2017年2月23日木曜日

“芸術は何処へ”第二回講演会

今、京都府立文化芸術会館にて、
“芸術は何処へ”というタイトルで、
講演会が毎月催されています。
詳しくはこちら ↓
http://www.bungei.jp/cgi-bin/eventinfo/details.cgi?1474900132-20170219

その都度、講演者は変わり、
芸術分野の第一人者の方がお二人、お話しされます。

2月19日は、
美術史家の青柳正規さんと、
銅版画家の山本容子さんが、お話しされました。

青柳さんはイタリア美術を中心に西洋美術分野の専門家。
文化庁長官もなされていたので、
もちろん御存知の方は多いことでしょう。
その日は、裸体の描かれ方の変遷について・・・
スライドを使い、有名な像や絵画を例にお話しくださいました。
ミロのヴィーナスを入り口に、
素人でもわかりやすく、ユーモアを交えた楽しいお話しです。
知識・造詣が深く、知性豊かな方は、
ささやかな事柄からも、糸でつなげるように話題が広がり、
ほんの一時間で一つの話題を豊かに繰り広げられました。

後半は、山本さん。
山本さんの作品は、書籍の表紙などでも見かけることができますね。
私は、山本さんの作品が大好きで、
その上、山本さんの美貌にも惹かれておりまして・・・美しい方です。
お話しは、ラスコー洞窟の壁画から始まりました。
現地でご覧になった画家の立場から、考えたこと、疑問に思うことなど、
聞けば聞くほど、なるほど、不思議だ・・・と目から鱗です。
原始の時代から、クロマニヨン人も絵を描いていた、という事実は、
なんらかの必要性があったのでしょう。
人間は芸術を必要とする生き物なのだと、思ったりしていました。
お話しの後半は、現在手がけられているアートinホスピタルについて。
かかわりをもったきっかけから、実際に天井に描かれたこと、
スウェーデンにおけるアートinホスピタルの状況について、
その目的、理由、必要性などなど、単に飾られている絵画とは、
意味あいが違うことなどを教えていただきました。
2005年から活動を始められ、国内でも10か所以上の病院との
コラボレーションを行っておられます。
やっぱり、人間は美術を、芸術を必要としているんだ、
とまたまた思っておりました。

青柳さんのお話しが14:00~15:00、
山本さんのお話しは15:15~16:55、
最後の30分はお二人の対談でした。
お二人は、以前にも一緒にお仕事をされており、
イタリアにもご一緒されているそうです。
なので、イタリア美術や建築などを歴史に結び付けたトークで、
とても和やかな、和気あいあいとした楽しい雰囲気です。
目の前にパンテオンや、ラファエロの絵、ポンペイの存在したであろう町などが、
浮かび上がるようです。
もっと続いてほしかったと、皆が思ったことでしょう。
実に豊穣な時間でした。
具体的な内容をお伝えできないことが残念です。
私の腕ではどうにもなりません。

この“芸術は何処へ”、こんな感じであれば、
書籍にまとめられる可能性があるかもしれません。
どの講演も聞いてみたくなる、
わかりやすく、充実した、楽しい講演会でした。
できれば、芳賀徹さんの講演に行くチャンスがあるといいのですが。

館長さんもユーモラスで、場を和ませてくれる、
とっても楽しい方です。
京都だからか、時間の流れ方も、濃密で、ゆったりしているような気がしました。

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