2017年2月12日日曜日

「タルチュフ」

「タルチュフ」 モリエール著 鈴木力衛訳 岩波文庫


この作品は1664年に書かれた戯曲です。
17世紀のフランスですね。
“もしくはぺてん師”という副題がついており、
まったくもって喜劇です。


舞台は、お金持ちのオルゴン家。
主人をもって、信仰の厚いタルチュフをもてなしています。
オルゴンの母もタルチュフをすっかり信用しています。
オルゴンの妻もそうです。
が、息子、娘、息子の嫁、娘の恋人、女中たちは、
すっかり見抜いていたのでした。
そこへオルゴンがタルチュフを娘と結婚させようとします。


タルチュフ、実は信心家を装って、
かつ零落貴族を名乗り、
オルゴンから財産の横領をたくらみ、
オルゴンの妻に言いよろうとするぺてん師なのでした。


さて、このお話の顛末はいかに。


17世紀のフランスは太陽王ルイ14世の治世。
モリエールの一座は地方巡業を経て、
ルイ14世のお気に入りとなったところです。
戦争も治まって、安定した世の中であったであろう、と考えます。
ルイ14世は自らも踊ることが好きだったということで、
音楽と演劇を好んだそうです。
モリエールは紆余曲折がありながらも、
数多くの作品を書き、自らも舞台に立ったそうです。
とくに喜劇を得意とし、評価が高かったのでした。
その代表作のうちの一冊が、
この「タルチュフ」。
大変古い作品ですが、
偽善者を見破り、その皮をはぐ、展開の見事さには喝采です。
で、きちんと王様を立てているところが、
あっぱれ。
そうでないと、上演できなかったのでしょうね。


当時の娯楽の一つとして、
演劇は大変好まれたと思われます。
きっと一般大衆においても。


また、モリエールは古典演劇のルール“三一致の法則”、
時の単一、
場の単一、
筋の単一、
をきちんと守っており、
喜劇作品の完成を見せています。


ひとつ読んでみると、
他も面白いのではないか、と当然ながら思いますね。
なので、翻訳されている数冊を読んでみたいと考えています。


古典劇といえば、コルネイユ、ラシーヌが挙げられます。
彼らも同時代の劇作家です。
ラシーヌはモリエールのライバルであったとか。
もちろん、他の演劇一座もありましたから、
様々な劇場での上演があり、楽しまれたようです。
その時代ならでは、の雰囲気で、読んでみると面白いですね。

映像があれば、もっと楽しめるでしょう。
いい映画ないかな?
調べてみましょう。

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