2014年11月2日日曜日

二十歳ごろのミステリ行脚

その当時は大き目の本屋さんに立ち寄って帰るのが日課でした。
何も買わないことが多かったのに、
本の背表紙を眺めて、あれこれ考えてみるのが楽しかったのでした。


自分好みのミステリはないかと思っていましたが、
ある日見つけたのが「料理人が多すぎる」レックス・スタウト著。
これで、すっかりグルメ・巨漢・ユニークな探偵ウルフとそのチームに
はまってしまいました。
大当たりです。


大当たり、ということで、もう一つはまったのが、
「大はずれ殺人事件」クレイグ・ライス著。
このシリーズもお話は面白おかしい内容で、
キャラクターがとても冴えています。
ヘレンが最高に素敵!
コメディ・タッチが好みの方にはぴったりです。


いずれも古いアメリカの作品で、
現代にはマッチしていませんが、
こせこせせず、ゆったりとしているところ等、豊かさを感じさせます。
現代物を読むと緊迫感が重要視されているような気がするほどです。


その頃に出だしたのが、女性探偵物でした。
今も続いているサラ・パレツキーのシリーズ物や、
スー・グラフトンを気分よく読んだものです。
爽快感がありましたね。


その中で、「女性には向かない職業」P.D.ジェイムズには、
とても暗い印象を受けて、これはダメだわ、と思ったのでした。
ところが、数年経ち、時間待ちをしなければいけなくなった時に、
偶然手に取ったのが、「皮膚の下の頭蓋骨」。
これも主人公は同じくコーデリアなのですが、
これが素晴らしくよかったのです。
それ以来、P.D.ジェイムズは大のお気に入りとなりました。


加えて、サイコ物が出だした頃でもありました。
読みました、「羊たちの沈黙」。
絶句しましたね・・・。
もちろん続いて「レッド・ドラゴン」等も読み、
パトリシア・コーンウェルも早々に読んでみました。
あまりにも恐ろしい描写にだんだんと辟易するようになり、
サイコ物はこのあたりで卒業しました。


当時のミステリではスティーブン・キングが人気でした。
貸してもらったりもしたのですが、
怖くて、怖くて、読めません。
なんだか手に持っているだけで、恐ろしい気がしたのです。
で、読めずに終わっています。


フレンチ・ミステリにも興味があったので、
2,3冊読んでみましたが、あまりピンときませんでした。
その本の翻訳者は、直木賞作家の藤田宜永氏と記憶しています。


昔の話、そのものですね。
共感できる方はいらっしゃるでしょうか。


次回は、ミステリ読書新たな展開、です。

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