2014年3月2日日曜日

本の作り

小さい時から、よい絵本を与えてもらっていたからか、
紙質や、本の作りなど、手触りで感じるところがとても気になります。


小学校の図書館で手にした本は、
紙が厚くて、活字がおおざっぱで、
デザインが目立つ仕立てのものが多くて、
出版社によって違いがあることに、
早くから気が付いていました。


栃折久美子さんの「モロッコ革の本」を読んで、
本格的にルリユールをしてみたいと思った時期がありました。


よい紙を使って、きれいな活字を組んだページを綴じて、
丁寧にかがり、シックな色の花切れをつけて、
開きやすいゆったりとした表紙をつけてみる。
表紙は革ではなく、紙を使う。
などと、想像したりしていました。


ある先生のエッセイ本で、
おそろしい装丁のものに出会ったことがあります。
まず、開かない。
横幅が狭く、のどが開かないので、全く読めない。
本失格の可哀そうな本でした。
その本をバラバラに解体してはみたものの、
どうしようもありませんでした。
今も店頭に並んでいるので、
出版社は何を考えているのか、不明であります。


丁寧につくられた本が大好きです。
しっかりとしていて美しいのは、児童書の福音館の本。
一般の本では出版社というより、装丁によって変わってくるようです。
みすず書房の本はシンプルなデザインですし、
間違いがありませn。
とても興味深い本がたくさんあります。
小さな出版社で、美しい凝った本をだしておられるところもあるようですし、
詩集などもこだわりのある本があるように思われます。


一度、本作りのレッスンに行ったことがありました。
文庫本を作り直して、表紙を作る。
この話は前にもしたような気がします。
初心者向けですから、少々物足りなかったのですが、
本を作る作業は自分には向いていない!ということが、
よくわかった一日でした。


予算的に難しく、よい装丁の本でない場合もありますね。
そういうことがわかったときには、
文庫本になるまで待つことにしています。
手に収まる文庫本は大好きです。
手の中に小さな宇宙!
文庫本にもいろいろな装丁のものがありますが、
ちくま文庫や中公文庫が読みやすいでしょうか。
読みにくいけれど、古風な岩波文庫は捨てがたいところです。


以前本屋さんで仕事をしていた時に、
新刊で100万円という豪華本を見せてもらったことがあります。
もちろん注文制作でした。
それはそれは、大きく、美しい、豪華な本でしたが、
なんだか、こういった本は読まれる本ではなくて、
観る本という気がして、あまり感心しなかったのでした。


本も色々、
人も色々、
自分の身の丈にあった本と出合いたいものですね。

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