2014年11月5日水曜日

「嵐の夜の読書」

「嵐の夜の読書」 池澤夏樹著 みすず書房


池澤夏樹さんの書評は毎日新聞をはじめとして、
目に触れられる機会が多いかと思います。


その特徴はなんといっても読みやすさです。
取り上げた本の筋や特徴をわかりやすく解きほぐしてあるところでしょう。
それには、本をよく読み、世界を知らねばなりません。
その上、好奇心もなければ、新しい世界へ飛び込むこともできません。
そういった素養を十分に兼ね備えた方として、
池澤さんの書評は大変優れているかと思います。


「嵐の夜の読書」には1999年から2008年の書評が取り上げられています。
普段はなかなか読まないジャンルの本についての紹介は、
たいへん助かるものです。


池澤さんの個人的な感想も述べられているので、
こちらも親しみやすくなりますね。


「ブッキッシュな世界像」から30年、
長く池澤さんの書評には接してきていますが、
みすず書房から出ている「読書癖」シリーズも、とてもおすすめです。
若い頃にはわからなかったことも、
今となれば、なんとなく理解できたような気がしたりして、
齢をとるというのも、いいものだと思うのです。
もちろん失っているものもあるわけですが、
今ここにいるのが大切だと思うと、
若い頃のいい加減さに少々あきれたりもするこの頃です。

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