2009年11月21日土曜日

「アメリカの鳥」を読み始めました

マッカーシーの「アメリカの鳥」を読み始めました。
興味深い本が並ぶ河出書房新社の全集の案内を見ていて、
青年がパリで大人になってゆく話だそうだし、
タイトルもなんだか気になって、
是非読んでおこうと思ったのです。
今のところ、主人公は幼さの残る年ごろで、
舞台は出身地のアメリカに居る部分です。
アメリカ文化に親しめない者には、少々我慢というところ。

文化に関しては目をつむるとして、
内容はとても細やかでデリケートです。
微妙な年齢の男の子の心理状態を、
丁寧になぞってあります。
このような巧な表現によって、
主人公の心理や、とりまく環境、
周りの人々の性格や関係などが少しずつわかっていくところが、
妙味です。

そういえば、と
最近読んだナンシー・ヒューストンの「時のかさなり」 新潮クレストブックス
を思い出しました。
冒頭の章ではアメリカの少年が主役だったのです。
作為的とも思える、非常に現代的な生活を送る少年の描き方に、
少々抵抗を感じました。
とはいえ、そこから時を遡って、複雑な過去へと導かれ、
作品としては大変重みのあるものでした。
名前からは判別できませんが、
ナンシー・ヒューストンはフランス人として、
フランス語で作品を発表しているようです。
ちょっと気になる作家だと、注意しています。

次から次へと読みたい本が出てくるので、
忙し、忙し、です。

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