。


多くの作品があり、
フェミニストとしての側面もお持ちでした。
とはいえ、私自身は作品の一部からその部分を垣間見ただけですが。


子供のころから、猛々しいタイトルの「ゲド戦記」の存在は知ってはいたものの、
争いごとの物語は遠巻きにしていました。
20歳ごろでしょうか、岩波書店から文庫版が出たのは。
何気なく読んでみようか、と思い、手にしました。


すぐに魔法にかかってしまったことはいうまでもありません。
本当に素晴らしい本でした。


読んでしばらくは酩酊状態に陥りました。
それだけインパクトが強く、とても子供が読むものとは思えないくらいでした。
もしかしたら、大人になった人間が頭を打つための本かもしれません。


続刊も読むに至りましたが、
最初の一冊目ほどの衝撃はありませんでした。
どちらかというと社会批判的な側面があるように思われます。
それでも一大絵巻としての素晴らしさには感嘆させられました。


もともと生きるものの成長を描いた作品には誰しもが魅せられる時期が
あるように思われます。
私は子供のころから伝記ものが大好きでしたし、
今もとても好ましく感じられます。
読み方、受取方には違いは年齢に伴い変化がありますが、
この「ゲド戦記」は、まさに迷い子だった時期だっただけに、
あの驚きは今でも鮮明に思い出されます。


この第一冊目は、自分との闘い、出会い、誕生です。
とても激しく、すさまじさもありますが、
純粋にこの力強さには地響きを感じられることでしょう。


アニメの映画も存在しますが、
まったく別物と考えたほうがよさそうです。
良い話を聞いたことがありませんし、
作者自身も否定しているということでした。


今は岩波少年文庫で読むことができます。
大人の方こそ、ぜひご一読を。
作品を読むことで、
ル・グウィンさんを追悼することとなるでしょう。



2018年2月4日日曜日

今年の風邪とインフルエンザ

先週は風邪で寝込んでしまっておりました。


朝目覚めると、とてもしんどく、むかつきがひどく、目がまわるようでした。
幸い休みの日でしたので、再度眠ることにしました。


次に目覚めると、もう食べ物をみても胸がいっぱいで、
口に運ぶことができません。
どうにか、押し込んだものの、しばらくして、戻してしまいました。
こういうことは滅多とありませんから、自分でもわけがわからず。
身体もしんどいので、熱を測ると38℃。
風邪なんだ、とようやく自覚しまして、眠ることにしました。


こんこんと寝続け、翌朝、内科のお医者さんへ。
インフルエンザ検査では陰性でしたので、ほっと一息です。
でも、まったく食欲が無く、むかむかしたままで、
熱のため、身体もしんどく、頭もイタイ。
喉通りがよいだろうとプリンとポカリスエットを買って帰り、
ふたたび、寝始めました。
この日は、お休みするしかありませんでした。


次の日、まだ様子が変わりません。
まだ食べられず、熱も引かず、とてもしんどい。
というわけで、会社に電話し、仕事に支障がないことを確認して、
またまたお休み。
この日も一日寝ておりました。


三日目、ようやくお薬も効いてきたのか、
起き上がることができましたが、まだ食欲はほとんど無し。
この日は定休日だったので、助かりました。
少しずつ身の回りのことをして、明日は出社必須なので、
調子を取り戻せるように、身の回りことなどをしていました。
夜にはお雑炊をちょっと食べて。


四日目、ほぼ無事に出社し、
一日仕事をしてくることができました。


という風邪ひき事件だったのですが、
まわりの人の話を聞いていると、今年のインフルエンザもお腹にくる、
ということで、まったく食べられない、らしいです。
B型は熱も低めで、人によっては楽なくらいだそうですが、
A型の人はたいへんな様子。
今年はいつになく、まわりでも多いのです、インフルエンザと風邪ひきさん。


厳しい寒さが次から次へと押し寄せてきますし、
体調をくずしやすいのかもしれませんね。


まだ2月初旬、お彼岸まではかなりあります。
みなさま、日頃の疲れなどから襲われることもあるやもしれません、
どうぞお気をつけてお過ごしください。

2018年1月31日水曜日

「藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」展

先週のことですが、
西宮市大谷記念美術館に足を伸ばしてきました。
現在開催しているのは、
「没後50年 藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」展です。


