マッカーシーの「アメリカの鳥」を読み始めました。
興味深い本が並ぶ河出書房新社の全集の案内を見ていて、
青年がパリで大人になってゆく話だそうだし、
タイトルもなんだか気になって、
是非読んでおこうと思ったのです。
今のところ、主人公は幼さの残る年ごろで、
舞台は出身地のアメリカに居る部分です。
アメリカ文化に親しめない者には、少々我慢というところ。
文化に関しては目をつむるとして、
内容はとても細やかでデリケートです。
微妙な年齢の男の子の心理状態を、
丁寧になぞってあります。
このような巧な表現によって、
主人公の心理や、とりまく環境、
周りの人々の性格や関係などが少しずつわかっていくところが、
妙味です。
そういえば、と
最近読んだナンシー・ヒューストンの「時のかさなり」 新潮クレストブックス
を思い出しました。
冒頭の章ではアメリカの少年が主役だったのです。
作為的とも思える、非常に現代的な生活を送る少年の描き方に、
少々抵抗を感じました。
とはいえ、そこから時を遡って、複雑な過去へと導かれ、
作品としては大変重みのあるものでした。
名前からは判別できませんが、
ナンシー・ヒューストンはフランス人として、
フランス語で作品を発表しているようです。
ちょっと気になる作家だと、注意しています。
次から次へと読みたい本が出てくるので、
忙し、忙し、です。
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