2014年10月16日木曜日

「文盲」

「文盲」 アゴタ・クリストフ著 堀茂樹訳 白水uブックス


2011年に亡くなったアゴタ・クリストフの自伝。


いつものようにシンプルで必要なことだけを記すことで、
強烈なインパクトを持つ作品です。


亡命するということが、どれほど大変なことか、
始めて知ったように思います。


私も「悪童日記」でアゴタ・クリストフを知りました。
この本を読んで衝撃を受けない人はあまりいないでしょう。
あまりにリアルで、小説とは思えない。
でも小説という体裁をとることで、作品として成り立っている。
これに続く「ふたりの証拠」、「第三の嘘」を読むと、
めまいを起こしそうになります。


この3冊があまりに傑作だったので、
かえって他の作品を読まずにきました。
「文盲」は「悪童日記」の映画化もあるためか、
新書化されたので、読んでみましたが、
改めてアゴタ・クリストフの人間としての力を知ったように思われます。

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