藤田と出会ったのはまだ学生の時分で、
エコール・ド・パリに関心を持った頃のことでした。
実際にはどんな絵なのか想像もつかず、
「ユキの回想」などを読んだ記憶があります。
すぐ後、京都の関西日仏学館で「ノルマンディーの春」が見つかり、
それを見に出かけたのが、初めての鑑賞となりました。
少しずつ、藤田の日本での評価についてもわかるようになり、
作品にも触れる機会が増え、
書物としては、清岡卓行さんの「マロニエの花が言った」を読むことで、
自分の中では終着点に落ち着いていました。


実は個人的に、好きな画ではありません。
それよりも、藤田という人間の仕事ぶりに興味が湧くのです。
かなりの仕事量の上、器用さを活かした身の回りの品の作成、
カトリックに帰依するまでは、日本人であることを意識していた様子、
写真で観られる強いまなざし、いったいこの人はどういう人?
と心のどこかにひっかかってくるのです。


今回は、本に関係した絵の展示ということで、
面白そうな企画に惹かれ、出かけてきました。


1920年代からの本の装丁、挿画の数々、
エッチングもあり、戦中の絵画も収め、
日本の雑誌の表紙、新聞連載小説の挿絵、
戦後親しい人へ書き続けたイラスト満載の手紙、
分身のように可愛がっていた猫たちの絵もいくつか、
日本の若手画家への支援の様子など、
通常の絵画展では盛り込まれずに終わってしまいそうな仕事が
たくさん、たくさん展示されていました。


そうそう、こういうところが観たかったんです、とばかりに、
ゆっくりゆっくり眺めまわしておりました。


本などは数十年を超すものばかりですから、
もちろん触れることはできませんが、
めくってみたくて仕方がありませんでした。


これは、本のしごと、というより、
藤田のサイドワークの一面の展示会という様子です。
もうすぐ大回顧展が東京、京都で催されるとのことです。
ぜひ、楽しみに参りましょう。


この様子だと、まだ藤田からは卒業できそうにありません。



2018年1月28日日曜日

太った、痩せた、とスルピリドの話

このブログにおいて、
もう少し詳しく病気の話を書くことで、
元気づけられる人達がいますよ、と
お医者さんからアドバイスされていることもあるので、
私のケースを少しずつ開示してまいります。


発症して21年経ちますが、
この間に私はなんと17キロも太ったのです。
長い間、お腹がすくからちょっと一口食べる、
そのときには、好きなものを食べないとイライラに陥るので、
好きなパンを食べる、ということを続けてきました。
時間はたいてい夕方で、パンを一つ。
これが積もり積もって17キロ。


ちなみに毎食の量はおかわりなどもせず、普通の量だと思います。
夜食は食べませんでした。
ただ、無性にお腹がすくことが、疲れと関係あるのかと思っていました。


これは、実は、お薬の一つドグマチール(スルピリド)を
服用しているからなのでした。


ドグマチールは鬱の薬として使用されますが、
胃薬としても使われます。
胃薬なので、食欲増進の効果があります。
これが原因なのです。


私はドグマチールとの相性が良く、
中心的なお薬として服用しています。
私にとってはお薬は絶対的なものなので、
効果の様子を見ながらも、否定的な発想はありません。


このドグマチールが減ったのは、去年の夏ごろだったでしょうか。
一日4錠を、重い感覚もあったこと、体調に変化がみられたことから、
1錠減らしたのです。
すると、お腹がすくことが減り、おやつを欲することが無くなり、
するりするりと6キロ痩せたのです。


周りの人は痩せたね~、どうしたの?と興味半分で言われますが、
自分としては人体実験をしているような感覚がありました。
痩せることより、ドグマチールを減らすことによる体調への影響全般が
気になるからです。


ところが、去年の11月頃に不調がはっきりと表れてきたので、
1日4錠に戻しました。
正直に言いまして、とても残念でした。
せっかく減ったのに、やっぱり私はまだ元気とは言えないんだ、と。


4錠に戻したところ、
しばらく忘れていた空腹感に襲われるようになりました。
胃薬効果が出てきたのです。
お腹が空っぽという感覚で、何か入れないと力が出ない気がします。
で、おやつを復活させたところ・・・みるみるうちに太ったのです。


このサイクルを体験してみて、
ドグマチールの副作用を実感することになりました。
これはお薬のせいでお腹がすくのだ、とはっきりわかったので、
少々太ることもあまり気にしないことにしました。
気持ちが落ち着けば、またドグマチールを減らすことができるでしょう。
その時には、また痩せることが可能なのですから。


