2010年6月10日木曜日

市川亀治郎さんのエッセイ

日経新聞の夕刊、金曜日の“プロムナード”は、
歌舞伎俳優の市川亀治郎さんが担当されています。

いつも話の立ち上がりは歌舞伎を中心とした芝居のことから始まります。
実際にご自分で経験された体感的、感覚的な表現を核にされているわけですが、
そこから、とても内部に深く切り込んだ思想的な話に展開してゆきます。

今回は“メメント・モリ”。
抜粋いたしますと、

歌舞伎の公演に休演日は存在しない。
舞台の感動は一瞬で消えてしまう。
消える一瞬に命を賭ける。
命が永遠に続くという幻想。
死を忘れるな、死を想え。
死を意識することで、いま生きている一瞬一瞬にフォーカスする。
一休禅師の杖の髑髏も、・・・生きている瞬間をもっと意識せよということを
語っていたのではなかったか。

知識として頭にあることが、
身体を通して結びつき、理解に至る。
毎回、圧倒されるエッセイです。

0 件のコメント:

コメントを投稿