2017年1月25日水曜日

「マチネの終わりに」を読んだり

昨日は、通院日で、じっくり読書タイムをとりました。
選んだ本は「マチネの終わりに」 平野啓一郎著 毎日新聞出版社。
評判になっている本ですね。


平野さんの本を読むのは4冊目でしょうか。
今回も、精緻に丁寧に書かれ、よく練られた小説でありました。
美しい恋の物語です。


主役の二人が信じられないような設定でして、
こんな人はそうそういない、と思うわけですが、
そういう人物の人間らしい内面をきめ細やかに表現されています。
その時点で、もう普通の恋愛小説と違いますね。


ストーリーは、人物設定の生き方と自然に組み合わされ、
逆に意外性もないくらいです。
ひねりがある部分は、個人的には不満なところなのですが。
なぜなら、その部分が重要ではあるのですが、
そんなことありえない!と思わされるのです。


でも、そういう事態も長い時間をかけて、
主役の二人は崇高とも思えるくらいの態度で受け止め、
新たな人生を模索していきます。


ラストは、テーマにふさわしく、美しい情景です。
最後まできて、なんだか、ほっとしたのでした。


私としては、主人公が演奏ができなくなる、という事態に、
悩み、苦しみ、考え、思いをはせ、乗り越えていく、
一つの大切な伏線の部分に、大変惹かれました。
こういったところを書くこと、表現できることが、
作家の素晴らしさではないかと思われました。


美味しいにしむらの珈琲を飲みながら、
この本を読み終えて、しばらくは、ぼぅっとしていました。
現実離れしているのに、
どこか惹かれる部分、
それはいったいなんだろう?
きっちりと考えられてあるのに、
不自然さを感じるのは何故だろう?
多様な表現や言葉の選択は、
平野さんらしい・・・
女性心理はかなり上手に書かれているけれど、
少々踏込が足りないかな・・・
などなど。


あまりこの本の世界に浸っていると、
次の行動に差し障りがあるということに気がついて、
ようやく立ちあがったのでした。


で、お医者さんでは、
お薬が一つ減ったのです!


朝、まったく起きることができない状態が一か月ほど続いていて、
先週からは、かなり意識して起きるようにしていたのですが、
魔の手に捉えられたように、眠り込んでしまっていたのです。
で、相談の上、寝る前のお薬を一つ減らして、
もう一つは半分に減らしてみることになりました。
まずは様子見で、日中に支障がないように、
注意していなければなりません。
それでも、お薬が減るのは久しぶりなので、
とても嬉しいです。


昨日は、もう一冊本を読めたので、
それは、明日にでもご報告いたします。





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