まず大事なのは、お薬の効果を信じて服用し、
お医者さんの指導に沿って、生活することです。
もちろん合わないお薬もあります。
合わないお薬のお話は、また改めていたします。


というわけで、
私の場合はドグマチール1日4錠で太る!というお話でした。


※スルピルド⇒商品名:ドグマチール、アビリット、ミラドール等。
※私の場合は1錠50㎎です。

2018年1月27日土曜日

一年ぶりの同窓会

現在の会社に入った時に配属された部署、
そこはそれまで経験したことのない優しい人達が集まったところでした。
数年後、組織編成のためその部署にいた人達はみなあちらこちらに、
異動になりました。
私は今の部署に移ったのです。


そのかつて所属した部署で、多くの方々にお世話になりました。
その感謝の気持ちを込めて、同窓会を催しています。


今夜は、一年ぶりとなる同窓会でした。
10名ほどでしたが、どの方も個性豊かで、優しくて、きさくに話してくださり、
リラックスできましたし、皆さんも楽しげにされていたようですし、
嬉しく思った次第です。


自然と今の部署との比較もしてしまいます。
上司も違えば、もちろん仕事には大きな違いが出ますね。
以前が恵まれすぎていたのです。
今の方が一般的な職場だと思います。
そして、その現状に根を上げている自分は甘ったれだな、とも思いました。
理屈は言えても、タフに仕事できず、クォリティもたいしたことのない仕事しか
できません。これでは、私の気持ちは言い訳でしかないでしょう。
しかしながら、今自分が考えていることを撤回するつもりはありません。
私にはできることの限界があり、体力にも限界がある。
そして事実、現在の部署としての問題もある。
肝心なのは、どうやってそれを乗り越えていくか、でしょう。


現在では距離を置いた方々との会話から、
今の自分を眺めることができたことも、
この同窓会のおかげです。


参加してくださった方々に、感謝するばかりです。
今夜も、ありがとうございました。

2018年1月11日木曜日

新聞を読みたいのですが

去年の末、とうとう父親が新聞購読を止めるという暴挙に出ました。
前々から、日経新聞の論調に不満があるとは聞いていましたが、
朝日も毎日にも不満だ、ということで、
TVもあるし、ネットでニュースも読めるし、などと強気が勝り、
とうとうそういうことになってしまいました。


TVを観ない私としては、ネットのニュースだけでは物足りませんし、
紙媒体の新聞の良さを充分に享受してきましたから、
焦ってしまいました。


読書欄が掲載される土曜日、日曜日は購入することになりましたが、
毎日何か忘れ物をしている気分です。


活字が好きな分、欲求不満なのでしょうか。


慣れてくるのか、
そのうち、根を上げるか、さて・・・。

2018年1月4日木曜日

2018.1.4

今日で一週間のお正月休みが終わりました。
一週間ものお休みはなかなか取れませんね。


大晦日から始まった宴会に続いて、
お正月はお膳の用意やら、片付けやらで忙しく、
本来は休みのはずなんだけどな、と。
飲むことも、食べることも大好きな人間が集まっているので、
始終、お酒やら、お茶やら、珈琲やら、紅茶やら、と
飲み物をは始めとする食卓関係と、
和食器ばかりなので、食洗機にもかけられない洗い物が。


三が日を終えて、ほっとしまして、
今日は本格的に自分の用事ができました。


元旦から始めたPCの入れ替えもほぼ終わっているのですが、
お気に入りが移行できていません。
調べてみても、Win10への移行はわからずじまい。
職場ではうまくいったので、
システム担当の人に尋ねてみようかと思っています。
それと、画面がまったく違うので、とまどっています。
で、慣れたWin7を使っております。


自分の部屋で好きな音楽を聴きながら、
用事に没頭していると、ようやくリラックスした気分になってきまして、
お正月というイベントを経て、
自分の時間を取り戻して、初めてこういう状態になったんだな、と
実感できました。
それには一週間かかった、ということになります。
一週間くらいはないとリラックスできない、ということかもしれません。
もちろん人にもよるでしょうが。
バカンスというシステムがうらやましいと思ったのでありました。


