2010年2月23日火曜日

「一階でも二階でもない夜」読書中

堀江敏幸さんの「一階でも二階でもない夜」という
よくわかるようなわからないようなタイトルのエッセイ集を
読んでいます。

読んでいると少々前の話が出てきて、
時間のずれを感じます。
末尾を調べてみると、
この文庫本の親本が出たのは2004年だそうで、
もうそんなに経っているのかと、
堀江さんのその後の活躍を思い出して、
自分の変化の無さに唖然としました。

堀江さんとはほとんど同世代です。
でも堀江さんの読んでいる本は、
選択眼が年代を超越していますし、
書かれる文章もしかりです。

これまでは何も考えずに、
感じるままに、
堀江さんの豊かなイマジネーションと、
微細な心の動きを表現する言葉と文章を
楽しんできました。
柔らかなユーモアのセンスも、
遠慮がちに表される優しさも、
お人柄が伝わってくるようで、
親しみを感じてきました。

ほぼ人生の真ん中あたりに至り、
堀江さんの文章をそのまま味わうだけでなく、
その生きるための呼吸の方法のセンスも、
読み解く時期にきたような気がしています。

現実の姿をより自分の視点で読み解けるように、
なりたいものだ、
堀江さんのエッセイは自分を振り返る作用も持っているようです。

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