今年のノーベル文学賞にパトリック・モディアノが選ばれたと聞いて、
頷かれた方も多いのではないでしょうか。
私が初めてモディアノの名を知ったのは、
20年前の堀江敏幸さんの処女作「郊外へ」においてでした。
「記憶の場所」という章で、モディアノの「特赦」から始まり、
他の著作に目を配りしながら、ある特定の場所に行きつくお話です。
堀江さんがお好きな方なら、この時点でもうすぐにモディアノの著作を
読み始めておられたでしょう。
私にはモディアノの本のタイトルがあまりに暗さを感じさせるので、
距離をおいていました。
ただ、堀江さんが「八月の日曜日」を翻訳された時には、
読んでみましたが、これは入口間違いというもの。
それからしばらくが経ちますが、
相変わらず食指が伸びないままできました。
ノーベル賞の受賞で嬉しいことは、
その方の著作や関連書がたくさん出る・・・とは決まっていませんが、
少しは本屋さんの書棚をにぎわしてくれるのがいいところです。
フランスの古典にもなりつつあるモディアノの本、
代表作からでも読んでおきましょうか。
食わず嫌いはよくありませんし。
それにしても、毎年ある作家が受賞するかどうかが話題になりますが、
いい加減にしてほしいというのが本音です。
世界に広く親しまれているというだけでも十分ではありませんか。
立派な人を知ることができる、という意味で、
ノーベル賞のニュースは嬉しく聞いていますが、
身内騒ぎはほどほどにいたしましょう。
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