堀江敏幸さんの「一階でも二階でもない夜」という
よくわかるようなわからないようなタイトルのエッセイ集を
読んでいます。
読んでいると少々前の話が出てきて、
時間のずれを感じます。
末尾を調べてみると、
この文庫本の親本が出たのは2004年だそうで、
もうそんなに経っているのかと、
堀江さんのその後の活躍を思い出して、
自分の変化の無さに唖然としました。
堀江さんとはほとんど同世代です。
でも堀江さんの読んでいる本は、
選択眼が年代を超越していますし、
書かれる文章もしかりです。
これまでは何も考えずに、
感じるままに、
堀江さんの豊かなイマジネーションと、
微細な心の動きを表現する言葉と文章を
楽しんできました。
柔らかなユーモアのセンスも、
遠慮がちに表される優しさも、
お人柄が伝わってくるようで、
親しみを感じてきました。
ほぼ人生の真ん中あたりに至り、
堀江さんの文章をそのまま味わうだけでなく、
その生きるための呼吸の方法のセンスも、
読み解く時期にきたような気がしています。
現実の姿をより自分の視点で読み解けるように、
なりたいものだ、
堀江さんのエッセイは自分を振り返る作用も持っているようです。
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