結局、読書はできずに終わってしまいました。
また、時間のあるときに、のんびりと読みましょう。

「スパイたちの遺産」

「スパイたちの遺産」 ジョン・ル・カレ著 加賀山卓朗訳 早川書房


2017年に出版されたばかりの本を、
もう翻訳で読める。
それだけ、注目されている小説なのです。
ジョン・ル・カレの出世作「寒い国からやってきたスパイ」と、
スマイリー3部作の続編にあたります。


スマイリーの片腕として能力を発揮したギラム。
彼ももう引退して、故郷フランスで静かに過ごしています。
そこへ諜報部から呼び出しが。
かつての事件にかかわった人物の遺族が動いているということです。
隠された資料の提供を求められたギラム。
ギラムはスパイとして活動していた持ち味の能力を蘇らせつつ、
眼の前におかれた報告書をもとに、
過去に遡っていきます。
でも、真実を知り、自分に指示を与えていたスマイリーは、
いったいどこにいるのでしょうか。
彼こそが鍵であるのに。


「寒い国・・・」「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」を
読んでおられる方は堪能されることでしょう。
その背景がギラムによって語られます。
それまで奥にいたギラムの活躍が、
ギラムという人間の持ち味が活かされています。


ずいぶん過去の作品を織り交ぜ、
東西が分裂していた時代に戻って、
ここまで読み込ませるドラマを書く、それはこの作家の見事な腕。


登場人物の描き方がとても好きなこともありますし、
ドラマティックなところも好きですし、
細やかな心の動きの落とし込み方も好きですし、
あらためて感動しつつ読みました。
先日には、作家の回想録も出ましたから、
そちらも覗いてみたくなってきました。


スパイ・スリラー作家の最高峰、そういっても過言ではないでしょう。

2018年1月2日火曜日

「魔法の夜」

「魔法の夜」 スティーヴン・ミルハウザー著 柴田元幸訳 白水社


真夏の夜には、月が魔法をかけてくれる。
魔法をかけられた人たちの、エピソードが連なる中編小説です。


女の子、中年の男性、酔いどれ、マネキン、人形たち、
男の子、恋する女性、エトセトラ。
みんな月に酔わされたように、ふらりふらりと動き出す。


月に酔わない人もいるのです。


それぞれのエピソードが交錯するかと思えば、
普通に閉じられていくエピソードもあり、
そうそう変わっているわけでもありません。
このような題材の小説はいくつもあるでしょう。


ミルハウザーは月に酔わされた人々に夢を見せてくれます。
つかの間の夢。
かと思えば、現実的な展開もあったり、と、
同じパターンは一つとしてありません。
まったく退屈する暇などないのです。


ミルハウザーに求めるファンタジーと現実の狭間を、
月夜に眺める私たち。


この世界は誰にもまねのできるものではないでしょう。
ミルハウザーという人物はいったいどんな人なのでしょう。
飛躍する想像力、永遠に広がっていく夢、夢想、
それらを言葉に置き換えて、
現実に世界に登場させるなんて。


この小説の中身をお伝えする力は私にはありません。
一度、手に取ってみてください。
この世界は、自分の眼に見えるものだけではないかもしれません。

2018年1月1日月曜日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
本年もお付き合いのほど、
よろしくお願いいたします。
変わらず、たいした内容ではありませんが、
このブログでは、
自分の素直な気持ちを表していきたいと思っております。
今年は少しでも前進らしきところを示して、
読み応えのある内容になることを、
自分にも期待しています。


今は午前2時30分。
大晦日の家族での宴会が盛り上がりすぎまして、
年越しそばをいただいて、
片付けをしていたら、こんな時間になってしまいました。


大晦日は、自分の用事ができるはず!だったのですが、
家の中のリズムがいつもと違い、
あれこれと呼ばれたりして、落ち着かず、
まともに音楽も聴けずじまい。
読みかけの「茶色の服の男」も進みませんでした。
冒頭を読みかけたところで感じたのは、
新訳だとのことですが、
とても大衆的な雰囲気が出ています。
親しみやすいのかもしれませんが、
個人的な好みは古風な感じなので、
少々違和感が。
もともとは大衆向けミステリーなのですから、
不思議はありませんが。


先日、ジュンク堂のPR冊子に目を通していて、
とても良さそうな本を見つけました。
エドウィージ・ダンティカ「ほどける」作品社。
密度の高い美しい文章、とあります。
ぜひ店頭で見てみましょう。


明日は寝正月となりそうですが、
おせちとお雑煮はよばれないといけませんね。